水道代が高くなる原因は、使用量が増えた・水漏れ・請求期間が長い・料金表の値上げ・基本料金の減額の終了のどれかがほとんどです。まず検針票の「使用水量(m3)」を前の年の同じ時期と比べると、どれにあたるかの見当がつきます。この記事では、東京都水道局の料金表と調査、総務省の家計調査をもとに、金額ごとの使用量の目安と確かめる順番をまとめます。
| 原因 | 検針票での見分け方 | 確かめること |
|---|---|---|
| 使用量が増えた | 使用水量(m3)が前年より多い | お風呂・洗濯の回数、在宅時間、家族や来客の増加 |
| 水漏れ | 使い方は同じなのに使用水量が大きく増えた | 水を止めてメーターのパイロットが回るか |
| 請求期間が長い | 検針の日数が多い・2か月分の請求 | 請求書の期間(何月何日〜何月何日) |
| 料金表の値上げ | 使用水量は同じなのに金額が上がった | 市町村(水道局)の料金改定のお知らせ |
| 減額・無償化の終了 | 前回だけ安く、今回もとに戻った | 前回の請求に「基本料金減額」などの記載 |
いちばん大事なのは、金額ではなく使用水量(m3)で比べることです。使用水量が増えていれば「使った量」か「水漏れ」、使用水量が同じなのに金額が上がっていれば「料金の側」が原因です。水道代は季節による差が小さく、家計調査の二人以上の世帯では月ごとの差は約6%でした。前の年の同じ時期より2割、3割と増えていたら、何か理由があると考えてよいでしょう。
2か月に1回の請求の地域では、検針の日数が56日の回と63日の回では、同じ使い方でも使用量が1割以上違います。請求書の期間も確かめてください。
| 変化 | 増える使用量の例 | 増える水道代 |
|---|---|---|
| 4人家族の平均(22m3)から | +5m3(27m3) | +1,667円 |
| 21〜30m3の段階で1m3増える | +1m3 | +333円 |
| 31〜50m3の段階で1m3増える | +1m3 | +409円 |
水漏れ以外でよくあるのは、暮らし方の変化で使用量が増えたケースです。夏休みや在宅勤務で家にいる時間が長い、子どもが大きくなってシャワーの回数や時間が増えた、洗濯の回数が増えた、家族や来客が増えた、などです。家庭の水の43%はお風呂で使われているので(東京都水道局)、まずお風呂の使い方を振り返ってみましょう。
多くの市町村の料金表は、使う量が多いほど1m3の単価が高くなる仕組みです。東京23区では、4人家族の平均的な使用量(月22m3)から月5m3増えると、水道代は月1,667円上がります。2か月の請求なら約3,300円の差になり、「急に高くなった」と感じやすい金額です。
| 漏れている場所と様子 | 漏れる量(1か月) | 料金の目安 |
|---|---|---|
| 蛇口から糸のように細く(1mmくらい) | 約6m3 | 約1,800円 |
| 蛇口から糸のように(2mmくらい・マッチ棒ほど) | 約16m3 | 約5,500円 |
| トイレの便器の前から、箸の先ほどの水が流れ続けている | 約20m3 | 約7,000円 |
家の中の蛇口をすべて閉め、水を使っていない状態で水道メーターのパイロット(小さな羽根車や表示)を見ます。回っていたら、メーターから蛇口までのどこかで水が漏れている疑いがあります(東京都水道局)。トイレの水が便器に流れ続けていないか、給湯器の配管からポタポタ落ちていないか、壁や地面がいつも濡れていないかも確かめましょう。
東京都水道局の目安では、トイレの便器に箸の先ほどの水が流れ続けるだけで、1か月に約20m3が漏れます。4人家族の1か月分の使用量に近い量で、「水道代が倍になった」というときは、まず漏水を疑ってください。
| 世帯と金額 | その金額になる使用量 | 東京都の平均使用量と比べると | 家計調査の平均と比べると |
|---|---|---|---|
| 4人家族・2か月1.5万円 | 約55m3 | 約1.2倍(平均約45m3) | 約1.2倍(平均約1.22万円) |
| 4人家族・2か月2.5万円 | 約80m3 | 約1.8倍 | 約2.0倍 |
| 2人暮らし・2か月1.5万円 | 約55m3 | 約1.9倍(平均約29m3) | 約1.8倍(平均約8,400円) |
| 5人家族・2か月2万円 | 約69m3 | 約1.3倍(平均約53m3) | 約1.5倍(平均約1.35万円) |
| 5人家族・1か月2万円 | 約58m3 | 約2.2倍(平均約27m3) | 約3.0倍(平均6,726円) |
東京23区の料金表で逆算すると、4人家族で2か月1.5万円は約55m3、平均(約45m3)の約1.2倍の使用量です。家計調査の4人世帯の平均(2か月約1.22万円)と比べても約1.2倍で、子どもの成長や在宅時間の変化などで起こりうる範囲です。
一方、4人家族で2か月2.5万円は約80m3で、平均の約1.8倍の使用量、金額では家計調査の平均の約2倍です。2人暮らしで2か月1.5万円も、平均の約1.9倍の使用量でした。ここまで多いときは、漏水か、使い方に大きな変化がなかったかを確かめましょう。なお、料金表は市町村ごとに違うので、ほかの地域では同じ金額でも使用量が変わります。検針票の使用水量(m3)を平均と比べるのが確実です。
| 市 | 2026年8月の料金 | 減額のない月の料金 | 差 |
|---|---|---|---|
| 千葉市 | 4,003円 | 5,599円 | 1,596円 |
| 仙台市 | 4,059円 | 5,470円 | 1,411円 |
| 山口市 | 5,236円 | 6,457円 | 1,221円 |
| 前橋市 | 4,460円 | 5,527円 | 1,067円 |
| 山形市 | 5,874円 | 6,864円 | 990円 |
| 熊本市 | 3,996円 | 4,986円 | 990円 |
| 東京23区 | 3,597円 | 4,543円 | 946円 |
| 高知市 | 5,022円 | 5,735円 | 713円 |
| 甲府市 | 5,049円 | 5,659円 | 610円 |
| 那覇市 | 4,556円 | 5,000円 | 444円 |
使用水量が変わらないのに金額が上がったときは、料金の側が変わっています。当サイトで総務省の小売物価統計を集計すると、47都道府県の県庁所在市のうち10市で、2026年8月の水道代(1か月20m3)がそれまでの12か月でいちばん高い月より安くなっていました。多くは物価高への対策として、水道の基本料金を一時的に減額・無償にしたものです。
こうした減額は期間が決まっていて、終わると次の請求から元の金額に戻ります。たとえば東京都水道局は、2026年の夏に家庭用の基本料金を4か月分無償にしました。対象の期間が終わったあとの2か月の請求は、口径20mmで2,574円、13mmで1,892円、無償期間より高くなります。「急に高くなった」と感じても、元の料金に戻っただけということがあります。
反対に、料金表そのものの値上げも各地で続いています。同じ集計で、2023年と比べて通常の料金が上がった県庁所在市は18市ありました。値上げした市の一覧と理由は水道代が高い地域・安い地域でまとめています。住んでいる市町村の水道局のお知らせで、改定の有無と時期を確かめてください。
家の中(メーターから蛇口まで)の水漏れは、住んでいる人が水道工事店に修理を頼むのが基本です(東京都水道局)。賃貸の部屋では、修理の手配や費用の負担が契約で決まっていることが多いので、先に管理会社か大家さんに連絡しましょう。
水道局によっては、地中や壁の中など気づきにくい場所の漏水を修理したあとに、漏れた分の料金を減額する制度があります。条件や申請の方法は水道局ごとに違うので、修理の前に問い合わせておくと安心です。人数ごとの平均は水道代の平均(世帯人数別)、一人暮らしの目安は一人暮らしの水道代の平均で確かめられます。
A. 使用水量も倍になっているなら、水漏れの可能性が高いので、すぐにメーターのパイロットを確かめてください。使用水量が変わらないなら、請求期間の違い(1か月分と2か月分)や、基本料金の減額が終わったことなどが考えられます。
A. 家計調査の2人世帯の平均(2か月約8,400円)の約1.8倍で、高めです。東京23区の料金なら約55m3分で、2人暮らしの平均的な使用量(2か月約29m3)の約1.9倍にあたります。使用水量を前の年と比べ、増えていれば水漏れを確かめましょう。
A. 2か月で2万円なら、家計調査の5人世帯の平均(2か月約1.35万円)の約1.5倍で、やや多めです。1か月で2万円なら平均の約3倍で、かなり多いので、水漏れや請求期間を確かめてください。
A. 検針票の「今回の指示数」と、メーターに表示されている数字を見比べてください。メーターの数字が検針票より小さいなど、心当たりがない場合は、水道局(お客さまセンターなど)に問い合わせると確認してもらえます。
8都市の水道料・下水道料の毎月の動きは光熱費ウォッチで確かめられます。
この記事の情報は2026年10月22日時点のものです。主な出典: 東京都水道局「漏水は早期発見・早期修繕を!」「水道料金・下水道料金の計算方法(23区)」「水の上手な使い方」「水道料金の基本料金を無償とします」、総務省統計局「家計調査」「小売物価統計調査」。水道料金や減額の制度は市町村(水道局)ごとに違います。料金の先行きを予想したり、特定の修理業者をすすめたりするものではありません。