新米が臭い・色がおかしい・食感が悪いと感じる原因は、研ぎ方や水加減など炊く側で直せるものと、夏の暑さや虫など田んぼで起きたものに分かれます。ぬか臭さは研ぎ方と精米からの日数、黒い点はカメムシによる斑点米、白く濁った粒や割れは夏の高温が主な原因です。ただしカビ臭い・酸っぱいにおいがするものは食べないでください。この記事では、自治体や農林水産省の資料をもとに原因を整理し、当サイトの8都市の気温データで2026年夏の暑さも確かめます。
| におい | 考えられる原因 | どうする |
|---|---|---|
| ぬか臭い | 研ぐときにぬかの水を吸った/精米から日がたった | 最初の水をすぐ捨てる。3〜4回水を替える |
| 古いお米のような | お米の脂質の酸化(温かい場所での保存など) | 涼しい場所・冷蔵庫で保存し、早めに食べる |
| 洗剤・灯油・香辛料など | 保存中のにおい移り(袋には小さな穴がある) | においの強い物から離し、密閉して保存 |
| カビ臭い・酸っぱい | カビや傷み | 食べない。購入店に相談する |
新米で一番多い「ぬか臭い」は、研ぎ方で変わります。新潟県三条市は、ぬかの臭みが新米にしみ込むのを防ぐため、最初に入れた水は軽くかき混ぜる程度ですぐ捨てるよう案内しています。新米は水を吸いやすいので、ぬかの溶けた水に長くつけるとにおいが移りやすくなります。
お米は外側に脂質が多く、精米してから日がたつと脂質が酸化して、古いお米のようなにおいが出てきます。三条市も、酸化を遅らせるために涼しく直射日光の当たらない場所で保存し、冷蔵庫を使うのもよいとしています。洗剤や灯油のそばに置いたお米は、袋の小さな穴からにおいが移ることもあります。
三条市の案内では、最初の水を素早く捨てたあと、お米の粒が割れないよう気をつけながら研ぎ、3〜4回ほど水を替えます。強くこすると新米は割れやすいので、手早くやさしく研ぐのがこつです。研いでもカビのようなにおいが残る場合は、食べずに購入したお店に相談しましょう。
| 見た目 | 呼び方 | 主な原因 |
|---|---|---|
| 黒い点・黒い筋 | 斑点米 | 実る途中の稲の汁をカメムシが吸った跡 |
| 全体が茶色 | 茶米 | 穂が出るころの風で籾に傷がつき、菌が入る。高温・干ばつ・刈り遅れで増える |
| 白く濁っている | 白未熟粒 | 実る時期の高温で、でんぷんの詰まりが悪くなる |
| 黄色い・変色した粒 | — | 品種や精米の度合い、保存中の変化、カビなど原因はさまざま。においも確かめる |
黒い点や筋がある粒は、カメムシが実る途中の稲の汁を吸った跡で「斑点米」と呼ばれます。全体が茶色い「茶米」は、千葉県によると、穂が出るころの風で籾に傷がつき、そこから菌が入ることで起きるとされ、高温や干ばつ、刈り遅れで増えます。どちらも農産物検査では着色粒として扱われます。
着色粒は、精米しても色が取れない粒です。千葉県によると、着色粒が0.1%以下なら1等で、それを超えると2等以下に下がります。つまり1等のお米でも、1,000粒に1粒くらいまでは色のついた粒が混じることがあります。気になる粒は、炊く前に取り除けば見た目は気になりません。
お米が黄色っぽく見える理由は、品種や精米の度合い、保存中の変化などいろいろあり、袋の上からは見分けられません。全体がうっすら黄色いだけでにおいが普通なら、精米の度合いなどの違いのこともあります。一方で、粒がくっついている、カビのような点がある、においがおかしい場合は食べずに、購入したお店やメーカーの窓口に相談してください。食べたあとに気になる症状がある場合は、医療機関に相談しましょう。
| 悩み | 考えられる原因 | 見直すポイント |
|---|---|---|
| べちゃべちゃ | 新米は水を吸いやすく、いつもの水加減だと柔らかくなりすぎる | 水を少なめにする |
| パサパサ・艶がない | 水を減らしすぎた/精米から日がたった/保存中に乾燥した | 水加減を戻す・密閉して保存 |
| 粒が割れる・崩れる | 強く研いだ/もともと割れ目のある粒(胴割れ)が多い | やさしく手早く研ぐ |
| 白っぽい粒が多い | 夏の高温による白未熟粒 | 早炊きモード・水少なめ(農林水産省) |
新米がべちゃべちゃになるのは、多くの場合は水加減です。三条市は、新米は水を吸いやすく、いつもどおりの水で炊くと柔らかくなりすぎるため、水を少なめにするよう案内しています。反対に、水を減らしすぎるとパサパサになります。少しずつ水を戻して、好みの硬さを探しましょう。
粒が割れる・崩れるのは、研ぎ方が強すぎるほか、お米にもともと「胴割れ」と呼ばれる細かいひびがあることも原因です。胴割れは、穂が出た後の高温や、刈り遅れ、急な乾燥で増えるとされ、炊くと粒が崩れて食感が落ちやすくなります。
夏が暑い年は、お米が実る時期の高温で白く濁った粒(白未熟粒)が増えます。農林水産省は、白未熟粒は精米の過程で取り除かれることが多いとしたうえで、乳白色の粒が多いお米でも早炊きモードを使ったり、水を少なめにしたりするとおいしく炊けると案内しています。
maffchannel「今年の猛暑とお米の食べ方について (買ったお米が「いつもより少し白いかな?」という時は、この動画をご覧ください)」(2023年10月公開)。猛暑の年のお米は白っぽい粒が多くなることがあり、炊き方を工夫するとおいしく食べられることを農林水産省が説明する動画です。
お米の品質は、穂が出てから実るまでの気温に大きく左右されます。新潟県農業総合研究所は、穂が出た5〜24日後の平均気温がおよそ26℃を超える年を「高温登熟年」、27℃以上を極端な高温の年としています。そこで当サイトの7都市の気温データで、8月1日に穂が出たとして8月6〜25日の平均気温を計算しました。
記録的な暑さだった2023年は、北の都市ほど平年との差が大きく、札幌が27.4℃(平年22.9℃)、仙台が29.1℃(平年25.1℃)でした。2026年は札幌24.9℃・仙台26.3℃で、2023〜2025年より北の都市の暑さはやわらぎました。7都市の平均では28.7℃で、1976年以降の51年のうち11番目の高さです。
| 年産 | 8月31日時点 | 最終(翌年10月31日) | 仙台の8月6〜25日の平均気温 |
|---|---|---|---|
| 2022年産 | 68.0% | 78.6% | 26.7℃ |
| 2023年産 | 69.0% | 60.9% | 29.1℃ |
| 2024年産 | 63.7% | 76.3% | 28.4℃ |
| 2025年産 | 66.5% | 75.6%(2026年3月31日時点) | 28.0℃ |
| 2026年産 | 65.9% | — | 26.3℃ |
農林水産省の農産物検査では、2023年産の1等米の割合は最終で60.9%と、ほかの年(75〜79%)より大きく下がりました。農林水産省は、2023年夏の高温・渇水の影響で白未熟粒が多く出て、1等の割合が下がった地域があったとしています。2026年産は8月31日時点で65.9%(前年同期は66.5%)で、9月分は前年産より高くなる見込みとされています。
なお、農林水産省は、検査の等級は精米するときの歩留まりの目安で、おいしさの格付けではないと説明しています。2等のお米が必ずおいしくないわけではありません。気温の毎日の記録は猛暑日・熱帯夜のデータで確かめられます。
においや粒の様子がおかしいお米は、袋を捨てずに、精米年月日や販売者の表示を残したまま購入店に相談すると話が早く進みます。保存のしかたは新米の保存方法の記事で、袋の表示の見方は新米の時期の記事で詳しくまとめています。
A. 違います。黒米は、もともと黒い色をした品種のお米です。白いお米に黒い点や筋がある場合は、カメムシの跡などによる斑点米です。
A. 農林水産省は、検査の等級は精米するときの歩留まりの目安で、おいしさの格付けではないと説明しています。等級だけで味は決まりません。
A. 水加減が少なすぎる、精米から日がたっている、保存中に乾燥したなどが考えられます。水を少し戻し、密閉して涼しい場所で保存してみてください。
A. 農林水産省の速報では、2026年産の1等米の割合は8月31日時点で65.9%と前年同期に近く、9月分は前年産より高くなる見込みとされています。当サイトの集計でも、2026年夏の北の都市の暑さは2023〜2025年よりやわらいでいました。
新米と古米の味や炊き方の違いは新米が古米より安いのはなぜ?、8都市の暑さの記録は猛暑日・熱帯夜のデータで確かめられます。
この記事の情報は2026年10月7日時点のものです。主な出典: 新潟県三条市「新米のおいしい炊き方」、農林水産省「お米のおいしさがアップする炊き方と保存法」・食糧部会資料(2024年8月27日)・「令和8年産米の農産物検査結果(速報値)」(2026年9月30日公表)、新潟県「着色米(斑点米)」、千葉県の茶米の解説(2024年9月2日)、新潟県農業総合研究所「極端な高温登熟年におけるコシヒカリの収穫適期のめやす」、気象庁の気温データ(当サイトで集計)。食べられるかどうかの判断に迷うときは購入店に、体調に不安があるときは医療機関に相談してください。