気象庁は、台風の強さを最大風速で「強い」(33m/s以上)・「非常に強い」(44m/s以上)・「猛烈な」(54m/s以上)の3段階に、大きさを強風域の半径で「大型」(500km以上)・「超大型」(800km以上)の2段階に分けています。中心気圧(ヘクトパスカル)には公式の基準がないため、この記事では気象庁の台風の記録(ベストトラック)1,244個を当サイトで集計し、強さごとの中心気圧の目安を出しました。あわせて、風速ごとの被害の目安と歴代最強の台風をまとめます。
| 強さの階級 | 最大風速(10分間の平均) |
|---|---|
| (表現なし) | 33m/s未満 |
| 強い | 33m/s(64ノット)以上〜44m/s(85ノット)未満 |
| 非常に強い | 44m/s(85ノット)以上〜54m/s(105ノット)未満 |
| 猛烈な | 54m/s(105ノット)以上 |
台風の「強さ」は、台風の中心付近の最大風速で決まります。最大風速とは、10分間の平均の風速のうち、台風の中で最も大きいものです。33m/s以上なら「強い」、44m/s以上なら「非常に強い」、54m/s以上なら「猛烈な」台風と呼ばれます。
最大風速が33m/s未満の台風は、強さを表現しません。強さの言葉がつかない台風は、このクラスです。なお、ニュースでよく聞く「最大瞬間風速」は3秒間の平均の風速で、最大風速より大きな値になります(気象庁は、瞬間風速は平均風速の1.5倍程度になることが多いとしています)。
| 言葉 | 意味 |
|---|---|
| (表現なし) | 強風域の半径が500km未満 |
| 大型(大きい) | 強風域の半径が500km以上〜800km未満 |
| 超大型(非常に大きい) | 強風域の半径が800km以上 |
| 強風域 | 風速15m/s以上の風が吹いている、または吹くおそれがある範囲 |
| 暴風域 | 風速25m/s以上の風が吹いている、または吹くおそれがある範囲(台風情報では円で示す) |
台風の「大きさ」は、風速15m/s以上の風が吹く強風域の半径で決まります。半径500km以上が「大型」、800km以上が「超大型」です。超大型の台風の強風域は直径1,600km以上で、九州から関東までが一度に入るほどの広さです。
台風情報では、大きさと強さを組み合わせて「大型で非常に強い台風」のように呼びます。「強い台風」とだけ言うときは、強風域の半径が500km未満で、最大風速が33〜43m/sの台風という意味です。大きさは強さとは別なので、「大型」でも風はそれほど強くない台風や、小さくても風が猛烈な台風があります。1977年以降で最も大きかった台風は1997年の台風第13号で、強風域は南東側に1,600kmもありました(気象庁)。
中心気圧(ヘクトパスカル)には、気象庁の強さの基準はありません。ただし気圧が低いほど風が強くなる関係があるため、ベストトラックの1,244個について、一生で最も強かったときの階級ごとに中心気圧を調べました。真ん中の値は、猛烈な台風が910hPa、非常に強い台風が935hPa、強い台風が960hPa、強さの表現がない台風は990hPaでした。
| 一生で最も低かった気圧 | 台風の数 | 一生で最も強かったときの階級 |
|---|---|---|
| 910hPa未満 | 50個 | すべて猛烈な |
| 910〜929hPa | 131個 | 猛烈な61個・非常に強い70個 |
| 930〜949hPa | 169個 | ほとんど非常に強い(163個) |
| 950〜959hPa | 117個 | 強い93個・非常に強い24個 |
| 960hPa以上 | 777個 | 表現なし578個・強い196個ほか |
大まかな目安としては、960hPaを下回ると「強い」、940hPa台以下で「非常に強い」、910hPaを下回るとすべて「猛烈な」台風でした。910〜920hPa台は、非常に強い台風と猛烈な台風がほぼ半々です。同じ気圧でも、大きな台風は風がやや弱く、小さな台風は風が強くなりやすいため、気圧だけで強さは決まりません。
一生のうちに「猛烈な」強さまで発達した台風は、1977〜2025年の1,244個のうち113個(9%)でした。反対に、半分近く(47%)は一度も「強い」に届かないまま一生を終えています。
| 平均風速 | 予報の言葉 | 人や建物への影響 |
|---|---|---|
| 10〜15m/s | やや強い風 | 風に向かって歩きにくい。傘がさせない |
| 15〜20m/s | 強い風 | 風に向かって歩けず、転ぶ人も出る。看板やトタン板が外れ始める |
| 20〜30m/s | 非常に強い風 | 何かにつかまらないと立っていられない。25m/s以上で屋外の行動は極めて危険、走行中のトラックが横転する |
| 30m/s以上 | 猛烈な風 | 多くの樹木が倒れ、電柱や街灯で倒れるものがある。40m/s以上で住家で倒壊するものがある |
台風の「強さ」の基準になる最大風速は、台風の中心付近の値です。自分の住む地域の風はそれより弱いことが多いものの、暴風域(25m/s以上)に入ると、気象庁の目安では屋外での行動は極めて危険になります。台風の強さの言葉(強い・非常に強い・猛烈な)と、天気予報の風の言葉(強い風・非常に強い風・猛烈な風)は、基準の数字が違う点にも注意が必要です。
台風が近づくときは、強さや大きさの言葉だけでなく、自分の地域に出る暴風警報や、市町村の避難情報を確かめてください。暴風域に入る前に、飛ばされそうな物を片付け、外出の予定を見直しておくのが基本です。
| 順位 | 台風 | 上陸時の気圧 | 上陸した場所 |
|---|---|---|---|
| 1 | 1961年 台風第18号(第二室戸台風) | 925hPa | 高知県室戸岬の西 |
| 2 | 1959年 台風第15号(伊勢湾台風) | 929hPa | 和歌山県潮岬の西 |
| 3 | 1993年 台風第13号 | 930hPa | 鹿児島県薩摩半島南部 |
| 4 | 1951年 台風第15号 | 935hPa | 鹿児島県串木野市付近 |
| 5 | 2022年 台風第14号など6個 | 940hPa | 鹿児島県鹿児島市付近など |
日本に上陸したときの中心気圧が最も低かったのは、1961年の第二室戸台風の925hPaで、2位が1959年の伊勢湾台風の929hPaです。統計が始まった1951年より前には、1934年の室戸台風(911.6hPa)、1945年の枕崎台風(916.1hPa)という記録もあります。上陸時940hPa以下の10個のうち6個は鹿児島県への上陸で、2022年の台風第14号も鹿児島市付近に940hPaで上陸しました。
上陸前も含めた一生で最も強かった台風は、1979年の台風第20号です。沖ノ鳥島の南南東の海上で、最大風速70m/s、中心気圧870hPaに達しました(気象庁)。ベストトラックでも、1951年以降で最も低い中心気圧はこの870hPaです。
A. 上陸するころには弱まっていることが多くあります。台風は日本付近の水温の低い海に来ると弱まりやすく、上陸したときの中心気圧が930hPaを下回った台風は、1951年以降で第二室戸台風(925hPa)と伊勢湾台風(929hPa)の2個だけです。ただし沖縄や奄美など南の島には、上陸前の強い勢力のまま近づくことがあります。
A. 最大風速は10分間の平均の風速の最大値、最大瞬間風速は3秒間の平均の風速の最大値です。気象庁によると、瞬間風速は平均風速の1.5倍程度になることが多く、大気が不安定なときは3倍以上になることもあります。
A. 関係ありません。上陸は台風の中心が北海道・本州・四国・九州の海岸線に達したかどうかで決まります。詳しくは台風の上陸とは?の記事で説明しています。
A. 最大風速がおよそ17m/s以上になった熱帯低気圧が台風です。違いや仕組みは台風とは?の記事にまとめています。
その年の台風の数は台風ウォッチで毎日更新しています。台風が多い月は台風が多い月の記事で確かめられます。
この記事の情報は2026年10月14日時点のものです。主な出典: 気象庁「台風の大きさと強さ」「風の強さと吹き方」「台風の順位(中心気圧が低い台風)」「ベストトラックデータ」、気象庁 はれるんランド「今までで最も大きかった台風と最も強かった台風は?」。中心気圧の目安は過去の記録を集計したもので、気象庁の基準ではありません。台風の発生や進路を予想するものではありません。防災の判断は気象庁や自治体の最新の発表をご確認ください。