都市ガスのガスファンヒーターのガス代は、8畳の部屋が暖まったあとで1時間約22円です。つけてすぐの「強」で燃えているあいだは、11畳用で1時間約57円かかります。この記事では、メーカー公表の性能と東京ガスの2026年11月検針分の単価から計算しました。プロパンガスの地域差、つけっぱなしの1か月分、ほかのガス暖房、エアコン・灯油との比較もまとめます。
| 機種の大きさ(暖房のめやす) | 強(いちばん強く燃える) | 弱(いちばん弱く燃える) | 部屋が暖まったあと |
|---|---|---|---|
| 木造7畳まで(2.44kW) | 約34円 | 約7円 | 約17円(6畳) |
| 木造11畳まで(4.07kW) | 約57円 | 約11円 | 約22円(8畳) |
| 木造15畳まで(5.81kW) | 約82円 | 約15円 | - |
ガスファンヒーターは、つけた直後は強く燃えて部屋を一気に暖め、設定温度に近づくと自動で火を弱めます。そのため、ずっと「強」の金額がかかるわけではありません。リンナイの実験では、8畳の部屋が暖まったあとのガスは1時間0.126m3で、強のときの4割ほどでした。
温風を送るファンなどの電気代は、1時間0.3〜0.5円ほどです(消費電力9〜17W、31円/kWhで計算)。ガス代に比べるとごくわずかです。
ガス代は「ガスの消費量(kW)÷12.5×1m3の単価」で出せます。都市ガス(13A)は1m3で12.5kWh分(45MJ)の熱が出るためです。11畳用の強なら、4.07÷12.5=0.326m3で、176.09円をかけて約57円です。
単価はガス会社と使う量で変わります。東京ガスでも月20m3までの家は190.94円/m3で、同じ計算で約62円です。大阪ガスの一般料金S(月20〜50m3)は182.93円/m3で、約60円でした。自分の単価は、検針票やガス会社の会員ページの「単位料金」で確かめられます。
| ガスの種類と燃え方 | 1時間 | 1日(8時間) | 1か月(30日) |
|---|---|---|---|
| 都市ガス・8畳が暖まったあと | 約22円 | 約180円 | 約5,300円 |
| 都市ガス・強のまま | 約57円 | 約460円 | 約1万3,800円 |
| LPガス・8畳が暖まったあと | 約42円 | 約340円 | 約1万100円 |
| LPガス・強のまま | 約104円 | 約840円 | 約2万5,000円 |
8畳を暖まった状態で1日8時間・30日使うと、都市ガスで1か月約5,300円です。ガスの量は約30m3で、東京ガスが「標準家庭」とする1か月分の使用量(30m3)とほぼ同じです。暖房1台で、ふだんの家1軒の1か月分ほどのガスを使う計算です。
ただし、寒い日や広い部屋、すきま風の多い家では「強」に近い時間が長くなり、表の上の段より高くなります。住んでいる地域の寒さで比べた目安は、下の【データ】の節にまとめました。
ガスの量は、部屋から逃げた熱を補うぶんで決まります。使わない時間が長いほど、消したほうがガスは減ります。資源エネルギー庁の試算では、ガスファンヒーターを使う時間を1日1時間短くすると、ひと冬でガス12.68m3の節約です。2026年11月の東京ガスの単価なら約2,200円になります。
リンナイとノーリツは、運転したまま寝たり外出したりしないよう注意しています(タイマーで自動で消える使い方を除く)。部屋の中でガスを燃やすため、1時間に1〜2回、1〜2分ほど窓を開けるか換気扇を回すことも求めています。換気が足りないと一酸化炭素中毒を起こし、死亡事故にいたるおそれがあるとしています。
NITE official「【事故再現】 ファンヒーター「1.換気不足による不完全燃焼」」(2017年9月公開)。換気が足りないときに起きる不完全燃焼の再現映像です。
換気で逃げる熱のぶんガス代は少し増えますが、省かないでください。温風が直接当たる場所で寝ると、低温やけどのおそれもあります(リンナイ)。
| 暖房器具 | 例(メーカー・ガス会社の公表値) | 1時間のガス代 |
|---|---|---|
| ガスストーブ(赤外線) | リンナイ R-852PMSⅢ(木造11畳まで)強4.07kW・弱2.15kW | 強 約57円・弱 約30円 |
| FF式ガス暖房機 | リンナイ RHF-310FT(木造8畳まで)3.49〜1.74kW | 約49〜25円 |
| ガス温水床暖房 | 東京ガスの試算(木造14畳・エアコン併用) | 立ち上がり 約61円・暖まったあと 約18円 |
部屋の中で燃やすガスストーブは、ガスファンヒーターと同じ計算です。違いは燃え方の切り替えで、リンナイの赤外線ストーブは強と弱の2段階です。
FF式は、外の空気で燃やして排気も外に出すため、燃やすための換気がいりません。その代わり熱の一部が排気と一緒に外へ出て、エネルギー消費効率は82.5%です。同じ熱を部屋に出すと、ファンヒーターより約2割高くなる計算です。
ガス温水床暖房は、東京ガスの試算で8時間使って約184円(1か月約5,520円)です。東京ガスは、入・切を繰り返すとかえってムダになる場合があるとしています。床暖房のある家は、東京ガスの「暖らんぷらん」のような床暖房向けの料金メニューも確かめましょう。
給湯器のリモコンを入れたままでも、お湯を使わなければガス代はかかりません。かかるのは待機電力の電気代で、東京ガスは月に数十円程度としています。寒い時期は本体の凍結予防ヒーターが電気で動くため、電源プラグは抜かないよう案内しています。
| 地域 | LPガス1m3あたり | 強(4.07kW) | 8畳が暖まったあと |
|---|---|---|---|
| 北海道 | 858円 | 約123円 | 約50円 |
| 東北 | 816円 | 約117円 | 約47円 |
| 関東 | 702円 | 約101円 | 約41円 |
| 中部 | 716円 | 約103円 | 約42円 |
| 近畿 | 687円 | 約99円 | 約40円 |
| 中国 | 748円 | 約107円 | 約43円 |
| 四国 | 683円 | 約98円 | 約40円 |
| 九州・沖縄 | 700円 | 約101円 | 約41円 |
| 全国 | 727円 | 約104円 | 約42円 |
LPガスのファンヒーターは、8畳が暖まったあとで1時間約42円(全国平均)でした。都市ガスの約22円の約1.9倍です。LPガスは1m3あたりの熱が都市ガスの2倍以上ありますが、単価がそれ以上に高いためです。
地域では北海道が約50円で最も高く、四国・近畿は約40円でした。LPガスは会社ごとに料金が大きく違うので、検針票で「10m3から20m3に増えるといくら増えるか」を確かめると、自分の1m3あたりの単価がわかります。なお、ガスファンヒーターはガスの種類ごとに専用の機種があり、合わないガスでは使えません。
同じ量の熱を出すとして比べると、都市ガスのファンヒーター(約22円)は灯油ファンヒーター(約23円)とほぼ同じです。エアコンは約12円で半分ほど、LPガスは約41円(前の節の約42円は実験値のガスの量で計算)、電気ストーブは約49円でした。
エアコンは外の気温が下がるほど効率が落ちます。効率(COP)が2まで下がると、同じ熱で約24円になり、都市ガスと並びます。寒さで逆転する目安やファンヒーターの電気代は灯油ストーブとエアコンの比較の記事、こたつ・電気毛布などは電気代が安い暖房器具の記事で詳しく比べています。
当サイトが集めている8都市の毎日の気温から、2025年11月〜2026年3月の151日間に、8畳でガスファンヒーターを1日8時間使ったときのガス代を計算しました。同じ家・同じ単価と仮定すると、東京はひと冬約1万9,600円、1月だけで約5,100円です。
札幌は約3万3,300円で東京の約1.7倍、那覇は約3,900円でした。東京の過去10冬(2016〜17年〜2025〜26年)では、最も少ない冬で約1万9,000円、最も多い冬で約2万1,500円で、寒い冬と暖かい冬の差は2,500円ほどです。8都市の冬日・真冬日の数は冬の寒さカウンターで見られます。
| すること | 目安・ポイント |
|---|---|
| 設定温度を1℃下げる(21℃→20℃) | ひと冬でガス8.15m3、約1,400円の節約(資源エネルギー庁の試算を2026年11月の東京ガスの単価で計算) |
| 使う時間を1日1時間短くする | ひと冬でガス12.68m3、約2,200円の節約。出かける少し前に消す |
| フィルターをこまめに掃除する | ほこりで詰まると異常燃焼の原因になる(リンナイ)。フィルターサインが出たら掃除 |
| 部屋の広さに合わせて使う | 表示の「◯畳まで」は断熱材のない家で30分で暖める目安。広い部屋で強のままの時間が長いと高くなる |
換気はガス代のために減らさないでください。家全体のガス代の平均は電気代・ガス代の平均の記事で比べられます。
A. 東京ガスでは、国の値引き(2026年10月検針分は1m3あたり14円)が終わり、2026年10月1日の料金改定も加わったためです。11月検針分の標準家庭(30m3)は、10月検針分より744円高い6,488円です。単位料金そのものは5.69円下がっています。
A. メーカーは、タイマーで自動で消える使い方を除き、つけたまま寝ないよう注意しています。ノーリツの「おやすみ運転」は1時間後に自動で消えます。朝の「おはよう運転」のあと続けて使うときも換気が必要です。
A. 都市ガスなら、11畳用の強で約0.33m3、8畳が暖まったあとで0.126m3です(リンナイの実験値)。LPガスは熱が多いぶん量は半分ほどで、8畳が暖まったあとで0.058m3です。
A. 都市ガスなら、同じ熱で約22円と約23円でほぼ同じです(灯油は2026年10月5日調査の全国平均18L 2,553円で計算)。LPガスは灯油の約1.8倍です。灯油の最新の値段は灯油価格ウォッチで確かめられます。
寝るとき・出かけるときは消し、1時間に1〜2回の換気を忘れずに。灯油やエアコンと使い分けるなら灯油ストーブとエアコンの比較の記事もあわせてどうぞ。
この記事の情報は2026年10月17日時点のものです。主な出典: 東京ガス「原料費調整制度に基づく2026年11月検針分のガス料金について」(2026年9月29日)・「ガス温水床暖房の活用方法」・給湯器のコラム、大阪ガス「2026年11月ガス料金の原料費調整について」、石油情報センター「一般小売価格 LP(プロパン)ガス 速報」(2026年9月30日)、全国家庭電気製品公正取引協議会「電力料金の目安単価」、資源エネルギー庁「無理のない省エネ節約」「石油製品価格調査」(くらしデータの集計)、気象庁「過去の気象データ」(くらしデータの集計)、リンナイ・ノーリツ・ダイキン工業・ダイニチ工業の製品情報とリンナイのよくあるご質問。金額は公表値から当サイトが計算した目安で、実際のガス代は契約・機種・住まい・外の気温・使い方で変わります。価格の予想や、特定の製品・契約をすすめるものではありません。