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紅葉の読み方と意味・楓・椛・季語
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紅葉の「こうよう」と「もみじ」の違いは?楓・椛との違いと季語・言い換え

公開 2026.10.16読了 約13分
こんな疑問を持つ方へ
・「紅葉」は「こうよう」と「もみじ」、どちらで読むのが正しい?
・もみじと楓(かえで)、椛(もみじ)は何が違う?
・黄色い葉も「紅葉」と言っていい?
・俳句や手紙で「紅葉」はいつ使える?言い換えの言葉は?

「紅葉」は「こうよう」とも「もみじ」とも読み、どちらも正しい読み方です。ふつう「こうよう」は秋に葉が赤や黄色に色づくこと、「もみじ」は色づいた葉やカエデの仲間の木を指すという違いがあります。この記事では、辞書と古典をもとに読み方・語源・楓や椛との違いを整理し、気象庁の観測(紅葉・黄葉データベース)から「紅葉」と「黄葉」の違いも数字で示します。

紅葉の読み方は「こうよう」と「もみじ」、意味の違いは?

「紅葉」の2つの読み方と使い分け
読み主な意味使い方の例
こうよう秋に木の葉が赤や黄色に色づくこと(現象)山が紅葉する/紅葉の見頃/紅葉前線
もみじ色づいた葉。また、カエデの仲間の木の別名もみじの葉を拾う/庭のもみじ/もみじ狩り
出典: 『デジタル大辞泉』『精選版 日本国語大辞典』(小学館・コトバンク)の語義をもとに当サイトで表にした

辞書では、「こうよう」は「植物の葉が秋に赤く色づくこと」、「もみじ」は「晩秋に草木の葉が赤や黄色に色づくこと」に加えて、楓(かえで)の別名という意味も挙げています。どちらも色づくことを指せますが、出来事として言うなら「こうよう」、目の前の葉や木を言うなら「もみじ」と読むのが自然です。

国が漢字の使い方の目安として示す「常用漢字表」(2010年・内閣告示)は、付表に「紅葉(もみじ)」を載せています。一字ずつの読みを組み合わせても出てこない特別な読み(熟字訓)として認められているので、「紅葉」と書いて「もみじ」と読ませても誤りではありません。読み手が迷いそうな文章では、「紅葉(もみじ)」のように読み方を添えると親切です。

「もみじ」の由来は?奈良時代は「黄葉」と書いて「もみち」

「もみじ」の読み方と書き方の移り変わり
時代読み書き方
奈良時代(万葉集)もみち(濁らない)ほとんどが「黄葉」。「紅葉」「赤葉」は1、2例だけ
平安時代もみぢ中国の詩文集『白氏文集』の影響などで「紅葉」と書くようになる
現代もみじ/こうよう「紅葉」。黄色いものは「黄葉(こうよう)」とも
出典: 『日本大百科全書(ニッポニカ)』「もみじ」、『精選版 日本国語大辞典』「紅葉」(コトバンク)をもとに当サイトで表にした

「もみじ」は、草木が色づくことを表す昔の動詞「もみつ(もみず)」から生まれた言葉です。『精選版 日本国語大辞典』は、その連用形が名詞になったもので、古くは「もみち」と言ったと説明しています。動詞の「もみず」は、染め物の色をもみ出すようすから来たという説も紹介されています。

意外なのは書き方です。『日本大百科全書』によると、奈良時代の『万葉集』では「黄葉」と書くのが通例で、「紅葉」と書く例は1、2しかありません。平安時代になって、中国の詩文集『白氏文集』の書き方の影響などもあり、「紅葉」と書くようになりました。

紅葉(もみじ)と楓(かえで)の違いは?植物としては同じ仲間

「もみじ」と「かえで」の違い
もみじかえで
名前の由来色づくことを表す「もみつ(もみず)」葉の形がカエルの手に似ている「かえるで(蛙手)」
植物の分類どちらもムクロジ科カエデ属(植物学上の区別はない)
名前に付く例イロハモミジ・オオモミジ・ヤマモミジハウチワカエデ・イタヤカエデ
漢字紅葉・椛楓(中国では本来、別の木「フウ」の字)
出典: 森林・林業学習館「モミジとカエデの違い」、もみじかえで研究所「もみじとかえでの違い」、『デジタル大辞泉』「楓」などをもとに当サイトで表にした

もみじとかえでは、植物としてはどちらもカエデ属の仲間で、分類のうえでは区別がありません。もともと「もみじ」は色づく草木全体を指す言葉で、中でも色の変わり方が目立つカエデの仲間を指すようになりました。「かえで」は、手のひらのような葉の形をカエルの手に見立てた「かえるで」が縮まった名前です。

庭木などでは、葉の切れ込みが深いものを「◯◯モミジ」、浅いものを「◯◯カエデ」と呼ぶ、と説明されることがよくあります。ただ、もみじかえで研究所は、切れ込みの深さで決めているわけではなく呼び名の習慣だとしています。実際、日本庭園でおなじみのイロハモミジは「イロハカエデ」とも呼ばれ、気象庁は紅葉の観測でこの木を「いろはかえで」と記録しています。

「楓」の字にも注意が必要です。中国で「楓」が指すのは、カエデとは別の木(マンサクの仲間のフウ)で、カエデは「槭」と書きます。日本では、葉の形が似ていることなどから「楓」の字をカエデに当てるようになりました。

紅葉と椛(もみじ)の違いは?「椛」は日本で作られた字

「紅葉」「楓」「椛」の3つの字の違い
字読み成り立ちふだんの文章・名前
紅葉こうよう・もみじ「紅い葉」と書く漢語常用漢字表の付表に「もみじ」の読みがある。新聞・公用文はこれ
楓かえで・ふう中国の字(本来はフウの木)常用漢字ではない。人名用漢字で、名前に使える
椛もみじ(かば)木へんに「花」。日本で作られた字(国字)と考えられている常用漢字ではない。2004年に人名用漢字に加わった
出典: 国立国語研究所「ことば研究館」、『デジタル大辞泉』、文化庁「常用漢字表」(2010年)、法務省の人名用漢字の追加(2004年)をもとに当サイトで表にした

「椛」は、木へんに「花」を組み合わせた字です。国立国語研究所の解説によると、葉が赤く色づいて花のように見えることから「もみじ」の読みが与えられたもので、日本で作られた字(国字)と考えられています。同じ形の字は、「白樺」の「樺(かば)」を書きかえた字としても使われてきたので、「かば」とも読みます。

意味は「紅葉(もみじ)」とほぼ同じですが、常用漢字ではないため、新聞や役所の文書では使われません。一方で2004年に人名用漢字に加わったので、子どもの名前には使えます。ふだんの文章なら「紅葉」か、ひらがなの「もみじ」、名前や店名で雰囲気を出したいときに「椛」、と考えると迷いません。

【データ】紅葉と黄葉の違い:気象庁は赤と黄色を分けて記録している

いちょうの「黄葉日」とかえでの「紅葉日」(8都市の平年値)
都市いちょうの黄葉日かえでの紅葉日かえでのほうが
札幌11月4日10月28日7日早い
仙台11月23日11月21日2日早い
東京11月23日11月28日5日遅い
名古屋11月18日11月28日10日遅い
京都11月24日12月5日11日遅い
大阪11月22日12月1日9日遅い
広島11月15日11月22日7日遅い
福岡11月20日12月1日11日遅い
出典: 気象庁「生物季節観測」の平年値(1991〜2020年)を当サイトで集計(紅葉・黄葉データベース・2026年10月15日更新分)。札幌のかえではやまもみじを観測

「紅葉」は赤くなることですが、ふだんは黄色を含めて葉が色づくこと全体を指して使います。黄色だけをはっきり言いたいときは「黄葉(こうよう)」と書きます。イチョウの葉が色づくのは黄葉、カエデが赤くなるのは紅葉です。

気象庁も、この2つを分けて観測しています。全国の気象台の標本木で、かえでは「紅葉日」(51地点)、いちょうは「黄葉日」(48地点)として、木全体を見て葉の大部分が色づき、緑がほとんど見えなくなった最初の日を記録します。平年値を並べると、東京ではいちょうの黄葉が11月23日、かえでの紅葉が11月28日で、8都市のうち6都市でいちょうの黄色が先に来ます。街なかで「黄色の次に赤」の順に色づくのは、言葉だけでなく実際の観測でも確かめられます。

あわせて見たい:紅葉・黄葉データベース(2026年の観測日と全地点の平年値)

紅葉の季語と言い換え:初紅葉は秋、青紅葉は夏、紅葉散るは冬

「紅葉」がつく主な季語と季節
季語季節表すもの
青紅葉(あおもみじ)夏色づく前の、緑のかえでの葉
初紅葉(はつもみじ)・薄紅葉秋(仲秋)色づき始めた葉
紅葉(もみじ・こうよう)秋(晩秋)赤や黄に色づいた葉。主にかえで
紅葉かつ散る秋(晩秋)色づきながら散っていくようす
紅葉散る(散紅葉)冬(初冬)冬の風に散っていく紅葉
出典: 季語と歳時記(きごさい歳時記)「紅葉」「紅葉散る」「紅葉かつ散る」などをもとに当サイトで表にした。季節は俳句の暦(立秋〜立冬の前日が秋)

「紅葉」は秋の季語で、季語の辞典では晩秋に分けられています。同じ「紅葉」がつく言葉でも、まだ緑の「青紅葉」は夏、散っていく「紅葉散る」は冬の季語になるので、俳句では季節をまちがえないよう気をつけます。陰暦の9月を「紅葉月(もみじづき)」と呼ぶ言い方もあり、新暦(太陽暦)ではおよそ10月ごろにあたります。

手紙や文章で使える言い換え

紅葉の言い換え・時候の挨拶
言葉意味・使い方
紅葉の候(こうようのこう)手紙の書き出し。紅葉が見られる時期(10〜11月ごろ)に、その年・その土地の色づきに合わせて使う
錦秋(きんしゅう)紅葉が錦の織物のように美しい秋。「錦秋の候」とも
もみじ葉(もみじば)・色葉(いろは)色づいた葉。和歌や俳句で使われる言い方
紅葉の錦・野山の錦色とりどりの紅葉を錦に見立てた言い方
照葉(てりは)紅葉して美しく照り輝く葉(秋の季語)
出典: 『デジタル大辞泉』『精選版 日本国語大辞典』(コトバンク)、きごさい歳時記をもとに当サイトで表にした

手紙の書き出しでよく使うのは「紅葉の候」と「錦秋の候」です。どちらも秋が深まり、紅葉が見られるころの挨拶なので、まだ色づいていない地域や時期には向きません。同じ言葉を何度も使いたくないときは、「色づいた木々」「秋の彩り」のような言い方でも十分に伝わります。

よくある質問

Q1. 「紅葉する」は何と読む?

A. 「こうようする」と読むのがふつうです。「山が紅葉する」のように、色づくという出来事を言うときは「こうよう」の読みが合います。

Q2. 黄色いイチョウを「紅葉」と言うのはまちがい?

A. まちがいではありません。「紅葉」は黄色を含めて葉が色づくこと全体に使われます。黄色をはっきり言いたいときは「黄葉」と書き、気象庁もイチョウは「黄葉日」として記録しています。

Q3. 「もみじ」には鹿肉の意味もある?

A. あります。『デジタル大辞泉』は「もみじ」の意味の1つに鹿の肉を挙げています。馬肉を「さくら」と呼ぶのと似た、食べ物の呼び名です。

Q4. 紅葉の見頃はいつごろ?

A. 気象台のかえでの紅葉日(平年)は、東京で11月28日、京都で12月5日です。名所は山にあることが多く、街なかより早く色づきます。地域別の目安は紅葉の時期はいつ?の記事にまとめています。

まとめ:出来事は「こうよう」、葉や木は「もみじ」

  • 「紅葉」は「こうよう」「もみじ」どちらも正しい読み。色づくことは「こうよう」、色づいた葉やカエデの木は「もみじ」と読むのが自然
  • 「もみじ」は色づくことを表す昔の動詞「もみつ」から。奈良時代の『万葉集』では「黄葉」と書くのが通例だった
  • もみじと楓(かえで)は植物としては同じカエデ属。「楓」の字は中国では本来別の木(フウ)
  • 「椛」は日本で作られた字で、常用漢字ではないが2004年から名前に使える
  • 黄色は「黄葉」。気象庁はかえでの紅葉日といちょうの黄葉日を分けて記録し、8都市中6都市はいちょうが先
  • 「紅葉」は晩秋の季語。「青紅葉」は夏、「紅葉散る」は冬

2026年の色づきのようすは紅葉・黄葉データベースで確かめられます。紅葉の仕組みは紅葉はなぜ赤くなる?の記事、「紅葉狩り」の由来と英語での言い方は紅葉狩りの由来の記事をどうぞ。

くらたのひとこと:昔の人は「黄葉」と書いていたなんて意外だね。東京だとイチョウの黄色が先、カエデの赤があとから来るよ。

この記事の情報は2026年10月16日時点のものです。主な出典: 『デジタル大辞泉』『精選版 日本国語大辞典』『日本大百科全書(ニッポニカ)』(コトバンク)、文化庁「常用漢字表」(2010年)、国立国語研究所「ことば研究館」、森林・林業学習館、もみじかえで研究所、きごさい歳時記、気象庁「生物季節観測」。語源や字の成り立ちには諸説あります。名前に使える漢字は法務省の最新の資料でご確認ください。

タグ: 紅葉言葉季節漢字

この記事で使ったデータ

紅葉・黄葉データベース
1953年〜・かえで51地点・毎日
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