暖冬の冬は雪が少なくなりやすいものの、大雪がなくなるわけではありません。暖冬は12〜2月の3か月の平均気温で決まるので、その間に強い寒波が来れば、短い期間にまとまった雪が降ります。この記事では、当サイトの冬の寒さカウンターと積雪ウォッチが集めている気象庁の毎日のデータから、札幌・仙台・東京の50冬で暖冬と雪の量の関係を確かめ、暖冬なのに大雪になる理由を気象庁の分析とあわせて整理します。
暖冬の冬の降雪量は、東京で平年の約3割、仙台で約7割でした。寒冬の冬は東京で約1.9倍、仙台で約1.5倍なので、太平洋側の都市ほど冬の暖かさで雪の量が大きく変わります。東京の平年の降雪量は12〜2月の合計で8cmほどなので、暖冬の冬は平均で3cmに満たない計算です。
一方、札幌は暖冬の冬でも平年の約9割の雪が降っていて、寒冬との差は13ポイントほどしかありません。札幌は暖冬の冬でも平均気温が0℃を下回るので、雪雲が来れば雨ではなく雪になります。北海道では「暖冬だから雪は少ない」とは言いにくいことが、データからも分かります。
| 理由 | 中身 | 雪が増えやすい場所 |
|---|---|---|
| 1. 暖冬は3か月の平均 | 暖かい時期が長くても、強い寒波が数日来ると、その間にドカ雪になる。日本海寒帯気団収束帯(JPCZ)がかかると局地的に雪が強まる | 北海道・東北・北陸・山陰の日本海側 |
| 2. 海が暖かいと水蒸気が多い | 日本海の海面水温が高いと、寒気が来たときに海から多くの水蒸気が出て雪雲が発達しやすい | 気温の低い内陸や山地 |
| 3. 関東の雪は南岸低気圧 | 本州の南を進む低気圧が、冷たい空気が残る関東に雪を降らせる。冬型の寒さとは別の仕組み | 関東など太平洋側 |
暖冬は12〜2月の平均で決まるので、暖かい日が多くても、数日だけ強い寒気が流れ込めば大雪になります。日本海側の大雪をもたらすのが日本海寒帯気団収束帯(JPCZ)です。気象庁によると、冬の季節風が朝鮮半島北部の山を迂回したあと日本海で合流してできる、長さ1,000kmほどの雪雲の帯で、これが同じ場所にかかり続けると局地的に雪が強まります。
気象庁の異常気象分析検討会は、暖冬だった2025〜26年の冬のうち、2026年1月下旬から2月上旬の大雪について、北極からの強い寒気の南下とJPCZに加え、青森県沖の日本海の海面水温が高かったことも東北北部の大雪の一因と分析しています。青森市では40年ぶりの積雪の深さになりました。文部科学省の研究チームの速報的な評価では、地球温暖化によって2026年1月の日本海側の降雪量が、北海道から新潟県にかけて約7%増えたとされています。
東京など関東の平野部に雪を降らせるのは、多くの場合、本州の南の海上を進む南岸低気圧です。冬型の気圧配置による日本海側の雪とは仕組みが違うので、暖冬の冬でも条件がそろえば雪が積もります。気象庁の統計では、エルニーニョ現象が起きている冬は東日本の太平洋側で降水量が多い傾向があり、気温が0℃前後なら雪、少し高ければ雨になります。
| 都市 | 冬 | 平均気温の平年差 | 12〜2月の降雪量 | 目立った雪 |
|---|---|---|---|---|
| 札幌 | 2025〜26年 | +0.7℃(暖冬) | 455cm(平年の約1.2倍) | 1月25日に1日48cm、積雪112cm |
| 札幌 | 2006〜07年 | +1.0℃(暖冬) | 423cm(平年の約1.1倍) | − |
| 札幌 | 1990〜91年 | +1.6℃(暖冬) | 548cm(平年の約1.4倍) | 最深積雪125cm |
| 東京 | 2023〜24年 | +1.1℃(暖冬) | 9cm(平年の約1.1倍) | 2月5日に9cm、積雪8cm |
札幌の2025〜26年の冬は、8都市すべてで暖冬になった冬でしたが、札幌の12〜2月の降雪量は455cmで平年の約1.2倍でした。2026年1月25日には1日で48cmの雪が降り、積雪は112cmに達しました。北海道新聞などによると、札幌で積雪が1mを超えたのは4年ぶりで、24時間の降雪量は54cmと1月として最も多くなり、石狩湾にできた小さな低気圧が雪雲を次々に送り込んだとされています。
STVニュース北海道「【解説】なぜ?札幌で記録的大雪 1月史上最大降雪54センチ あす朝の雪かきは不要?金曜日からまた…」(2026年1月公開)。札幌で1月として最も多い54センチの降雪になった記録的な大雪の理由を解説するニュースです。
東京では、暖冬だった2023〜24年の冬の2024年2月5日に9cmの雪が降り、8cm積もりました。東京の暖冬の冬の降雪量は平均で平年の約3割ですが、南岸低気圧が通った日に1日で冬の平年分の雪が降ることがあります。札幌の毎日の積雪は積雪ウォッチで確かめられます。
| 冬 | 日本海側の降雪量 |
|---|---|
| 2019〜20年(暖冬) | 北・東日本の日本海側で、統計を取り始めて以降最も少なかった |
| 2023〜24年(暖冬) | 北日本日本海側で「かなり少なかった」、東・西日本日本海側で「少なかった」 |
| 2025〜26年(暖冬) | 北・東・西日本日本海側で「平年並」 |
| 2026〜27年(予報) | 東・西日本日本海側で「少ない」確率50%、北日本日本海側は「平年並」「少ない」がともに40% |
暖冬の冬は、スキー場の雪不足が起きやすくなります。2019〜20年の冬は北・東日本の日本海側の降雪量が統計開始以来最も少なく、2023〜24年の冬も北日本の日本海側で「かなり少なかった」と気象庁はまとめています。一方、同じ暖冬でも2025〜26年は日本海側の降雪量が平年並で、暖冬なら必ず雪不足になるわけではありません。
2026〜27年の冬は、気象庁の寒候期予報で東・西日本の日本海側の降雪量が「少ない」確率50%です。シーズン初めは滑れるコースが限られることもあるので、出かける前にスキー場の公式サイトで積雪と営業状況を確かめておくと安心です。
| 確かめること | 理由 |
|---|---|
| 住んでいる地域・行き先の初雪や初積雪の時期 | 交換の目安。暖冬でも初雪の時期が大きく変わるとは限らない |
| 朝の冷え込み(路面の凍結) | 雪が少なくても、橋の上や日陰は凍結しやすい |
| 冬用タイヤの溝・製造からの年数 | 古いタイヤはゴムが硬くなり、氷の上で止まりにくくなる |
| タイヤチェーンの用意 | 大雪のとき、冬用タイヤでもチェーンがないと通れない「チェーン規制」の区間がある |
雪の降る地域を走るなら、暖冬の予報でもスタッドレスタイヤなどの冬用タイヤは必要です。札幌のデータのとおり、北日本では暖冬の冬でも雪の量はあまり変わらず、本州でも寒波が来たときの数日の大雪や路面の凍結は避けられません。関東の平野部でも、南岸低気圧で年に数回雪が積もることがあり、雪道に慣れていない地域ほど事故や立ち往生が起きやすくなります。交換の時期の目安は初雪はいつ?47都道府県の平年日一覧で確かめられます。
A. 気象庁「日本の気候変動2025」では、日本海側の年最深積雪は1962年以降で減少傾向が現れているとしています。将来は、世界の気温上昇が大きいほど降雪量・積雪量が減る一方、本州の一部の山地では、10年に1回より稀な極端な大雪が増える可能性があると予測されています。
A. 暖冬の冬は気温が高いぶん、雪ではなく雨で降ることが増えます。2026〜27年の冬は、気象庁の寒候期予報で東日本の太平洋側・西日本・沖縄・奄美の降水量が「多い」確率50%です。
A. 降ることがあります。当サイトのデータでは、東京で暖冬だった14冬の降雪量は平均で平年の約3割ですが、2023〜24年の冬は2月5日に8cm積もりました。関東の雪は南岸低気圧の進み方で決まるので、予報をこまめに確かめてください。
A. 冬(12〜2月)の平均気温が3階級表現で「高い」冬のことです(気象庁)。何度から暖冬かは暖冬とは?何度から暖冬か、これまでの暖冬の年は暖冬だった年はいつ?でまとめています。
札幌の積雪は積雪ウォッチ、8都市の冬日・真冬日は冬の寒さカウンターで、毎日自動で更新しています。
この記事の情報は2026年10月9日時点のものです。主な出典: 気象庁「予報用語」「寒候期予報」(2026年9月18日)「2023年〜2024年の冬」「2025年〜2026年の冬(12月〜2月)の天候」「日本の気候変動2025」、気象庁 異常気象分析検討会(2020年4月14日・2026年3月3日)、北海道新聞(2026年1月25日)、気象庁の日別の気象データ(当サイトで集計)。当サイトの平均気温は日最高と日最低の平均で計算しています。季節予報は確率で示される見通しで、天候を約束するものではありません。