2026年度の最低賃金で週40時間(1か月にならすと約173時間)働くと、月給は全国加重平均の1,177円で約20.4万円、いちばん高い東京の1,280円で約22.1万円、いちばん低い宮崎の1,085円で約18.8万円です。年収にすると約225万〜266万円で、手取りは額面のおよそ8割が目安になります。この記事では、厚生労働省の資料をもとに月給制の確かめ方と含まれる手当を整理し、当サイトの最低賃金データベースと家賃のデータから、最低賃金の月給で家賃がどのくらいの重さになるかを確かめます。
| 都道府県 | 最低賃金(時給) | 月給(月173時間) | 年収(12か月) |
|---|---|---|---|
| 東京 | 1,280円 | 221,440円 | 約266万円 |
| 神奈川 | 1,279円 | 221,267円 | 約266万円 |
| 大阪 | 1,231円 | 212,963円 | 約256万円 |
| 愛知 | 1,195円 | 206,735円 | 約248万円 |
| 京都 | 1,180円 | 204,140円 | 約245万円 |
| 全国加重平均 | 1,177円 | 203,621円 | 約244万円 |
| 北海道 | 1,131円 | 195,663円 | 約235万円 |
| 福岡 | 1,114円 | 192,722円 | 約231万円 |
| 宮崎 | 1,085円 | 187,705円 | 約225万円 |
最低賃金は1時間あたりの額で決まっているので、月給は「最低賃金×1か月の労働時間」で計算します。上の表は、法律で決まった上限の週40時間で働いた場合です。いちばん高い東京といちばん低い宮崎では、月給で約3.4万円、年収で約40万円の差があります。ほかの都道府県の金額は、最低賃金データベースの都道府県のページに月給の目安つきで載せています。
173時間は、週40時間を1年(52週)続けて12か月で割った値です。実際の計算では、会社が決めた1年間の所定労働時間(働く約束の時間)÷12を使います。たとえば年間休日が125日で1日8時間なら、1か月平均は160時間です。東京なら最低ラインの月給は1,280円×160時間=204,800円になり、上の表より低くなります。
| 項目 | 金額(月) | 計算の前提 |
|---|---|---|
| 額面の月給 | 221,440円 | 1,280円×173時間 |
| 健康保険料 | −10,835円 | 協会けんぽ東京 9.85%の半分(40歳未満) |
| 子ども・子育て支援金 | −253円 | 0.23%の半分(2026年4月分から) |
| 厚生年金保険料 | −20,130円 | 18.3%の半分 |
| 雇用保険料 | −1,107円 | 本人負担0.5% |
| 所得税(源泉) | −3,980円 | 令和8年分の税額表・扶養0人 |
| 住民税 | −約8,200円 | 前の年も同じ給料だった場合の概算 |
| 手取り | 約176,900円 | 額面の約80% |
東京の最低賃金で週40時間働く単身の人の場合、額面22.1万円から社会保険料と税金が引かれて、手取りは約17.7万円になります。社会保険料だけで月3.2万円ほどです。働き始めて1年目は住民税がかからないことが多いので、その場合の手取りは約18.5万円です。
なお、2026年分の所得税は税制改正で基礎控除などが大きく引き上げられましたが、毎月の天引きは2026年11月まで前のルールのままです。差額は12月の年末調整でまとめて精算されるため、多くの人は12月に所得税が戻ります。
比べるのは額面(税金や社会保険料を引く前の金額)です。厚生労働省の計算例は、どれも基本給や手当の額(控除前)で1時間あたりの額を出しています。手取りを時間で割って最低賃金を下回っていても、それだけで違法にはなりません。逆に、額面で比べるときに通勤手当や残業代を入れてはいけない点には注意が必要です(次の節)。
| 入れる | 入れない |
|---|---|
| 基本給 住宅手当 職務手当・資格手当など、毎月決まって払われる手当 | 通勤手当・家族手当・精皆勤手当 残業代・休日出勤・深夜の割増分(固定残業代を含む) 賞与(ボーナス)など1か月を超える期間ごとの賃金 結婚手当など臨時の賃金 |
月給制の人が最低賃金を下回っていないか確かめる手順は、次の3つです。
神奈川労働局の計算例では、月給25万円(基本給20万円・住宅手当1.5万円・精皆勤手当1万円・家族手当2万円・通勤手当0.5万円)で、年間の所定労働時間が2,040時間の人を取り上げています。計算に入れるのは基本給と住宅手当の21.5万円で、21.5万円×12÷2,040時間=約1,264.7円です。神奈川の最低賃金1,279円を下回るので、月給25万円でも最低賃金違反になります。
住宅手当は、最低賃金の計算から除く手当の一覧に入っていないので、含めて計算します。上の神奈川労働局の例でも、基本給に住宅手当を足した額で計算しています。除くのは通勤手当・家族手当・精皆勤手当の3つと、残業代やボーナスなどです。
固定残業代は、残業した分の割増賃金を前もって払うものなので、月給から除いて計算します。「月給22万円(固定残業代3万円を含む)」なら、最低賃金と比べるのは19万円です。求人の月給が高く見えても、固定残業代を引くと最低賃金に届かないことがあるので、労働条件通知書で固定残業代の金額と時間数を確かめておきましょう。
当サイトが集めている8都市の家賃のデータを使い、ワンルームに近い25㎡の部屋の平均家賃が、その都道県の最低賃金の月給(額面)の何%になるかを計算しました。東京23区は25㎡で約7.6万円で、最低賃金の月給22.1万円の34%にあたります。いちばん低い札幌は約3.2万円で16%でした。
最低賃金は東京がいちばん高いものの、家賃の差はそれ以上に大きく、東京23区の家賃の重さは大阪(23%)の約1.5倍、札幌の約2倍です。手取り(額面の約8割)で見ると、東京23区では手取りの4割を超える計算です。8都市の家賃の推移は家賃・駐車場のデータで確かめられます。
| 壁 | 中身 | 2026年10月時点 |
|---|---|---|
| 106万円 | 勤め先の社会保険(厚生年金・健康保険)に入る賃金の基準(月8.8万円) | 2026年10月1日に撤廃。週20時間以上・2か月を超えて働く見込み・従業員51人以上の会社・学生でない、なら加入 |
| 130万円 | 家族の健康保険の扶養から外れる | 2026年4月から、労働契約で決まった賃金から見込む年収で判断 |
| 178万円 | 本人に所得税がかかり始める(給与だけの場合) | 2026年分の特例(2025年分は160万円) |
| 110万円 | 本人に住民税がかかり始める(東京23区などの単身) | 2026年度分。市区町村によって違う |
最低賃金の引き上げは、年収の壁とも関係します。厚生労働省は、時給が1,016円以上になると週20時間働くだけで月8.8万円を超えるとして、すべての都道府県の最低賃金が1,016円を超えたことを理由に、社会保険の賃金の基準を2026年10月に撤廃しました。2026年度の最低賃金でいちばん低い宮崎(1,085円)でも、週20時間なら月約9.4万円になります。
群馬テレビ・ぐんテレ「106万円の壁 厚生年金要件きょう撤廃 (26/10/01)」(2026年10月公開)。2026年10月1日に「106万円の壁」と呼ばれた厚生年金の加入要件が撤廃されたことを伝えるニュースです。
時給が上がると、同じ時間働いても年収が増えます。扶養の範囲で働いている人は、新しい時給と発効日をもとに、年末までの収入がいくらになるかを早めに計算しておくと安心です。社会保険の加入や扶養の判断は、勤め先や家族の加入している健康保険に確かめてください。
A. 1か月平均の所定労働時間が160時間の会社ならその計算で合っています。所定労働時間は会社によって違うので、就業規則や労働条件通知書で1年間の所定労働日数と1日の時間を確かめて計算してください。
A. 日給は「日給÷1日の所定労働時間」、歩合給は「その期間の歩合給の合計÷その期間に実際に働いた時間」で1時間あたりの額に直して比べます。基本給が月給で歩合給もある場合は、それぞれを時間あたりに直して足します。
A. 最低賃金は税金や社会保険料を引く前の額で比べるので、手取りが低いだけでは違法になりません。額面から通勤手当や残業代などを除いた額を、1か月平均の所定労働時間で割って比べてください。
A. 最低賃金を下回る約束はその部分が無効になり、会社は差額を払う必要があります。まずは勤め先に計算の根拠を確かめ、解決しなければ労働基準監督署や都道府県労働局の総合労働相談コーナーに相談できます。時給が上がらない理由や発効日は最低賃金が上がったのに時給が上がらない理由は?でまとめています。
自分の都道府県の最低賃金と月給の目安は最低賃金データベースで、最低賃金がこれまでどう上がってきたかは最低賃金の推移は?、物価と給料の関係は値上げばかりで生活できない?の記事で確かめられます。
この記事の情報は2026年10月8日時点のものです。主な出典: 最低賃金法・同施行規則、厚生労働省「地域別最低賃金の全国一覧」「最低賃金の対象となる賃金」、神奈川労働局「最低賃金の計算例」、協会けんぽ「令和8年度都道府県単位保険料率」、日本年金機構、国税庁「源泉徴収税額表」「源泉所得税の改正のあらまし」、財務省「令和8年度税制改正の大綱の概要」、総務省「小売物価統計調査」(当サイトで集計)。手取りは一定の条件で計算した目安で、実際の金額は勤め先の健康保険・年齢・扶養・市区町村などで変わります。具体的な判断は勤め先や労働基準監督署などに確かめてください。