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灯油とエアコン、
どっちが安い?
同じ熱を1時間出すと、エアコン約25円・灯油ファンヒーター約47円
エネルギー解説

灯油ストーブとエアコンはどっちが安い?ガスも含めて1時間の暖房費を比較

公開 2026.10.02読了 約15分
こんな疑問を持つ方へ
・灯油のストーブ・ファンヒーターとエアコン、暖房代はどっちが安い?
・都市ガスやプロパンガスの暖房と比べるとどうなる?
・寒い地域や真冬でも、エアコンのほうが安いの?
・灯油が前より高くなった気がする。電気やガスと比べてどれくらい上がった?

同じ量の熱を出すなら、エアコンのほうが灯油ストーブ・ファンヒーターより安い計算です。9畳ほどの部屋を暖める熱を1時間出す費用は、エアコンが約25円、灯油ファンヒーターが約47円でした。この記事では、当サイトの灯油価格ウォッチの価格(2026年9月28日調査)と、メーカーが公表している性能、電気・ガスの公的な単価を使って計算しました。寒さでエアコンが不利になる目安や、ガス暖房との比較もまとめます。

灯油ストーブとエアコンはどっちが安い?同じ熱を1時間出すと約2倍の差

9畳ほどの部屋を暖める熱(3.2kW)を1時間出すのにかかるお金
0円20円40円60円80円100円エアコン(8〜10畳用)約25円都市ガスファンヒーター約46円灯油ファンヒーター約47円(うち電気代3円)LPガスファンヒーター約83円9畳ほどの部屋を暖める熱(3.2kW)を1時間出すのにかかるお金(2026年9〜10月の単価で計算)
当サイト計算。灯油は全国平均の店頭価格18L 2,538円(資源エネルギー庁、2026年9月28日調査)、電気は全国家庭電気製品公正取引協議会の目安単価31円/kWh、都市ガスは東京ガスの2026年11月検針分の単位料金(料金表B)176.09円/m3、LPガスは石油情報センターの全国平均(2026年8月)。機器の性能はダイキン工業・ダイニチ工業・リンナイの公表値

比べやすくするため、どの暖房器具も「9畳用の灯油ファンヒーターの強火と同じ3.2kWの熱を1時間出す」として計算しました。エアコンは約25円、灯油ファンヒーターは約47円で、エアコンが半分ほどで済みます。都市ガスのファンヒーターは灯油とほぼ同じ約46円、LPガス(プロパンガス)は約83円でした。

エアコンが安いのは、電気で直接温めるのではなく、外の空気の熱をくみ上げて部屋に運ぶ仕組みだからです。ダイキン工業の8〜10畳用(2026年モデル)は、890Wの電気で3.6kWの熱を出します。使った電気の約4倍の熱が出る計算です。この倍率を「COP(エネルギー消費効率)」といいます。

ダイキン工業【公式】「エアコンの「暖めるしくみ」がわかれば、賢く使える【ダイキン】」(2023年11月公開)。エアコンが外の空気の熱を集めて部屋に運ぶしくみ(ヒートポンプ)をメーカーが解説しています。

灯油と電気はどっちが安い?1kWhの熱の値段で比べる

1kWhの熱をつくる値段(2026年9〜10月の単価で計算)
暖房器具使う単価1kWhの熱の値段3.2kWを1時間
エアコン(8〜10畳用・COP約4.0)電気 31円/kWh約7.7円約25円
対流型の石油ストーブ(電気を使わない)灯油 約141円/L約13.7円約44円
灯油ファンヒーター(電気代を含む)灯油 約141円/L約14.7円約47円
都市ガスファンヒーター(電気代を含む)都市ガス 176.09円/m3約14.2円約46円
LPガスファンヒーターLPガス 約730円/m3約25.8円約83円
電気ストーブ・オイルヒーター電気 31円/kWh31円約99円
灯油1Lで出る熱は、ダイニチ工業 FW-3226NC の仕様(3.20kWで1時間0.311L)から約10.3kWh。都市ガスは1m3が45MJ(12.5kWh)、LPガスは1m3が約102MJ(約28.3kWh・日本LPガス協会の資料)。部屋の中で燃やす開放式の器具は、燃料の熱がそのまま部屋に出るとして計算。LPガスの1m3あたりは、石油情報センターの全国平均で10m3と20m3の料金の差を10で割った値

熱1kWhあたりで見ると、灯油は約14円、エアコンは約8円です。電気ストーブやオイルヒーターは、1kWhの電気から1kWhの熱しか出ないため、31円と最も高くなります。「電気の暖房は高い」というイメージは、この電熱式の器具にはあてはまりますが、エアコンにはあてはまりません。

エアコンが灯油より高くなるのはどんなとき?目安は「効率が約2.1倍を切ったとき」

エアコンの効率(COP)ごとの暖房費(3.2kWの熱を1時間出す場合)
エアコンの効率(COP)1kWhの熱の値段3.2kWを1時間灯油ファンヒーターと比べて
4(暖かい日・新しい機種)約7.8円約25円約22円安い
3約10.3円約33円約14円安い
約2.1(ここで並ぶ)約14.7円約47円ほぼ同じ
2(とても寒い日など)約15.5円約50円約3円高い
電気31円/kWh、灯油18L 2,538円で当サイト計算。灯油ファンヒーターは3.2kW・強火で1時間約47円(電気代を含む)

エアコンの効率は、外の気温が下がるほど落ちます。カタログのCOPは外気温7℃のときの値で、氷点下の朝はそれより低くなります。電気31円・灯油18L 2,538円の単価では、エアコンのCOPが約2.1を下回ると、灯油ファンヒーターのほうが安くなる計算です。

寒い日はもうひとつ不利な点があります。室外機に霜がつくと、エアコンは暖房を止めて霜を取る運転をします(ダイキン工業の仕様ページの注記)。その間は部屋が暖まりません。一方、灯油ファンヒーターは点火から数十秒で温風が出て、外の寒さにかかわらず同じ熱を出せます。

SHARPsupport「【エアコン】霜取り運転について:シャープ」(2019年12月公開)。冬に室外機につく霜を溶かすため、エアコンが暖房を止める「霜取り運転」をメーカーが解説しています。

北海道では灯油暖房とエアコン、どっちが安い?

札幌では2025〜26年の冬に、1日中0℃未満の「真冬日」が33日、最低気温は−12.3℃(2026年1月26日)でした。こうした日は、ふつうのエアコンでは効率が大きく落ち、暖房の力も足りなくなりやすくなります。札幌市の二人以上の世帯は、2025年に灯油を1年で708L(86,812円)買っていました(総務省「家計調査」)。寒冷地向けのエアコンもありますが、北海道では灯油が暖房の中心になっています。

灯油ストーブ・ファンヒーターの電気代はいくら?

灯油ファンヒーター(9畳用)の電気代
運転のようす消費電力1時間の電気代1シーズン(1,900時間)
強火で燃えているとき98W約3.0円約5,800円
弱火で燃えているとき52W約1.6円約3,100円
点火するとき(約35秒)370W700回で約2.5kWh(約80円)
対流型の石油ストーブ0W0円0円(電池で点火)
消費電力はダイニチ工業 FW-3226NC の仕様。電気代は31円/kWhで計算。1シーズンの燃焼時間1,900時間・点火700回は、コロナの資料にある日本ガス石油機器工業会の自主基準の想定

石油ファンヒーターは、温風を送るファンと点火のために電気を使います。9畳用で燃えているあいだは52〜98Wで、1時間の電気代は約1.6〜3.0円です。灯油代(強火で1時間約44円)と比べると小さく、灯油代の1割に届きません。

メーカーが想定する1シーズン1,900時間で計算すると、電気代は約3,100〜5,800円です。対流型の石油ストーブは電気を使わず、停電のときも使えます。

灯油とガス(都市ガス・プロパン)はどっちが安い?

ガスの単価と、灯油と比べた暖房費
燃料単価の例1kWhの熱灯油ファンヒーターと比べて
灯油18L 2,538円(全国平均)約14.7円—
都市ガス(東京ガス)1m3 176.09円(料金表B)約14.2円ほぼ同じ
LPガス(全国平均)10m3 9,822円・20m3 17,118円約25.8円約1.8倍
LPガス(北海道)10m3 11,663円——
LPガス(関東)10m3 9,238円——
都市ガスは東京ガス「原料費調整制度に基づく2026年11月検針分のガス料金について」(東京地区等)。LPガスは石油情報センター「LPガス価格調査」(2026年8月末調査・基本料金を含む料金)。熱の値段は電気代を含めて当サイト計算

都市ガスのファンヒーターは、東京ガスの2026年11月検針分の単価で、熱1kWhあたり約14.2円でした。灯油ファンヒーター(約14.7円)とほぼ同じです。都市ガスの料金は会社や地域、使う量の区分で変わるので、検針票の「単位料金」で確かめてください。

LPガス(プロパンガス)は、石油情報センターの全国平均で10m3が9,822円、20m3が17,118円でした。使う量が10m3増えると約7,300円増える計算で、熱1kWhあたりは約25.8円です。灯油の約1.8倍で、暖房に使うと割高になりやすい燃料です。

【データ】灯油は5年で約1.5倍、電気代は約1.1倍:8都市の値上がり

8都市の灯油・電気代・都市ガス代の値上がり率(2021年6月→2026年6月)
+0%+10%+20%+30%+40%+50%+60%+70%札幌灯油 +54.9%+14.3%+19.1%仙台灯油 +65.5%+8.3%+19.9%東京灯油 +47.3%+13.2%+23.2%名古屋灯油 +45.8%+15.0%+19.3%大阪灯油 +52.1%+3.3%+20.9%広島灯油 +45.5%+6.5%+16.1%福岡灯油 +59.9%+5.8%+15.4%那覇灯油 +48.7%+13.1%+17.0%灯油(店頭18L)電気代都市ガス代2021年6月から2026年6月までの値上がり率(8都市・総務省「小売物価統計調査」)
出典: 総務省統計局「小売物価統計調査」から当サイトの光熱費データで集計。電気代・都市ガス代は標準的な使用量での月額、灯油は店頭18L。2026年7〜9月使用分は国の値引きがあるため、値引きのない6月どうしで比べた(図は執筆時点で固定)

当サイトは、総務省の小売物価統計調査から8都市の光熱費を毎月集めています。2021年6月と2026年6月を比べると、灯油(18L)は8都市すべてで45〜66%上がりました。いちばん大きいのは仙台の+65.5%(1,500円→2,483円)です。

同じ5年で、電気代(標準的な使用量の月額)は+3〜15%、都市ガス代は+15〜23%でした。8都市の平均では、灯油が+52.5%、電気代が+9.9%です。灯油の値上がりが電気よりずっと大きかったため、エアコンとの差が広がりました。

5年前の2021年6月なら、東京の灯油は18L 1,794円で、熱1kWhあたりは燃料代だけで約9.7円でした。2026年6月の2,643円では約14.3円になります。灯油の値段の推移は灯油価格ウォッチで1990年から見られます。

安く暖まるための使い分け:5つのポイント

暖房器具の使い分けチェックリスト
  • 長い時間、部屋全体を暖めるならエアコン:熱1kWhあたりの値段は灯油の約半分(COP約4のとき)
  • 朝いちばんや帰宅直後など、すぐ暖まりたいときは灯油ファンヒーター:外の寒さで力が落ちず、数十秒で温風が出る
  • とても寒い日はエアコンだけに頼らない:効率が約2.1倍を切ると灯油のほうが安くなる。霜取り運転のあいだは暖房が止まる
  • 電気ストーブ・オイルヒーターは足元や短い時間に:熱1kWhあたり31円で、部屋全体を暖めると高くつく
  • 自分の家の単価で計算し直す:電気は検針票の電力量料金(燃料費調整を含む)、灯油は18Lの値段÷18で1Lあたりを出す

自分の家で計算するときは、エアコンは「電気の単価÷COP」、灯油は「1Lの値段÷約10.3」で、熱1kWhあたりの値段が出ます。たとえば電気が1kWhあたり40円の家なら、COP4のエアコンは10円です。灯油は18L 2,538円なら燃料代だけで約13.7円です。電気が高い家ほど、灯油との差は小さくなります。

ポイント:灯油やガスのファンヒーター・ストーブは、部屋の空気を使って燃えます。メーカーの取扱説明書では、1時間に1〜2回(1〜2分)窓を開けて換気するよう案内しています。換気で逃げる熱も、暖房費に含めて考えておきましょう。

よくある質問

Q1. エアコンのひと冬の電気代はどれくらい?

A. ダイキン工業の8〜10畳用(2026年モデル)では、メーカーが日本産業規格の条件で計算した暖房期間の消費電力量が640kWhです。31円/kWhなら約19,800円になります。実際は住まいの地域や断熱、使い方で変わります。

Q2. 灯油ストーブとファンヒーター、どっちが安い?

A. 灯油1Lから出る熱はほぼ同じなので、熱あたりの燃料代は変わりません。ファンヒーターは電気代が1時間1.6〜3.0円かかる一方、温度を自動で調節するので燃やしすぎを防げます。対流型ストーブは電気代がかからず、停電時も使えます。

Q3. 国の補助金で比べ方は変わる?

A. 補助のある月は電気・ガスの単価が下がります。2026年1〜2月使用分は電気1kWhあたり4.5円、都市ガス1m3あたり18円の値引きがありました(3月使用分は1.5円と6円)。灯油の店頭価格は資源エネルギー庁の週次調査で確かめられます。

Q4. ガス代とまとめて安くなるプランだと?

A. 電気とガスのセット割など、契約によって実際の単価は変わります。検針票や料金明細の「1kWhあたり」「1m3あたり」の単価を使って、この記事の式で計算し直すのが確実です。

Q5. 灯油の値段は下がる?

A. この記事では値段の予想はしていません。灯油の店頭価格は毎週水曜に公表される資源エネルギー庁の調査で動きが分かります。当サイトの灯油価格ウォッチで、最新の値段と1年前・5年前との差を確かめられます。

まとめ:同じ熱ならエアコンが安い。ただし真冬は灯油に分がある日も

  • 9畳ほどを暖める熱を1時間出す費用は、エアコン約25円、灯油ファンヒーター約47円、都市ガス約46円、LPガス約83円
  • 熱1kWhあたりでは、エアコン約7.7円(COP約4)、灯油約14.7円、電気ストーブ31円
  • エアコンの効率が約2.1倍を切ると灯油のほうが安い。寒い朝や霜取り運転のときはエアコンが不利
  • 灯油ファンヒーターの電気代は1時間約1.6〜3.0円。対流型ストーブは0円
  • 2021年6月→2026年6月で、灯油は8都市で45〜66%、電気代は3〜15%の値上がり

灯油の最新の値段は灯油価格ウォッチ、8都市の電気代・ガス代は光熱費データで確かめられます。

くらたのひとこと:灯油が5年で1.5倍になって、エアコンとの差が開いていたんだね。でも寒い朝のすぐ暖まる力は灯油ならでは。うちの検針票の単価で計算して、使い分けてみよう。

この記事の情報は2026年10月2日時点のものです。主な出典: 資源エネルギー庁「石油製品価格調査」(2026年9月28日調査)、全国家庭電気製品公正取引協議会「電力料金の目安単価」、東京ガス「原料費調整制度に基づく2026年11月検針分のガス料金について」、石油情報センター「LPガス価格調査」、総務省統計局「小売物価統計調査」「家計調査」、気象庁「過去の気象データ」、東京電力エナジーパートナー「電気・ガス料金支援の実施に伴う特別措置の認可申請について」、ダイキン工業・ダイニチ工業・リンナイ・コロナの製品情報。金額は公表値から当サイトが計算した目安で、実際の費用は契約・機種・住まい・外の気温で変わります。価格の予想や、特定の製品・契約をすすめるものではありません。

タグ: 灯油エアコン暖房電気代ガス代光熱費

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