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卵の価格は
どう変わった?
1950年から2026年まで、76年分の推移
物価解説

卵の価格推移をグラフで見る|昭和・30年前・10年前と2026年の比較

公開 2026.10.11読了 約13分
こんな疑問を持つ方へ
・卵の値段は、昔からどう変わってきた?グラフで見たい
・10年前・30年前・昭和の卵はいくらだった?
・卵が「物価の優等生」と呼ばれたのはなぜ?
・ニュースで聞く卵の「卸売価格」「相場」とは何?

卵の価格は、1950年から2022年ごろまで大きくは上がらず、2023年の「エッグショック」から一段高くなって、2026年は過去最高の水準です。東京都区部の店頭価格(1kgあたり)は、1950〜1972年は220〜250円ほどでしたが、2026年(1〜9月の平均)は476円でした。この記事では、総務省の小売物価統計と日本養鶏協会の統計、当サイトの食品価格ウォッチ(8都市)をもとに、卵の価格の76年分の推移と、10年前・30年前・昭和との比較、卸売の相場の見方を整理します。

卵の価格推移をグラフで見る:1950年から2026年まで

卵の価格推移(東京都区部の店頭価格と、卸売価格・1kgあたり)
店頭の値段(東京都区部・小売)卸売の値段(JA全農たまご 東京M・税抜)1kgあたり・円(年平均。2026年は1〜9月)01002003004005001950196019701980199020002010202020261950〜72年は1kg 220〜250円1973〜75年 石油危機で上昇2023年 エッグショック →476円309円店頭の値段は1kgあたりに換算(2002年以降は10個入りパックを1個67gで換算)
出典: 総務省統計局「主要品目の東京都区部小売価格」(1950〜1974年)、日本養鶏協会「鶏卵の需給及び価格の動向」(1975〜2026年。店頭=東京都区部の小売価格、卸売=JA全農たまご東京M基準値の月平均・税抜)。1974年以前の店頭価格は当サイトで1kgあたりに換算

グラフの青い線が、東京都区部の店頭の値段(1kgあたり)です。1950〜1972年は1kgあたり220〜250円ほどで、20年以上ほとんど変わりませんでした。石油危機で物価全体が急に上がった1973〜1975年に、1kgあたり263円から367円まで上がっています。

その後の1975〜2022年は、1kgあたり246〜415円の間を上下し、47年たってもほぼ同じ水準でした。流れが変わったのは2023年です。鳥インフルエンザで卵が品薄になり、店頭価格は1kgあたり443円に上がりました。2025年は459円、2026年(1〜9月)は476円と、1950年以降で最も高くなっています。

10個入り1パック(1個67gで換算)に直すと、2026年は約319円です。オレンジの線の卸売価格は、2026年(1〜9月)が1kgあたり309円でした。卸売の年平均で最も高かったのは1981年の334円で、2025年の324円はそれに次ぐ高さです。

10年前・30年前・昭和の卵はいくら?2026年との比較

卵の値段の比較(東京都区部・年平均)
年店頭 1kgあたり10個入りに換算卸売 1kgあたり2026年の店頭は
1960年(昭和35年)229円約153円-2.08倍
1975年(昭和50年)367円約246円303円1.30倍
1996年(30年前)305円約204円201円1.56倍
2016年(10年前)362円約242円205円1.32倍
2021年(5年前)341円約228円217円1.40倍
2025年459円約308円324円1.04倍
2026年(1〜9月)476円約319円309円-
出典: 総務省統計局「主要品目の東京都区部小売価格」、日本養鶏協会「鶏卵の需給及び価格の動向」。10個入りは1個67gで当サイトが換算。卸売はJA全農たまご東京M基準値(税抜)

東京都区部の卵の店頭価格を2026年と比べると、10年前(2016年)の1.32倍、30年前(1996年)の1.56倍です。10個入りのパックに直すと、10年前の約242円が約319円になり、1パックで約77円の差です。毎日1個食べる人なら、1か月(30個)で約230円多くかかる計算です。

昭和35年(1960年)と比べても2.08倍で、66年たって2倍ほどにとどまっています。卸売価格は、昭和50年(1975年)の303円に対し2026年は309円と、ほとんど同じです。

ポイント:統計で調べる卵は、2002年から「Lサイズ・10個入りパック」、2018年からは「サイズ混合・10個入りパック」に変わっています。この記事では1個67gで1kgあたりに直しているので、前後の年の比較は目安として見てください。

卵が「物価の優等生」と呼ばれた理由

1965年→2010年の値上がり(東京都区部の店頭価格)
品目1965年2010年何倍になったか
牛乳(配達・瓶)20円(180mL)114円(200mL)5.1倍
食パン(1kg)94.9円438円4.6倍
卵(1kg)219円約327円1.49倍
出典: 総務省統計局「主要品目の東京都区部小売価格」。牛乳は1mLあたりで比較。卵の2010年はLサイズ10個入り219円を1個67gで1kgあたりに換算(当サイトの計算)

農林水産省は、卵は60年前からほとんど価格が変わっていなかったため「物価の優等生」と呼ばれていた、と説明しています。総務省の同じ統計で1965年から2010年までの45年を比べると、牛乳は5.1倍、食パンは4.6倍になったのに対し、卵は1.49倍でした。ほかの食品が4〜5倍になる間、卵の値段はほとんど動かなかったことが分かります。

値段が上がらなかった背景:養鶏の大規模化

卵を産む鶏を飼う農家の数と、1戸あたりの羽数
年飼っている戸数1戸あたりの羽数
1965年322万7,000戸27羽
1990年8万6,500戸1,583羽
2016年2,440戸5万5,200羽
2026年1,510戸9万1,800羽
出典: 農林水産省「畜産統計」(各年2月1日。日本養鶏協会の集計)。1991年以降は小さな飼い主を除くなど、調べる範囲が途中で変わっています

背景のひとつが、養鶏の大規模化です。農林水産省の畜産統計では、1965年に卵を産む鶏を飼う家は約323万戸あり、1戸あたりは27羽でした。2026年は1,510戸に減り、1戸あたり約9万2,000羽を飼っています。10万羽以上を飼う大きな農場が、鶏の数の8割以上を占めるまでになりました。

ただし2020年代に入ると、鶏のエサの多くを輸入に頼っていることから、円安やウクライナ情勢でエサ代が上がり、電気代や燃料代も上がりました。さらに2022年度は鳥インフルエンザで、卵を産む鶏の1割強が処分されています。こうして「優等生」と呼ばれた値段の安定は崩れ、2023年以降の値上がりにつながりました。

SBSnews6「「まあしょうがないかな」タマゴが高い…かつての「物価の優等生」いまや「物価高の象徴」に=静岡」(2026年2月公開)。かつて「物価の優等生」と呼ばれた卵の値上がりを伝える静岡のニュースです。

【データ】8都市の卵の価格推移:10年前からどれだけ上がった?

8都市の卵1パック(10個入り)の年平均価格
都市2016年2022年2023年2025年2026年
(1〜8月)
10年で
札幌192円201円277円294円325円1.69倍
福岡223円228円308円315円337円1.51倍
広島223円233円309円319円336円1.51倍
仙台237円240円294円315円323円1.36倍
名古屋235円244円306円313円320円1.36倍
那覇242円233円332円303円321円1.32倍
東京243円239円297円308円318円1.31倍
大阪249円246円296円304円323円1.30倍
出典: 総務省統計局「小売物価統計調査」(当サイトの食品価格ウォッチで収録・2026年8月まで)。2016年はLサイズ、2018年以降はサイズ混合の10個入りパック。札幌・仙台などは市、東京は区部

当サイトが集めている8都市の卵1パックの値段を10年前(2016年)と比べると、どの都市も約1.3倍以上になりました。上がり方が最も大きいのは札幌市で、192円から325円へ1.69倍です。10年前は8都市で最も安かった札幌が、2026年は東京より高くなっています。福岡市と広島市も1.51倍でした。

8都市とも、2022年までは200円台前半〜半ばで、10年近く大きく変わっていません。2023年に一気に50〜100円上がり、その後も下がりきらないまま、2026年は1パック318〜337円になっています。消費者物価指数で見ても、全国の卵は10年で53.9%、5年で41.2%上がりました(2026年8月)。

あわせて見たい:卵1パックの値段はいくら?2026年の平均価格と1個あたり、8都市の差

卵の卸売価格(相場)の推移と見方

卵の卸売価格(JA全農たまご東京M基準値・2026年の月平均)
月1月2月3月4月5月6月7月8月9月
円/kg310313323316315308303292298
出典: 日本養鶏協会「鶏卵価格の年次別月別推移(全農:東京M、円/kg)」。消費税を含まない。2026年10月9日の東京M基準値は315円/kg(JA全農たまご)

ニュースで「卵の相場」と言うときは、多くの場合、JA全農たまごが営業日ごとに発表する卸売価格(東京・Mサイズの基準値)を指します。単位は1kgあたりの円で、消費税を含みません。スーパーなどが仕入れるときの目安になる値段で、店頭の値段とは別のものです。

2026年の卸売価格は、3月の323円から8月の292円まで少しずつ下がり、10月9日は315円でした。2026年4〜9月は、どの月も前年の同じ月より5〜9%低くなっています。

店頭の値段は卸売の約1.6倍

2026年9月の東京都区部では、店頭の値段が1kgあたり約484円、卸売が298円で、店頭は卸売の約1.6倍でした。店頭の値段には、パック詰めや運ぶ費用、お店の取り分、消費税が加わるためです。卸売が下がっても、店頭の値段がすぐに同じだけ下がるとは限りません。

また卸売価格には季節の型があり、日本養鶏協会の資料では「夏場の低需要期に向けて低下し、年末の需要期に向けて上昇する傾向」とされています。2016〜2025年の10年の平均では、12月が1kgあたり245円で最も高く、年明けの1月が182円で最も低くなっていました。

よくある質問

Q1. 昭和の卵は1個いくらだった?

A. 東京都区部の店頭価格は、1960年(昭和35年)が1kgあたり229円でした。1個67gで計算すると1個約15円、10個で約153円です。1975年(昭和50年)は1kg367円で、1個約25円でした。

Q2. 2026年の卵は過去最高?

A. 東京都区部の店頭価格は、2026年(1〜9月の平均)が1kgあたり476円で、1950年以降の年平均で最も高い水準です。卸売価格の年平均では1981年の334円が最も高く、2025年の324円がそれに次ぎます。

Q3. 2023年の「エッグショック」とは?

A. 2022〜23年の冬に鳥インフルエンザが広がり、卵を産む鶏の1割強が処分されたことで、卵が品薄になり値段が大きく上がったことを指します。卸売価格(東京M)は2023年4〜5月に1kgあたり350円となり、1989年以降の月平均で最も高くなりました。

Q4. 卵の値段はこの先下がる?

A. 値段の予想はできません。2026年の卸売価格は前年より低めに動いていますが、店頭の値段は高いままです。鳥インフルエンザは例年秋から冬に発生が多く、発生の状況によって値段が大きく動くことがあります。下がる材料・上がる材料は卵の価格はいつ下がる?で整理しています。

まとめ:卵の価格は70年ほぼ横ばい、2023年から一段高く

  • 東京都区部の卵の店頭価格は、1950〜72年は1kgあたり220〜250円、1975〜2022年は246〜415円の範囲
  • 2023年のエッグショックから一段高くなり、2026年(1〜9月)は1kgあたり476円(10個で約319円)と過去最高
  • 2026年の店頭価格は10年前の1.32倍、30年前の1.56倍、昭和35年の2.08倍
  • 1965〜2010年に牛乳・食パンが4〜5倍になる間、卵は1.49倍。「物価の優等生」と呼ばれた背景には養鶏の大規模化がある
  • 8都市では札幌の上がり方が最も大きく、10年で1.69倍。卸売の相場は2026年4〜9月に前年より5〜9%低く、店頭は卸売の約1.6倍

8都市の卵の毎月の値段は食品価格ウォッチで、ほかの品目と比べた値上がりは値上がり品目ランキングで確かめられます。

くらたのひとこと:卵が70年ほとんど値上がりしなかったのは、育てる人たちの工夫のおかげだったんだね。2023年からの値上がりは、グラフで見るとはっきり分かる。

この記事の情報は2026年10月11日時点のものです。主な出典: 総務省統計局「主要品目の東京都区部小売価格」「小売物価統計調査」「消費者物価指数」、日本養鶏協会「鶏卵の需給及び価格の動向」「鶏卵価格の年次別月別推移」「成鶏羽数」、農林水産省「畜産統計」「鶏卵をめぐる情勢」(日本養鶏協会掲載)、農林水産省「フェアプライスプロジェクト(卵)」、JA全農たまご「たまご相場」。価格の予想や購入をすすめるものではありません。

タグ: 卵物価値上げ食品推移

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