本文へスキップ
くらしデータ数字で見る、毎日のくらし
ホーム›記事›物価
卵の値段は
いつ下がる?
前回のエッグショックの下がり方と、2026年の材料
物価解説

卵の価格はいつ下がる?高騰の理由と2026年の見通しをデータで確かめる

公開 2026.10.11読了 約14分
こんな疑問を持つ方へ
・卵の値段はいつ下がる?元の値段に戻る?
・卵の値段が高いのはなぜ?いつから高くなった?
・前のエッグショックのときは、どのくらいで下がった?
・卵が安く買える時期はある?

卵の価格がいつ下がるかは、誰にも予想できません。ただ2026年は、卸売価格が前年の同じ月より5〜9%低く動いている一方で、店頭の値段は全国平均で1パック309円(2026年9月・農林水産省)と高止まりしています。この記事では、前回2023年の「エッグショック」で卸売と店頭がどう下がったかを当サイトの食品価格ウォッチと日本養鶏協会の統計で確かめ、卵が高い理由と、下がる材料・上がる材料を整理します。

卵の価格はいつ下がる?2026年10月時点の材料

卵の値段の「下がる材料」と「上がる材料」(2026年10月時点)
下がる材料上がる材料
卸売価格が2026年4〜9月、前年の同じ月より5〜9%低い鳥インフルエンザは例年10〜11月に最初の発生がある
卵を産む鶏の数が2026年2月に約1億3,860万羽と、2024年より6.8%多い鶏のエサの値段が2026年7〜9月期に1トンあたり3,700円上がった(全畜種の平均)
2026年秋の鳥インフルエンザの発生は、9月16日時点で確認されていない卵の値段は例年、年末に向けて上がりやすい
出典: 日本養鶏協会「鶏卵価格の年次別月別推移」、農林水産省「畜産統計」「鳥インフルエンザに関する情報」、JA全農「配合飼料供給価格」(2026年6月19日発表・報道)

2026年の卵には、値段が下がる材料と上がる材料の両方があります。下がる材料は、卵を産む鶏の数が鳥インフルエンザの前の水準まで戻ってきたことです。農林水産省の畜産統計では、2026年2月1日の卵を産む鶏(成鶏めす)は約1億3,860万羽で、2024年より6.8%多くなりました。卸売価格(JA全農たまご東京M)も、2026年4〜9月はどの月も前年より5〜9%低くなっています。

一方で上がる材料は、エサ代と鳥インフルエンザです。日本養鶏協会は2026年3月、中東の情勢で海上運賃が上がり、エサ代が値上がりすれば秋以降に卵の値段が上がる可能性がある、という見方を示したと報じられました。JA全農は2026年7〜9月期の配合飼料(鶏や豚などのエサ)の値段を、全畜種の平均で1トンあたり3,700円上げています。

ポイント:卸売価格が下がっても、店頭の値段がすぐに下がるとは限りません。前回のエッグショックでは、店頭は卸売より半年以上遅れて下がり始め、下がった幅も卸売よりずっと小さくなりました(次の節)。

【データ】前回(2023年)のエッグショックでは、店頭はいつ下がった?

卵の卸売価格と東京の店頭価格(2022年1月〜2026年9月)
卸売(JA全農たまご東京M・1kgあたり・税抜)店頭(東京都区部・10個入り1パック)150円200円250円300円350円2022年2023年2024年2025年2026年卸売の最高 350円(2023年4・5月)180円(2024年1月)店頭の最高 311円(2023年6月)274円(2024年9月)321円298円卸売と店頭は単位が違う(卸売は1kgあたり、店頭は10個入り1パック)。店頭は2026年8月まで
出典: 日本養鶏協会「鶏卵価格の年次別月別推移(全農:東京M)」、総務省統計局「小売物価統計調査」(東京都区部の鶏卵・10個入りパック。当サイトの食品価格ウォッチで収録)

2022〜23年の冬の鳥インフルエンザで卵が品薄になり、卸売価格(東京M)は2023年4・5月に1kgあたり350円まで上がりました。その後は7月から下がり始め、2024年1月には180円と、最高値からほぼ半分(49%安)になっています。

ところが東京都区部の店頭の値段は、2023年6月の311円(10個入り)が最高で、その後も2024年1月まで306〜310円が続きました。下がり始めたのは2024年2月で、卸売が下がり始めてから半年以上あとです。最も下がった2024年9月でも274円で、最高値から37円(12%)安くなっただけでした。

2026年も同じような形になっています。卸売価格は2026年2月から前年を下回っていますが、東京都区部の店頭は2026年7月に322円、8月に321円と、2018年以降で最も高い水準が続いています。

卵の価格が高い理由:鳥インフルエンザとエサ代

鳥インフルエンザの発生(家きん・シーズン別)
シーズン発生した事例処分の対象になった鳥
2020〜21年52事例約987万羽
2021〜22年25事例約189万羽
2022〜23年84事例約1,771万羽(過去最多)
2023〜24年11事例約86万羽
2024〜25年51事例約932万羽
2025〜26年24事例約576万羽
出典: 農林水産省「昨今の高病原性鳥インフルエンザを踏まえた今後の対応について」(2026年9月・内閣官房 鳥インフルエンザ関係府省庁連絡会議幹事会資料)。鶏・あひるなど家きん全体の数

卵が高い一番の理由は、鳥インフルエンザです。鳥インフルエンザが出た農場では鶏をすべて処分するため、発生が多い冬は卵の数が減ります。2022〜23年の冬は約1,771万羽が処分の対象になり、卵を産む鶏では飼っている数の1割強が処分されました。その後も2024〜25年に約932万羽、2025〜26年に約576万羽と、毎冬のように大きな発生が続いています。

処分のあと鶏を入れ直しても、すぐには元に戻りません。2025〜26年に発生した卵の農場17か所のうち、2026年6月1日までに再開できたのは7か所でした。

エサ代・電気代などの費用

もうひとつの理由が、卵を作る費用の上昇です。農林水産省によると、鶏のエサの多くは輸入で、円安やウクライナ情勢でエサ代が上がり、鶏舎や卵のパック詰めに使う電気代・燃料代も上がりました。日本養鶏協会は2026年3月、エサ代が卵の値段に最も大きく影響すると述べたと報じられています。

卵の値段が高くなったのはいつから?

卸売価格が上がり始めたのは2022年秋で、9月の223円から12月には284円になりました。東京都区部の店頭の値段は2023年2〜5月に一気に上がり、2022年前半の230円台から、2023年6月には311円になっています。これが「エッグショック」と呼ばれた値上がりです。一度下がったあと、2025年の春から再び上がりました。

卵の価格の最高値と、下がらない・戻らないと言われる理由

卵の値段の最高値(2026年10月時点)
統計最高値
全国の店頭(農林水産省・10個入り)2025年12月に308円で2003年以降の最高。2026年9月は309円
東京都区部の店頭(総務省・10個入り)2026年7月の322円(2018年以降の最高)
卸売(JA全農たまご東京M・1kg)2023年4・5月の350円(1989年以降の月平均で最高)
出典: 農林水産省「食品価格動向調査(食肉・鶏卵)」と報道、総務省統計局「小売物価統計調査」、日本養鶏協会「鶏卵価格の年次別月別推移」

店頭の卵の値段は、2025年12月から最高値の水準が続いています。農林水産省の全国調査では2025年12月に308円となり、2003年に調査を始めてから最も高くなりました。2026年9月も309円で、平年より19%高い水準です。

TBS NEWS DIG Powered by JNN「卵価格 過去最高値に並ぶ 1パック308円 平年より26%高い 鳥インフルエンザの影響…|TBS NEWS DIG」(2026年2月公開)。卵1パックの平均価格が308円と、過去最高値に並んだことを伝えるニュースです。

卵の値段が「下がらない」「戻らない」と言われるのは、鳥インフルエンザが毎冬のように続いていることに加えて、エサ代や電気代など卵を作る費用そのものが上がっているためです。日本養鶏協会は2025年12月の時点で、生産量が戻り値段も落ち着く見通しとしつつ、資材やエサ代の高騰、鳥インフルエンザの広がりで下がりきらない可能性もある、と説明したと報じられています。

東京都区部の店頭の値段は、2021年まで1パック230円前後でした。2024年に最も下がった月でも274円で、その水準までは戻っていません。

卵が安くなりやすい時期は?季節の型と買い方

月ごとの卵の値段(2016〜2025年の10年の平均)
月1月3月5月8月10月12月
卸売(円/kg)182230230206232245
東京の店頭(円/10個)245251255251254256
出典: 日本養鶏協会「鶏卵価格の年次別月別推移(全農:東京M)」、総務省統計局「小売物価統計調査」(東京都区部)。当サイトで2016〜2025年の各月の平均を計算

卵の卸売価格には季節の型があります。2016〜2025年の10年の平均では、年末の12月が1kgあたり245円で最も高く、年明けの1月が182円で最も低くなりました。夏の8月も206円と低めで、日本養鶏協会も「夏場の低需要期に向けて低下し、年末の需要期に向けて上昇する傾向」としています。

ただし店頭の値段の季節の差は小さく、東京都区部の10年の平均では、最も安い1月(245円)と最も高い12月(256円)の差は11円ほどでした。時期を待つより、特売の日や、1個あたりの値段で比べて買うほうが差は大きくなりやすいといえます。

  • 6個入りと10個入りは、1個あたりの値段で比べる(全国平均309円なら1個約31円)
  • チラシの特売日を使う(統計の平均は特売を除いた値段)
  • 使う量が多い家は、サイズ混合の大きめのパックや、L・Mの値段の差も見る

あわせて見たい:卵の価格推移をグラフで見る|昭和・30年前・10年前と2026年の比較

アメリカの卵の価格は?2025年に高騰し、2026年は6割安く

アメリカの卵の平均価格(Lサイズ・12個)
月12個の値段
2024年12月4.15ドル
2025年3月6.23ドル(最高)
2025年9月3.49ドル
2026年8月2.27ドル
出典: アメリカ労働統計局(BLS)「Average Price: Eggs, Grade A, Large」(全米の都市平均・セントルイス連銀のデータベースで確認)

アメリカでも鳥インフルエンザで卵が大きく値上がりし、労働統計局の調べでは2025年3月に12個で6.23ドルと最高になりました。その後は鶏の数が戻るにつれて下がり、2026年8月は2.27ドルと、最高だった月より約6割安くなっています。供給が戻ると値段が大きく下がった例ですが、日本とは卵の流通や値段の決まり方が違うため、そのまま当てはまるとは限りません。

よくある質問

Q1. 卵の値段は、2021年以前の値段に戻る?

A. 予想はできません。2023年のエッグショックのあと、東京都区部の店頭の値段は最も下がった月でも274円で、2021年まで(230円前後)の水準には戻りませんでした。エサ代などの費用も2021年より高くなっています。

Q2. 卵の値段は年末に上がる?

A. 卸売価格は例年、年末に向けて上がりやすく、2016〜2025年の平均では12月が最も高い月でした。ただし店頭の値段の季節の差は小さく、東京都区部の平均では1月と12月の差は11円ほどです。

Q3. 鳥インフルエンザはいつごろ発生する?

A. 家きんでの最初の発生は、2022〜23年が10月28日、2024〜25年が10月17日、2025〜26年が10月22日と、例年10〜11月です。発生は春まで続くことがあり、2025〜26年は2026年4月22日が最後でした。

Q4. 卸売価格が下がったのに、店頭が下がらないのはなぜ?

A. 店頭の値段には、パック詰めや運ぶ費用、お店の取り分などが含まれ、卸売の値動きがそのまま伝わるわけではないためです。前回のエッグショックでは、卸売は最高値からほぼ半分になったのに、東京都区部の店頭は12%しか下がりませんでした。

まとめ:卸売は下がり気味、店頭は高止まり

  • 卵の値段がいつ下がるかは予想できない。2026年は卸売が前年より5〜9%低いが、店頭は全国309円(9月)で高止まり
  • 前回2023年は、卸売が下がり始めてから店頭が下がり始めるまで半年以上かかり、下げ幅も12%だった
  • 高い理由は、毎冬の鳥インフルエンザ(2022〜23年は約1,771万羽)と、エサ代・電気代などの費用の上昇
  • 卸売は12月が高く1月と8月が安い季節の型があるが、店頭の季節の差は11円ほど
  • アメリカは2025年3月の最高値から、2026年8月には約6割安くなった

8都市の卵の毎月の値段は食品価格ウォッチで、ほかの品目と比べた値上がりは値上がり品目ランキングで確かめられます。1パックの平均価格と1個あたりは卵1パックの値段の記事にまとめています。

くらたのひとこと:卸売が半分になっても、お店の卵は1割ちょっとしか下がらなかったんだね。季節を待つより、特売と1個あたりの値段で選ぶのがよさそう。

この記事の情報は2026年10月11日時点のものです。主な出典: 農林水産省「食品価格動向調査(食肉・鶏卵)」「畜産統計」「鳥インフルエンザに関する情報」「昨今の高病原性鳥インフルエンザを踏まえた今後の対応について」(2026年9月)「フェアプライスプロジェクト(卵)」、総務省統計局「小売物価統計調査」(当サイトで集計)、日本養鶏協会「鶏卵価格の年次別月別推移」「鶏卵をめぐる情勢」、JA全農の配合飼料価格の発表(報道)、アメリカ労働統計局、共同通信・TBSなどの報道。価格の予想や購入をすすめるものではありません。

タグ: 卵物価値上げ鳥インフルエンザ食品

この記事で使ったデータ

食品価格ウォッチ
8都市・12品目・毎月
値上がり品目ランキング
消費者物価指数・全品目
食品価格ウォッチを見る →
値上がり品目ランキングを見る →

くらしデータについて

官公庁の公開データを自動集計して、「なんとなく高い・暑い」を数字で確かめられるようにしているサイトです。

公開中のデータ一覧 →