プロパンガス(LPガス)のガス代は、同じ使い方をすると都市ガスの約1.9倍です。プロパンは1m3あたりの熱量が都市ガスの約2.3倍あるので、使う量(m3)は少なくなりますが、1m3あたりの料金がそれ以上に高いためです。この記事では、石油情報センターのプロパンの価格と東京ガスの2026年11月検針分の料金をそろえて比べ、基本料金・値上がり・地域差を、総務省の家計調査や小売物価統計と合わせて当サイトで集計しました。
| 比べ方 | 都市ガス(東京ガス) | プロパン(全国平均) | プロパンは |
|---|---|---|---|
| 1m3あたりの熱量 | 45MJ | 約102MJ | 約2.3倍 |
| 同じ熱(1MJ)あたりの料金 | 約3.9円 | 約7.1円 | 約1.8倍 |
| 一人暮らし(都市ガス月15m3) | 3,773円 | 約7,200円 | 約1.9倍 |
| 2人暮らし(都市ガス月30m3) | 6,488円 | 約12,200円 | 約1.9倍 |
ガス代を比べるときは、m3どうしではなく熱量をそろえるのがポイントです。都市ガスの1m3は45MJ、プロパンの1m3は約102MJで、同じお風呂を沸かすのに要るプロパンの量は都市ガスの約0.44倍です。そのうえで料金を比べると、2人暮らしの使い方(都市ガス月30m3)で都市ガスは6,488円、プロパンは全国平均で約12,200円になり、約1.9倍でした。
プロパンが高くなるのは、販売店が料金を自由に決める仕組みで、ボンベを家ごとに配送・交換する手間もかかるためです。都市ガスは導管で届けられ、大手の料金は原料費調整のルールが公表されています。同じ地域でも、プロパンは販売店によって単価が違います。
東京ガスは、家庭1件の1か月あたりの平均使用量(2018〜2022年度の5年平均)の30m3を「標準家庭」としています。2026年11月検針分の料金では月6,488円です。都市ガスの料金はガス会社ごとに違い、当サイトの光熱費ウォッチで8都市の標準的な使用量の月額を毎月追っています(2026年8月は東京都区部5,792円、那覇市8,778円)。
| 地域 | 5m3 | 10m3 | 20m3 | 2人暮らしの目安(13.2m3) | 都市ガス(6,488円)の |
|---|---|---|---|---|---|
| 北海道 | 7,094円 | 11,672円 | 20,256円 | 約14,400円 | 約2.2倍 |
| 東北 | 6,471円 | 10,785円 | 18,945円 | 約13,400円 | 約2.1倍 |
| 関東 | 5,616円 | 9,254円 | 16,273円 | 約11,500円 | 約1.8倍 |
| 中部 | 5,948円 | 9,700円 | 16,863円 | 約12,000円 | 約1.9倍 |
| 近畿 | 5,814円 | 9,439円 | 16,311円 | 約11,700円 | 約1.8倍 |
| 中国 | 6,266円 | 10,210円 | 17,688円 | 約12,600円 | 約1.9倍 |
| 四国 | 5,800円 | 9,439円 | 16,266円 | 約11,600円 | 約1.8倍 |
| 九州・沖縄 | 5,955円 | 9,734円 | 16,730円 | 約12,000円 | 約1.8倍 |
| 全国 | 5,984円 | 9,815円 | 17,081円 | 約12,200円 | 約1.9倍 |
石油情報センターの調査では、プロパンガスを1か月10m3使ったときの料金は、全国平均で9,815円でした。いちばん安い関東は9,254円、いちばん高い北海道は11,672円で、月2,418円の差があります。2人暮らしの使い方(13.2m3)にすると、関東で約11,500円、北海道で約14,400円です。
プロパンの請求書が届いたら、使用量(m3)を表に当てはめて、地域の平均と比べてみましょう。たとえば関東で10m3使って1万2,000円なら、地域の平均(9,254円)より約3割高いことになります。高めなら、次の基本料金と1m3あたりの単価を確かめます。
| ガスの種類 | 基本料金(1か月) | 1m3あたりの料金 |
|---|---|---|
| 都市ガス(東京ガス・月20m3まで) | 909円 | 190.94円 |
| 都市ガス(東京ガス・月21〜80m3) | 1,206円 | 176.09円 |
| プロパン(関東・推計) | 約2,000円 | 約700〜730円 |
| プロパン(全国・推計) | 約2,150円 | 約730〜770円 |
| プロパン(北海道・推計) | 約2,500円 | 約860〜920円 |
ガス代の基本料金は、ガスを使っても使わなくても毎月かかる定額の料金です。メーターやガス管の維持、検針などの費用にあたります。これに、使った量に応じた「従量料金(1m3あたりの料金×使用量)」を足したものが請求額です。
東京ガスの基本料金は、月20m3までなら909円です。プロパンは、石油情報センターの調査から逆算すると関東で約2,000円、北海道で約2,500円で、都市ガスの2倍以上の目安でした。使う量が少ない一人暮らしほど、基本料金の差が請求額に大きく効きます。
経済産業省の制度改正で、2025年4月2日から、プロパンガスの販売店には基本料金・従量料金・設備料金を分けて示す「三部料金制」が求められています。新しい契約では、エアコンなどガスと関係のない設備の費用をガス料金に入れることも禁止されました。料金表を見たことがなければ、契約している販売店に料金表を求めて、基本料金と1m3あたりの単価を確かめましょう。
| 都市 | 10m3の料金 | 1年前と比べて | 5年前と比べて |
|---|---|---|---|
| 札幌市 | 10,857円 | +2.3% | +5.5% |
| 仙台市 | 9,273円 | +3.7% | +30.8% |
| 東京都区部 | 8,650円 | +10.4% | +27.1% |
| 名古屋市 | 9,122円 | +5.5% | +17.9% |
| 大阪市 | 8,145円 | +7.2% | +32.0% |
| 広島市 | 10,271円 | +6.4% | +27.4% |
| 福岡市 | 8,966円 | +8.0% | +21.3% |
| 那覇市 | 9,898円 | +8.4% | +25.6% |
プロパンガスは、ここ数年で値上がりが続いています。総務省の消費者物価指数では、2026年8月のプロパンガスは1年前より6.9%高く、5年前より23.1%高くなっていました。同じ月の都市ガス代は1年前より0.8%安く、プロパンだけが上がっている形です。
8都市の10m3の料金を見ると、2026年8月は札幌市が10,857円でいちばん高く、大阪市が8,145円でいちばん安くなっていました。東京都区部は1年で10.4%、大阪市は5年で32.0%上がっています。2026年夏の国の電気・ガス料金支援の値引きは、電気と都市ガスについて示されたもので(経済産業省)、プロパンの請求には同じ形では入っていません。
家計調査で、二人以上の世帯のガス代のうちプロパンガスに払った割合を、県庁所在市と政令指定都市の52市で比べました。いちばん高いのは青森市の81%で、山形市・佐賀市(74%)、福井市・松山市(70%)が続きます。52市のうち20市で、ガス代の半分以上がプロパンでした。
逆に、大阪市・神戸市(1%)、東京都区部・名古屋市(2%)などの大都市は、ガス代のほとんどが都市ガスです。都市ガスの導管が通っている地域が限られるため、地方の市ではプロパンの家が多くなっています。全国では、二人以上の世帯のガス代の約34%がプロパンでした。
札幌市はガス代の54%、那覇市は56%がプロパンでした。札幌市の二人以上の世帯のガス代は月5,923円(2023〜2025年平均)で、全国(4,945円)より約1,000円高くなっています。プロパンの料金も、石油情報センターの地域別で北海道がいちばん高く(10m3で11,672円)、8都市でも札幌市が最高でした。沖縄は石油情報センターでは九州と合わせた地域で、10m3は9,734円です。那覇市は、都市ガスの標準的な使用量の料金も8都市でいちばん高い8,778円でした(2026年8月)。
A. 都市ガスで月15m3使う一人暮らしと同じ使い方なら、プロパンで約6.6m3、全国平均で月約7,200円です(2026年9月30日の価格で計算)。くわしくは一人暮らしのガス代の平均でまとめています。
A. 使い方では、お風呂の追い焚きやシャワーの時間を減らすのが効きます。プロパンは単価が高いので、同じ節約でも都市ガスの約1.8倍の金額になります。方法はガス代の節約で紹介しています。料金表で基本料金と単価を確かめることも大切です。
A. 石油情報センターの2026年9月30日調査から計算すると、使う量を10m3から20m3に増やしたときの1m3あたりの増え方は、全国平均で約727円、関東で約702円、北海道で約858円でした。基本料金は別にかかります。
A. 当サイトの光熱費ウォッチ(小売物価統計)では、2026年8月の標準的な使用量の都市ガス代は、8都市のうち那覇市が8,778円でいちばん高く、東京都区部が5,792円でいちばん安くなっていました。
8都市の都市ガス代・プロパンガスの毎月の動きは光熱費ウォッチ、急に高くなったときの確かめ方はガス代が高いのはおかしい?で確かめられます。
この記事の情報は2026年10月19日時点のものです。主な出典: 石油情報センター「LPガス一般小売価格 速報」(2026年9月30日調査)、東京ガス「原料費調整制度に基づく2026年11月検針分のガス料金について(東京地区等)」(2026年9月29日)・「都市ガスの使用量・料金の平均はいくら?」(東京都環境局「平成26年度 東京都家庭のエネルギー消費動向実態調査」を引用)、総務省統計局「家計調査」「小売物価統計調査」「消費者物価指数」、経済産業省「電気・ガス料金支援」、液化石油ガス法施行規則の改正(2024年4月公布)。プロパンの基本料金・単価は公表価格からの推計です。ガス料金の先行きを予想したり、特定のガス会社をすすめたりするものではありません。