電気代が安い暖房器具は、電気毛布(弱で1時間約0.7円)とこたつ(弱で約2.5円)です。部屋全体を暖めるなら、6畳用のエアコン(約14.6円)が、900Wの電気ストーブ(約27.9円)やセラミックファンヒーター(強で約36.3円)より安く済みます。この記事では、メーカーが公表している電気代(目安単価31円/kWh)を並べ、当サイトの冬の寒さカウンターで数えた8都市の暖房日数から、ひと冬の電気代も計算しました。
| 暖房器具 | 1時間 | 1か月(1日6時間) | 暖める範囲 |
|---|---|---|---|
| 電気毛布(弱) | 約0.7円 | 約126円 | 体(寝床) |
| こたつ(弱) | 約2.5円 | 約450円 | 体(足元) |
| こたつ(強) | 約5.0円 | 約900円 | 体(足元) |
| 電気カーペット2畳(中) | 約7.1円 | 約1,278円 | 体(床) |
| 電気カーペット2畳(高) | 約10.1円 | 約1,818円 | 体(床) |
| 電気ストーブ(450W) | 約14.0円 | 約2,520円 | 体(前だけ) |
| エアコン6畳用(暖房・定格) | 約14.6円 | 約2,628円 | 部屋全体 |
| オイルヒーター1200W(弱) | 約16円 | 約2,880円 | 部屋全体 |
| セラミックファンヒーター(弱) | 約19.8円 | 約3,564円 | 体・小さな部屋 |
| 電気ストーブ(900W) | 約27.9円 | 約5,022円 | 体(前だけ) |
| セラミックファンヒーター(強) | 約36.3円 | 約6,534円 | 体・小さな部屋 |
電気代がいちばん安いのは、電気毛布とこたつです。体のまわりだけを暖める器具は、暖める空間が小さく、温度が上がると電気を止めたり弱めたりするため、1時間の電気代が数円で済みます。1日6時間を1か月続けても、電気毛布は約126円、こたつ(弱)は約450円です。
部屋全体を暖める器具では、エアコンがいちばん安くなります。6畳用のエアコン(ダイキン S226ATES)は、470Wの電気で2.2kWの熱を出せるため、電気を熱に変えるだけの電気ストーブやセラミックファンヒーターより効率がよいのです。電気ストーブは当たっている体の前だけを暖める器具なので、部屋を暖めようとすると高くつきます。
電気代は「消費電力(kW)×時間×1kWhの単価」で計算できます。900Wなら0.9kW×1時間×31円で、1時間約27.9円です。1日6時間使うと約167円、1か月(30日)で約5,000円になります。同じ計算で、1200Wなら約37.2円、600Wなら約18.6円です。実際の単価は電力会社や使用量で変わり、たくさん使う家ほど1kWhあたりの単価が高くなる料金プランが多いので、目安と考えてください。
| 種類 | 主な器具 | 向いている使い方 |
|---|---|---|
| 体を暖める | 電気毛布・こたつ・電気カーペット・電気ストーブ | 1人で過ごす、寝るとき、足元が冷えるとき |
| 部屋を暖める | エアコン・オイルヒーター | 家族で過ごすリビング、長い時間いる部屋 |
| すぐ暖まる | セラミックファンヒーター・電気ストーブ | 脱衣所やトイレなど、短い時間だけ使う場所 |
電気ストーブ(カーボンヒーターなど)は、強(900W)で1時間約27.9円、弱(450W)で約14.0円です。スイッチを入れてすぐ暖かいのが長所ですが、消費電力がそのまま電気代になるため、長時間使うと電気代がかさみます。脱衣所や足元など、短い時間・狭い範囲で使うのに向いています。
山善のこたつ用ヒーター(300W・石英管)は、1時間の消費電力量が強で約160Wh、弱で約80Whで、電気代は強で約5.0円、弱で約2.5円です。表示の消費電力は300Wでも、中が暖まるとヒーターが止まったり弱まったりするため、実際の電気代はその半分ほどになります。弱にすると強の半分で済みます。一人用の小さなこたつ(100W)なら、弱で約0.3円という製品もあります。
アイリスオーヤマの電気かけしき毛布(EHB-1813)は、室温20℃で「弱」にして1時間使ったときの電気代を約0.7円としています。寝ている8時間つけても約5.6円で、暖房器具の中でいちばん安い部類です。布団に入る前に「強」で温めておき、寝るときに弱めると、電気代を抑えながら暖かく眠れます。
パナソニックの電気カーペット(2畳・DC-2HAC1)は、室温15℃で1時間の電気代が中で約7.1円、高で約10.1円です。2畳のうち座る面だけを暖める「暖房面積切換」がある機種なら、さらに抑えられます。下に断熱マットを敷くと、床に逃げる熱を減らせます。
ダイキンの6畳用エアコン(S226ATES)は、暖房の定格の消費電力が470Wで、1時間あたり約14.6円です。部屋が暖まるまでは定格より多くの電気を使い、暖まった後は少なくなるのがふつうです。外の気温が低いほど効率が落ちるため、寒い地域や真冬の朝は電気代が上がります。
暖房器具の電気代は、1時間の金額だけでなく「何日使うか」で決まります。当サイトで、日平均気温が14℃以下の日(暖房が必要な日の目安としてよく使われる基準)を8都市で数えました。2016〜2025年の冬の平均は、札幌が216日、東京が140日、福岡が122日、那覇は4日でした。
40年前(1976〜1985年)と比べると、どの都市でも暖房の必要な日は減っています。東京は155日から140日へ約2週間、福岡は152日から122日へ約1か月短くなりました。
| 暖房器具 | 札幌(216日) | 東京(140日) | 福岡(122日) |
|---|---|---|---|
| 電気毛布(弱) | 約907円 | 約588円 | 約512円 |
| こたつ(弱) | 約3,240円 | 約2,100円 | 約1,830円 |
| 電気カーペット2畳(中) | 約9,202円 | 約5,964円 | 約5,197円 |
| エアコン6畳用(定格) | 約18,922円 | 約12,264円 | 約10,687円 |
| 電気ストーブ(900W) | 約36,158円 | 約23,436円 | 約20,423円 |
| セラミックファンヒーター(強) | 約47,045円 | 約30,492円 | 約26,572円 |
東京でひと冬(140日)、1日6時間使うと、こたつ(弱)は約2,100円、エアコンは約12,264円、900Wの電気ストーブは約23,436円です。電気ストーブをこたつ(弱)に替えるだけで、ひと冬で約2.1万円の差になります。札幌では暖房の必要な日が東京の1.5倍あるので、同じ使い方でも電気代は1.5倍になります。
| 夏の冷房 | 冬の暖房 | |
|---|---|---|
| 外の気温(例) | 34℃ | 6℃ |
| 設定温度(例) | 28℃ | 20℃ |
| 部屋と外の温度差 | 6℃ | 14℃ |
| 4人世帯の電気代(5年平均) | 月12,171円(7〜9月払い) | 月16,016円(1〜3月払い) |
同じエアコンなら、暖房のほうが電気代は高くなりやすいです。東京電力は、夏に外が34℃で冷房を28℃にすると温度差は6℃ですが、冬に外が6℃で暖房を20℃にすると温度差は14℃になり、暖房のほうが使用量が増える傾向があると説明しています。
家計調査でも、4人世帯の電気代は冬の請求(1〜3月払い)が月16,016円で、夏の請求(7〜9月払い)の月12,171円より約3,800円高くなっていました(2021〜2025年の5年平均)。冬は照明を使う時間が長いことも影響していると考えられます。
電気代だけでなく、安全にも気をつけてください。電気ストーブは、布団や洗濯物などの燃えやすい物が触れると火災につながります。製品評価技術基盤機構(NITE)は、電気ストーブの事故を再現した映像を公開しています。
NITE official『【事故再現】電気ストーブ「9.可燃物接触(事故につながるNG4選)」』(2025年10月公開)。電気ストーブに燃えやすい物が触れて起きる事故を、NITE(製品評価技術基盤機構)が再現した映像です。
灯油やガスの暖房と比べたいときは、灯油ストーブとエアコンはどっちが安い?で、1時間の暖房費を比べています。
A. 弱で1時間約0.7円の電気毛布なら、8時間で約5.6円、1か月(30日)で約168円です(アイリスオーヤマ EHB-1813の公表値から計算)。強にするとこれより高くなります。
A. 1時間の電気代は、こたつ(弱)が約2.5円、6畳用のエアコンが約14.6円で、こたつのほうが安くなります。ただし、こたつは足元しか暖まらないので、部屋が寒すぎるときはエアコンの設定温度を低めにして組み合わせるのがおすすめです。
A. 電気をそのまま熱に変える、消費電力の大きい器具です。セラミックファンヒーター(強で1時間約36.3円)や、900Wの電気ストーブ(約27.9円)は、長時間使うと電気代がかさみます。
A. 「消費電力(W)÷1,000×使った時間×1kWhの単価」です。単価は契約している電力会社の明細で確かめられます。当サイトのくらしの計算機でも、電気代を計算できます。
8都市の冬の寒さは冬の寒さカウンター、電気代の毎月の動きは光熱費ウォッチで確かめられます。
この記事の情報は2026年10月4日時点のものです。主な出典: 各メーカーの製品仕様(アイリスオーヤマ、山善、パナソニック、ダイキン、デロンギ)、全国家庭電気製品公正取引協議会「新電力料金目安単価」(31円/kWh)、東京電力エナジーパートナー「いつもと変わらない使い方をしているのに使用量が増えたのはなぜか」、気象庁の観測データ、総務省統計局「家計調査」、製品評価技術基盤機構(NITE)。特定の製品をすすめるものではありません。電気代は使い方・部屋の広さ・外の気温・契約で変わります。