東京都水道局の目安では、水漏れを1か月そのままにすると、蛇口から糸のように細く漏れるだけで約1,800円、トイレの便器に水が流れ続けると約7,000円〜約69,000円、水道代が増えます。漏水の分も原則は住んでいる人が払いますが、壁の中や地中の漏水などは、修理したあとに申請すると減額される水道局が多くあります。この記事では、東京都水道局の目安と料金表、大阪市・横浜市・川崎市の制度をもとに、漏れの量ごとの金額と、減額の申請・賃貸の場合の考え方をまとめます。
| 漏れている場所と様子 | 漏れる量(1か月) | 増える料金の目安 |
|---|---|---|
| 蛇口から糸のように細く(約1mm) | 約6m3 | 約1,800円 |
| 蛇口から糸のように(約2mm・マッチ棒ほど) | 約16m3 | 約5,500円 |
| トイレ:便器の前から、箸の先ほどの水が流れている | 約20m3 | 約7,000円 |
| トイレ:便器の水面がわずかに動いている | 約150m3 | 約69,000円 |
東京都水道局の目安では、蛇口から細い糸のように漏れるだけで1か月に約6m3(6,000リットル)、料金は約1,800円増えます。1m3は1,000リットルで、6m3は一人暮らしの1か月の使用量(約8m3)に近い量です。表の料金は消費税抜きなので、実際の請求は1割ほど高くなります。
2か月に1回の請求の地域では、気づくまでに2か月分の漏れがたまり、増える額もほぼ2倍になります。水漏れは早く見つけて止めるほど、払う金額が小さくなります。
表のうち金額が大きいのはトイレです。便器の水面がわずかに動いているだけでも、便器に水が多くたまるタイプでは1か月に約150m3が流れ、料金は約69,000円になります。4人家族の1か月の平均使用量(約22m3・東京都水道局)の約7か月分にあたる量です。
トイレの漏れは音がしにくく、流れる水が便器の中に消えるので気づきにくいのが特徴です。使っていないのに便器の奥に水がチョロチョロ流れていたら、タンクの中の部品(浮き玉やゴムの栓など)の不具合が考えられます。応急の手当てとして、トイレの止水栓をマイナスドライバーなどで閉めると水が止まります(東京都水道局)。
| 1分間に漏れる量 | 1日では | 1か月では | 4人家族の家で増える額 | 一人暮らしの家で増える額 |
|---|---|---|---|---|
| 10mL | 約14L | 約0.4m3 | 約140円 | 約60円 |
| 30mL | 約43L | 約1.3m3 | 約430円 | 約190円 |
| 100mL | 約144L | 約4.3m3 | 約1,440円 | 約900円 |
| 200mL(コップ1杯) | 約288L | 約8.6m3 | 約2,930円 | 約2,030円 |
| 500mL | 約720L | 約21.6m3 | 約8,230円 | 約6,110円 |
| 1,000mL(1L) | 約1,440L | 約43.2m3 | 約17,760円 | 約14,970円 |
ポタポタやチョロチョロの水道代は、漏れている水を1分間コップや計量カップで受けて、量を測ると見当がつきます。たとえば200mLのコップが1分でいっぱいになるなら、1か月で約8.6m3が漏れ、東京23区の料金では4人家族の家で水道代が月約2,930円増えます。3分でいっぱいになるなら1分に約67mLなので、表の30mLと100mLの間です。
1分に10mLほどの細いポタポタなら、1か月の増え方は数十円〜百数十円です。それでも、蛇口のパッキンなどが傷んで漏れる量は増えていくことがあり、東京都水道局は夜は水圧が上がって漏水量が増えると案内しています。量が少ないうちに直すのが安上がりです。
同じ量の漏れでも、4人家族の家のほうが増える額は大きくなります。多くの市町村では、使う量が多いほど1m3の単価が上がる料金表になっているためです。
シャワーを止めた直後にヘッドから水が落ちるのは、ホースやヘッドの中に残った水が出てくるためで、多くは水漏れではありません(パナソニックの水栓の取扱説明書でも、止水時の水滴は残った水によるもので異常ではないと説明しています)。しばらくたっても止まらない、ずっと同じ間隔で落ち続けるときは、水栓の中の部品の傷みが考えられます。上の表のように量を測って、メーカーや水道工事店に相談しましょう。
いちばん確実なのは、水道メーターのパイロットを見る方法です。家の中の蛇口をすべて閉め、トイレや洗濯機、食洗機なども止めてから、メーターのふたを開けてパイロットを見ます。動いていたら、どこかで水が漏れています。戸建てなら敷地の地面、マンションなら玄関横のメーターボックスにあることが多いです。
パイロットは動いているのに、見える場所に漏れが無いときは、壁の中や床下、地中の配管で漏れている可能性があります。この場合は自分で探さず、水道工事店に調べてもらいましょう。水の止め方も覚えておくと安心です。メーターボックスの中のバルブ(止水栓)を右(時計回り)に回すと、家全体の水が止まります(東京都水道局)。
福島県伊達市公式YouTubeチャンネル「漏水の確認方法」(2020年4月公開)。水道メーターで漏水を確かめる方法を案内する動画です
水道代が高い原因が水漏れかどうか分からないときは、先に検針票の使用水量(m3)を前の年の同じ時期と比べると見当がつきます。水漏れ以外の原因と確かめる順番は、水道代が高い原因でまとめています。
| 水道局 | 減額の対象 | 減る量・期間 | 申請 |
|---|---|---|---|
| 大阪市 | 地中や壁の中などの漏水。トイレ・給湯器などは管理の範囲外と認められたときに1回だけ | 漏水量の50%。原則1か月分(修理が次の検針日を過ぎたら2か月分) | 修理のあと、申込書と修繕の証明書を出す |
| 横浜市 | メーターから蛇口までの給水管や設備の故障による漏水で、すぐに修理したもの | 増えた水量の一部(全部ではない)。漏水分を含む検針月分 | 修理のあと、申請書と修理の請求書・領収書の写しを出す |
| 川崎市 | 一定の要件を満たす漏水 | 1件の漏水につき最長4か月。払い済みの分は返金 | 上下水道お客さまセンターに問い合わせ |
| 東京都 | 事情によっては減額できる場合がある | 公式ページに基準の記載なし | 水道局お客さまセンターに問い合わせ |
漏水の分も、水道メーターを通った水なので、原則は住んでいる人(使用者)が払います。メーターから先の家の中の配管は、住んでいる人や持ち主の財産で、管理の責任もそちらにあるためです。そのうえで多くの水道局は、壁の中や地中など、ふだん気をつけていても見つけにくい漏水について、修理したあとの申請で使用水量を減らす制度を設けています。
減る量は、漏れた分の全部ではないのがふつうです。大阪市では漏水量の50%を減らし、残りの半分は使用者の負担になります。横浜市も「増えた水量の一部」を使用者が負担すると定めています。決まりは水道局ごとに違うので、住んでいる市町村の水道局のホームページで「漏水 減額」を調べるか、お客さまセンターに問い合わせてください。
| ケース | 2か月の使用水量 | 2か月の水道代 |
|---|---|---|
| ふだん(漏水なし) | 44m3 | 11,100円 |
| トイレの漏れがあった回 | 84m3 | 26,254円(+15,154円) |
| 漏水量の50%を減らしてもらえた場合 | 64m3 | 18,070円(8,184円戻る) |
4人家族で、ふだん2か月44m3を使う家に、トイレの漏れで40m3が加わると、東京23区の料金では2か月の水道代は約1.1万円から約2.6万円に増えます。大阪市と同じように漏水量の半分を減らしてもらえると約8,200円が戻りますが、約7,000円はふだんより多く払うことになります。減額があっても、早く直すほど負担が小さいことは変わりません。
上は大阪市と横浜市が対象外としている例です。申請の流れは、どちらも①漏水を修理する → ②修理の証明(修理業者の請求書・領収書、修繕証明書など)をそろえる → ③水道局に申請書を出すの順です。修理した業者の書類が必要になるので、修理を頼むときに減額の申請に使うことを伝えておくと手続きが進めやすくなります。横須賀市のように、指定給水装置工事事業者(市町村が指定した水道工事店)による修理を条件にしている水道局もあります。
払い済みの水道代が減額の対象になったときは、返金されるか、次の請求から差し引かれます。大阪市の申込書では「次回の請求に充てる」か「口座振込で返す」を選べ、川崎市も払い済みの分は返金すると案内しています。
まず、修理を済ませて減額の申請ができないか水道局に相談しましょう。そのうえで期限までに払うのが難しいときは、支払いについても早めに水道局のお客さまセンターに連絡してください。連絡をしないまま期限を過ぎると、督促や、最後は給水の停止につながります。督促から給水停止までの流れと相談先は水道代を払い忘れたらでまとめています。
| 項目 | 一般的な考え方 |
|---|---|
| 水道局への水道代 | 水道の契約をしている人(多くは入居者)が水道局に払う。漏水の分も請求に入る |
| 設備の修理 | 古くなった配管や設備の故障は、貸主(大家さん)が修理するのが原則(民法606条)。入居者の使い方が原因なら入居者の負担 |
| 入居者の役目 | 修理が必要なことに気づいたら、すぐ貸主に知らせる(民法615条)。知らせずに放置すると、増えた分を自分で負うおそれ |
| 漏水で増えた水道代 | 原因や契約によって扱いが変わる。まず水道局の減額を申請し、残りは管理会社・大家さんと相談 |
賃貸の部屋で水道代が急に高くなったら、まず管理会社か大家さんに連絡します。部屋の設備の修理は貸主が手配することが多く、勝手に業者を呼ぶと費用の負担でもめることがあるためです。トイレの水が止まらないなど急ぐときは、止水栓やメーターのバルブで水を止めてから連絡しましょう。
水道代そのものは、入居者と水道局の契約なので、管理会社から返金されるものではありません。古い配管が原因の漏水で増えた分をどうするかは、契約や原因によって変わるので、水道局の減額の結果も見ながら話し合うのが現実的です。話がまとまらないときは、消費生活センター(消費者ホットライン188)に相談できます。水道代が家賃に込みの部屋の考え方は、一人暮らしの水道代の平均で触れています。
A. 東京都水道局の目安では、便器の前から箸の先ほどの水が流れ続けると1か月約20m3で約7,000円、便器の水面がわずかに動く程度でも、水が多くたまるタイプの便器では約150m3で約69,000円です(どちらも消費税抜き)。気づいたら止水栓を閉めて、早めに修理しましょう。
A. 水道メーターより家側の修理は、住んでいる人が水道工事店に頼みます。市町村が指定した「指定給水装置工事事業者」に頼むと、減額の申請に必要な書類もそろえやすくなります。東京都水道局は、東京都管工事工業協同組合の総合設備メンテナンスセンター(0120-850-195)を案内しています。費用は漏水の状況で違うので、複数の店で見積もりを取ると安心です。
A. 東京都水道局では、メーターより道路側の漏水は、一定の条件を満たせば水道局が無料で修理します。道路や歩道から水がわき出ているのを見つけたときも、水道局に連絡してください。
A. 東京都水道局は、長く家を空けるときはメーターボックスの中のバルブを閉めておくと、万一の漏水に備えられると案内しています。大阪市の要綱でも、長く留守にしている間の漏水は、事情によって減額の特例の対象になることがあります。
A. 水道局によって違います。横浜市は、自分で軽い修理をした場合も対象になることがあるとして、管轄の水道事務所への相談を案内しています。一方で、指定の工事店による修理を条件にしている水道局もあるので、修理の前に確かめておきましょう。
人数ごとの水道代の平均は水道代の平均(世帯人数別)、8都市の水道料の毎月の動きは光熱費ウォッチで確かめられます。
この記事の情報は2026年10月25日時点のものです。主な出典: 東京都水道局「漏水は早期発見・早期修繕を!」「よくある質問(漏水)」「水道料金・下水道料金の計算方法(23区)」、大阪市水道局「漏水にかかる減量に関する要綱」、横浜市水道局「漏水による料金の減額について」、川崎市上下水道局「よくある質問」、横須賀市上下水道局「よくある質問」、民法(606条・615条)。漏水の減額の決まりは水道局ごとに違います。料金の先行きを予想したり、特定の修理業者をすすめたりするものではありません。