安い卵と高い卵の違いは、主に鶏の飼い方・鶏の種類・エサ・生産量です。一方で農林水産省は、殻の色(赤玉・白玉)や有精卵かどうかで栄養は変わらないと説明しています。この記事では、農林水産省などの公的な説明と、当サイトの食品価格ウォッチの普通の卵の値段をもとに、平飼い卵・有精卵・ブランド卵の値段の違いと、選ぶときの考え方を整理します。
| 違い | 値段が高くなる理由 | 栄養は変わる? |
|---|---|---|
| 飼い方(ケージ・平飼い・放し飼い) | 平飼いは鶏が床を動きまわれるぶん、同じ鶏舎で飼える数が少なく、手間もかかる | - |
| 殻の色(赤玉・白玉) | 褐色の卵を産む鶏は少なく、生産量が少ない | 殻の色は栄養にも味にも影響しない(農林水産省) |
| エサ(黄身の色・栄養を強化した卵) | エサの原料に工夫やお金をかけている | 黄身の色の濃さと栄養は直接関係しない(農林水産省)。栄養を強化した卵は、パックの成分表示で確かめる |
| 有精卵 | めんどりだけでなく、おんどりも一緒に飼う必要がある | 無精卵と栄養の違いはない(農林水産省) |
| 鶏の種類(烏骨鶏など) | 烏骨鶏は1年に50個ほどしか卵を産まない | - |
普通の値段の卵の多くは、ケージ(かご)の中で飼う白い羽の鶏が産んだ白い卵です。これに対して高い卵は、飼い方に手間がかかる、産む数が少ない鶏を使う、エサに工夫をしている、といった理由で、1個を作る費用が高くなっています。
ただし、値段が高いからといって栄養が多いとは限りません。農林水産省は、殻の色は栄養にも味にも影響しない、有精卵と無精卵に栄養の違いはない、黄身の色の濃さと栄養は直接関係しない、と説明しています。高い卵の値段は、主に「どう育てたか」「どれだけ作れるか」の違いだと考えると分かりやすくなります。
| 飼い方 | どんな飼い方? |
|---|---|
| ケージ飼い | 鶏をケージ(かご)に入れて飼う。鶏の動きは限られるが、多くの鶏を効率よく飼える |
| 平飼い | 鶏舎の床を鶏が自由に動きまわれる。床が何段にもなっていて上下にも動ける「エイビアリー」という方式もある |
| 放し飼い(放牧) | 鶏舎の外にも出られるようにして飼う |
日本の卵の多くは、ケージ飼いの鶏が産んでいます。農林水産省が2024年11月〜2025年2月に卵の生産者に行った調査では、回答した408の農場のうちケージ飼いだけの農場が74.5%、平飼いだけの農場が14.5%でした。残りは両方を使う農場などで、平飼いの卵はまだ少数派です(農場の数の割合で、鶏の数の割合ではありません)。
平飼いの卵の値段について国の統計はありませんが、北海道新聞は2025年3月、平飼いの卵はケージ飼いの卵より1.5〜4倍ほど割高だと伝えています。平飼いは鶏が動きまわれる広さが必要なため、同じ鶏舎で飼える数が少なくなり、卵を集める手間もかかります。放し飼いは屋外に出られる場所も必要になります。
| 普通の卵の | 10個入り1パック | 1個あたり | 1日1個を30日 | 普通の卵との差(30日) |
|---|---|---|---|---|
| 普通の卵 | 309円 | 約31円 | 約930円 | - |
| 1.5倍 | 約464円 | 約46円 | 約1,390円 | 約460円多い |
| 2倍 | 618円 | 約62円 | 約1,850円 | 約930円多い |
| 3倍 | 927円 | 約93円 | 約2,780円 | 約1,850円多い |
| 4倍 | 1,236円 | 約124円 | 約3,710円 | 約2,780円多い |
普通の卵の値段は、農林水産省の全国調査で2026年9月に10個入り309円(1個約31円)でした。これを基準に、平飼い卵が1.5〜4倍だとすると、1パック約464〜1,236円、1個あたり約46〜124円になります。
毎日1個食べる人なら、普通の卵は30日で約930円です。2倍の卵にすると約930円、4倍の卵にすると約2,780円、1か月の卵代が増える計算です。当サイトが集めている総務省の8都市の調べでは、普通の卵(2026年8月)は那覇の301円から福岡の342円までで、住んでいる地域の値段を基準にすると差がより正確に分かります。
| 卵 | 値段が高い理由 | 公的機関の説明 |
|---|---|---|
| 有精卵 | おんどりも一緒に飼う | 無精卵と栄養の違いはない |
| 赤玉 | 産む鶏が少ない・ブランド卵に多い | 殻の色は栄養にも味にも影響しない |
| 烏骨鶏の卵 | 1年に50個ほどしか産まない | 産む割合は普通の鶏の5分の1ほど |
| 黄身の色が濃い卵 | エサの工夫 | 黄身の色は主にエサで決まり、栄養とは直接関係しない |
有精卵は、温めるとヒヨコになる卵です。めんどりだけを飼うと無精卵になるので、有精卵を作るにはおんどりも一緒に飼います。農林水産省は「有精卵と無精卵に栄養的な違いはありません」と説明しています。平飼いで育てた有精卵として売られていることも多く、その場合は飼い方のぶんも値段に入っています。
殻の色は主に鶏の種類で決まり、茶色っぽい羽の鶏は赤玉、白い羽の鶏は白玉を産む傾向があります。農林水産省の広報誌は、赤玉が割高なのは白い卵を産む鶏が多く褐色の卵の生産量が少ないことや、ブランド卵に褐色が多いことが要因だろうとし、殻の色そのものは栄養にも味にも影響しないと説明しています。
烏骨鶏は卵を産む数が少ない鶏で、和歌山県や東京都の試験場の資料では、1年に50個ほどとされています。大分県の資料でも、卵を産む割合は普通の卵用の鶏の5分の1ほどとされています。県の試験場では産む数を増やす改良も進められていますが、数が少ないぶん、高い値段で売られていることが多い卵です。
ブランド卵は、鶏の種類や飼い方、エサなどに特徴を持たせ、名前をつけて売っている卵です。黄身の色が濃い卵も多いですが、農林水産省によると黄身の色は主にエサ(トウモロコシや草など)で決まり、色の濃さと栄養は直接関係しません。エサでビタミンなどを増やした卵もあるので、栄養を目的に選ぶなら、パックの栄養成分の表示を見比べるのが確実です。
| 大事にしたいこと | 選び方の目安 |
|---|---|
| 家計(毎日たくさん使う) | 普通の卵。1個あたりの値段と特売で比べる |
| 鶏の飼われ方 | 平飼い・放し飼いの表示がある卵。パックや生産者のサイトで飼い方を確かめる |
| 味や黄身の色の好み | ブランド卵などを少量で試し、好みに合うものを選ぶ |
| 栄養 | 殻の色・有精卵かどうかでは変わらない。栄養を強化した卵はパックの成分表示で比べる |
高い卵を買うかどうかは、何にお金を払いたいかで決めるのが分かりやすい方法です。毎日の料理でたくさん使うなら普通の卵、鶏の飼われ方を大事にしたいなら平飼いの卵、というように使い分けている家庭もあります。
あわせて見たい:卵のMサイズとLサイズの値段の違いは?1個あたりと6個入りの比べ方
A. 平飼い卵だけの平均価格を出している国の統計はありません。北海道新聞(2025年3月)はケージ飼いの1.5〜4倍ほどと伝えていて、普通の卵の全国平均309円(2026年9月)で計算すると、10個入りで約464〜1,236円にあたります。
A. 農林水産省は、殻の色そのものは栄養にも味にも影響しないと説明しています。殻の色は主に鶏の種類で決まります。
A. 平飼いは鶏舎の中の床を自由に動きまわれる飼い方、放し飼い(放牧)は鶏舎の外にも出られるようにした飼い方です。どちらもケージ飼いより広い場所がいるため、卵の値段は高くなりやすくなります。
A. 殻の色は味に影響しないと農林水産省は説明しています。エサによって黄身の色は変わりますが、味の感じ方は好みの差も大きいので、少量で試して比べるのが確実です。
普通の卵の8都市の毎月の値段は食品価格ウォッチで確かめられます。卵の平均価格は卵1パックの値段の記事、長い推移は卵の価格推移の記事にまとめています。
この記事の情報は2026年10月11日時点のものです。主な出典: 農林水産省「有精卵と無精卵の違いについて教えてください」(消費者の部屋)、広報誌aff(2018年9月号「たまご」・2024年4月号「疑問解消!たまごのヒミツQ&A」)、農林水産省「アニマルウェルフェアに関する飼養管理指針の取組状況に係る調査(採卵鶏)」(2024年度)、農林水産省「食品価格動向調査(食肉・鶏卵)」、総務省統計局「小売物価統計調査」(当サイトで集計)、和歌山県畜産試験場養鶏研究所・東京都・大分県の烏骨鶏の試験研究資料、北海道新聞(2025年3月2日)、イオン(トップバリュ)の商品説明。価格の予想や購入をすすめるものではありません。