総務省の小売物価統計で、1か月20m3使ったときの水道代(水道+下水道)を47都道府県の県庁所在市で比べると、いちばん高いのは長崎市の7,815円、いちばん安いのは大阪市の3,388円で、約2.3倍の差がありました。この記事では、当サイトで統計を集計し直し、一時的な減額を除いた通常の料金でランキングを作りました。2024年以降に値上げした市と、値上げの理由もまとめます。主要8都市の毎月の水道料は光熱費ウォッチで追っています。
| 順位 | 市 | 水道 | 下水道 | 合計 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 長崎市 | 4,515円 | 3,300円 | 7,815円 |
| 2 | 長野市 | 3,630円 | 3,534円 | 7,164円 |
| 3 | 山形市 | 3,509円 | 3,355円 | 6,864円 |
| 4 | 佐賀市 | 3,520円 | 3,168円 | 6,688円 |
| 5 | 松江市 | 3,597円 | 3,080円 | 6,677円 |
| 43 | 広島市 | 2,398円 | 2,260円 | 4,658円 |
| 44 | 東京23区 | 2,475円 | 2,068円 | 4,543円 |
| 45 | 名古屋市 | 2,552円 | 1,914円 | 4,466円 |
| 46 | 鹿児島市 | 2,585円 | 1,837円 | 4,422円 |
| 47 | 大阪市 | 2,112円 | 1,276円 | 3,388円 |
47の県庁所在市の平均は月5,691円でした。高いのは長崎市・長野市・山形市・佐賀市・松江市で、どこも月6,600円以上です。安いのは大阪市・鹿児島市・名古屋市・東京23区・広島市で、大都市が多く入っています。いちばん高い長崎市といちばん安い大阪市の差は月4,427円、1年では約5.3万円になります。
1か月20m3は、3〜4人家族の使用量に近い量です(東京都水道局の調査で3人18.5m3・4人22.4m3)。一人暮らしの使用量(約8m3)では、基本料金の割合が大きくなるため、地域の差の出方は変わります。
県庁所在市以外も含めると、差はさらに広がります。日本水道協会の水道料金表(2019年版)をもとにした民間の集計では、水道だけ(下水道を含まない・口径13mm・20m3)で、全国でいちばん高い北海道夕張市が月6,841円、いちばん安い兵庫県赤穂市が月853円で、約8倍の差と紹介されています。その後に料金を改定した市町村もあるので、最新の金額はそれぞれの水道局の料金表で確かめてください。
全体を並べると、月6,000円を超える市が15市、月5,000円未満が8市でした。地方別にはっきりした傾向は見えにくく、同じ九州でも長崎市(1位・7,815円)と鹿児島市(46位・4,422円)では約1.8倍違います。水道代は県ではなく、市町村(水道局)ごとに決まるためです。
水道と下水道の内訳も市によって違います。札幌市は水道が3,652円と全国3番目に高い一方、下水道は1,397円と2番目に安くなっていました。47市のうち20市は、水道より下水道のほうが高い市です。
| 都市 | 水道 | 下水道 | 合計 | 47市の順位 | 1年分 |
|---|---|---|---|---|---|
| 福岡市 | 2,827円 | 2,651円 | 5,478円 | 32位 | 約6.6万円 |
| 仙台市 | 3,553円 | 1,917円 | 5,470円 | 33位 | 約6.6万円 |
| 札幌市 | 3,652円 | 1,397円 | 5,049円 | 36位 | 約6.1万円 |
| 那覇市 | 3,359円 | 1,641円 | 5,000円 | 39位 | 約6.0万円 |
| 広島市 | 2,398円 | 2,260円 | 4,658円 | 43位 | 約5.6万円 |
| 東京23区 | 2,475円 | 2,068円 | 4,543円 | 44位 | 約5.5万円 |
| 名古屋市 | 2,552円 | 1,914円 | 4,466円 | 45位 | 約5.4万円 |
| 大阪市 | 2,112円 | 1,276円 | 3,388円 | 47位 | 約4.1万円 |
主要8都市は、どれも47市の平均(月5,691円)より安くなっていました。東京23区は月4,543円で44位、大阪市は月3,388円で47市のなかでいちばん安い市です。大阪市は水道(2,112円)も下水道(1,276円)も安く、長崎市と比べると1年で約5.3万円の差です。
東京23区の金額は口径13mmの料金にあたり、口径20mmなら水道は2,816円になります(東京都水道局の料金表で計算)。また東京都は2026年の夏に家庭用の基本料金を4か月無償にしたので、その期間の請求はこの表より安くなっています。8都市の毎月の金額は光熱費ウォッチで確かめられます。
| 違いが出るところ | 高くなりやすい | 安くなりやすい |
|---|---|---|
| 水源・浄水 | 水源が遠い・ダムや高度な浄水処理が必要 | 近くにきれいな川や地下水がある |
| 地形 | 山や坂が多く、ポンプで水を送る | 平らで、自然の流れで送れる |
| 人口と町の広がり | 人が少なく、水道管が長い | 人口が多く、1人あたりの管が短い |
| 施設の古さ・投資 | 更新や耐震化の工事が重なる時期 | 過去の投資の返済が少ない |
水道は市町村などが運営し、かかる費用をおもに水道料金で賄うしくみです。そのため、水源から家までの距離、浄水にかかる手間、地形、人口の多さで、1m3あたりの費用が変わり、それが料金に表れます。総務省は、自然条件などで建設費が割高になり、高い料金にせざるを得ない水道事業に対して、料金の差を縮めるための財政支援も行っています。
人口が多い大都市は、同じ水道管を使う人が多いので1人あたりの費用を抑えやすくなります。家計調査の一人暮らしの水道代でも、大都市が月1,904円、小都市・町村が月2,566円で、小さな市町村ほど高い傾向がありました(2023〜2025年の3年平均。一人暮らしの水道代の平均)。
| 市 | 統計に表れた月(上がったもの) | 2023年 | 改定後 | 上がった額 | 率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 千葉市 | 2024年4月 下水道、2026年4月 水道・下水道 | 4,725円 | 5,599円 | +874円 | +18.5% |
| 盛岡市 | 2025年5月 下水道 | 5,345円 | 6,267円 | +922円 | +17.2% |
| 富山市 | 2026年5月 水道・下水道 | 5,390円 | 6,218円 | +828円 | +15.4% |
| 宮崎市 | 2025年4月 水道・下水道 | 5,390円 | 6,147円 | +757円 | +14.0% |
| 高松市 | 2026年6月 下水道 | 5,476円 | 6,212円 | +736円 | +13.4% |
| 新潟市 | 2025年1月 水道 | 5,544円 | 6,281円 | +737円 | +13.3% |
| 前橋市 | 2025年5月 水道、2026年5月 下水道 | 4,895円 | 5,527円 | +632円 | +12.9% |
| 岐阜市 | 2024年9月 下水道、2025年5月 水道 | 5,318円 | 5,885円 | +567円 | +10.7% |
| 徳島市 | 2026年5月 下水道 | 5,054円 | 5,583円 | +529円 | +10.5% |
| 山口市 | 2025年5月 水道・下水道 | 5,945円 | 6,457円 | +512円 | +8.6% |
| 神戸市 | 2024年11月 水道 | 4,323円 | 4,686円 | +363円 | +8.4% |
| 静岡市 | 2026年6月 水道・下水道 | 5,384円 | 5,824円 | +440円 | +8.2% |
| 和歌山市 | 2025年3月 水道 | 5,669円 | 6,109円 | +440円 | +7.8% |
| 大分市 | 2026年5月 下水道 | 5,750円 | 6,187円 | +437円 | +7.6% |
| 那覇市 | 2025年6月 水道 | 4,682円 | 5,000円 | +318円 | +6.8% |
| 岡山市 | 2024年3月 水道 | 5,574円 | 5,893円 | +319円 | +5.7% |
| 名古屋市 | 2025年10月 水道・下水道 | 4,229円 | 4,466円 | +237円 | +5.6% |
| 甲府市 | 2024年3月 水道 | 5,368円 | 5,659円 | +291円 | +5.4% |
当サイトで小売物価統計を集計すると、2024年1月〜2026年8月に通常の水道代(1か月20m3)が上がった県庁所在市は47市のうち18市でした。上がった額は平均で月552円、率では平均10.6%です。千葉市・盛岡市・富山市は15%以上の値上げで、1か月20m3使う家庭なら1年で約1万円の負担増にあたります。
期間を2015年からに広げると、47市の平均は月5,215円から5,691円へ9.1%上がっていました(この間の消費税の8%→10%の引き上げ分は約1.9%)。値上げは一部の市だけでなく、多くの地域で続いています。
総務省の資料(2024年9月)によると、水道事業の料金収入は、人口減少や節水型の暮らしへの移行で減少傾向にあります。家庭などで使われる水の量(有収水量)は1998年をピークに減っています。一方で、高度経済成長期に整えた水道管の老朽化が進み、法定耐用年数(40年)を超えた管の割合は年々上がっています。2021年度の更新のペースでは、すべての管路を更新するのに約150年かかる計算です。
下水道も同じで、標準耐用年数(50年)を過ぎた下水道管は約3万km(全体の約7%)あり、20年後には約20万km(約40%)に増えるとされています(国土交通省)。使う人と水の量が減る一方で、古くなった管や施設の更新・耐震化にお金がかかることが、値上げの主な理由です。
| 項目 | 中身 | 金額 |
|---|---|---|
| 水道の基本料金 | 口径13mmの基本料金(5m3までの使用を含む) | 946円 |
| 水道の従量料金 | 6〜20m3の使った分 | 1,529円 |
| 下水道の基本の部分 | 8m3までの定額 | 616円 |
| 下水道の従量の部分 | 9〜20m3の流した分 | 1,452円 |
| 合計 | 水道2,475円+下水道2,068円 | 4,543円 |
水道代は、使わなくてもかかる基本料金と、使った量に応じた従量料金の合計です。基本料金はメーターの口径(13mm・20mm・25mmなど)で決まり、東京23区のように一定の量(基本水量)までを含む市町村もあります。従量料金は、使う量が多いほど1m3の単価が上がる段階制の市町村が多くなっています。
下水道代(下水道使用料)は、流した水の量を水道の使用量と同じとみなして計算するのが一般的です(東京23区もこの方式)。多くの地域では水道料金と一緒に請求されるので、検針票の「水道料金」と「下水道料金」の合計が水道代になります。下水道が通っていない地域では下水道料金はかかりませんが、浄化槽の点検や清掃の費用が別にかかります。
A. 県庁所在市(水道+下水道・20m3)では長崎市の月7,815円がいちばん高い結果でした(小売物価統計・2026年)。全国の市町村の水道だけで比べた民間の集計(2019年版の料金表)では、北海道夕張市が月6,841円で最も高いと紹介されています。
A. 県庁所在市では大阪市(月3,388円)、鹿児島市(4,422円)、名古屋市(4,466円)、東京23区(4,543円)、広島市(4,658円)の順に安くなっていました。人口の多い大都市が多く入っています。
A. 引っ越し先の市町村(水道局)のホームページで、料金表か早見表を見て、同じ使用量(家族の人数の目安。4人なら1か月約22m3)の金額を出して比べます。下水道料金も合わせて比べてください。人数ごとの目安は水道代の平均(世帯人数別)にあります。
A. 当サイトでは先行きの予想はしていません。料金の改定は市町村ごとに議会で決まり、多くの場合は実施の数か月前から水道局のホームページや広報で知らされます。気になるときは、住んでいる市町村の水道局の「料金改定」のお知らせを確かめてください。
主要8都市の水道料・下水道料の毎月の動きは光熱費ウォッチ、急に高くなったときの確かめ方は水道代が高い原因でまとめています。
この記事の情報は2026年10月22日時点のものです。主な出典: 総務省統計局「小売物価統計調査」「家計調査」、総務省「水道事業及び下水道事業の現状と課題」(2024年9月)、東京都水道局「水道料金・下水道料金の計算方法(23区)」「水の上手な使い方」、日本水道協会「水道料金表」(2019年版)をもとにした民間の集計。水道料金は市町村(水道局)ごとに決まり、改定されることがあります。料金の先行きを予想するものではありません。