暖冬とは、冬(12〜2月)の平均気温が、平年と比べて「高い」に入る冬のことです。気象庁は過去30年の冬を気温の順に3等分し、いちばん暖かい3分の1の範囲を「高い」としているので、暖冬は「30年のうち10回くらい起きる暖かさ」の冬といえます。この記事では、気象庁の用語の定義を整理し、当サイトの冬の寒さカウンターが集めている8都市・50冬の気温データから、何度から暖冬になるのかを計算します。
| 言葉(読み方) | 気象庁の定義 |
|---|---|
| 暖冬(だんとう) | 冬(12〜2月)の平均気温が3階級表現で「高い」冬 |
| 寒冬(かんとう) | 冬(12〜2月)の平均気温が3階級表現で「低い」冬 |
| 暑夏(しょか) | 夏(6〜8月)の平均気温が3階級表現で「高い」夏 |
| 冷夏(れいか) | 夏(6〜8月)の平均気温が3階級表現で「低い」夏 |
気象庁の予報用語では、暖冬は「冬(12〜2月)の平均気温が3階級表現で『高い』冬」と決められています。ここでいう3階級表現は、平年値と同じ30年間(2026年時点では1991〜2020年)の値を小さい順に並べ、10年ずつ「低い」「平年並」「高い」に分ける方法です。気象庁の季節予報や「冬の天候」のまとめも、この3つの言葉で書かれています。
さらに、30年のうち上位10%に入るほど暖かいときは「かなり高い」と表します。ニュースで「記録的な暖冬」と言われる冬の多くは、この「かなり高い」の冬です。
気象庁の季節の区分では、冬は12月・1月・2月です。暖冬かどうかは3か月の平均で決まるので、12月が暖かくても1月に強い寒波が来れば平年並になることがあり、逆に寒い日が何日かあっても3か月の平均が高ければ暖冬になります。
当サイトのデータで、東京の1991〜2020年の30冬を気象庁と同じ考え方で3等分すると、暖冬になる境目は平年より約0.3℃高いところでした。寒冬の境目も平年より約0.2℃低いところで、平年並の幅は0.6℃ほどしかありません。「暖冬」と聞くと大幅に暖かい冬を思い浮かべますが、基準のうえでは平年よりわずかに暖かいだけで暖冬になります。
| 都市 | 暖冬になる境目 | 寒冬になる境目 | 2025〜26年の冬 |
|---|---|---|---|
| 札幌 | +0.5℃ | −0.5℃ | +0.7℃(暖冬) |
| 仙台 | +0.4℃ | −0.3℃ | +1.1℃(暖冬) |
| 東京 | +0.3℃ | −0.2℃ | +0.4℃(暖冬) |
| 名古屋 | +0.3℃ | −0.4℃ | +1.0℃(暖冬) |
| 大阪 | +0.4℃ | −0.3℃ | +0.9℃(暖冬) |
| 広島 | +0.4℃ | −0.3℃ | +0.9℃(暖冬) |
| 福岡 | +0.4℃ | −0.2℃ | +1.1℃(暖冬) |
| 那覇 | +0.2℃ | −0.4℃ | +0.6℃(暖冬) |
ほかの都市でも、暖冬の境目は平年より0.2〜0.5℃高いところでした。冬の気温が年ごとにあまり変わらない那覇は+0.2℃、年ごとの差が大きい札幌は+0.5℃と、都市によって少し違います。2025〜26年の冬は8都市とも境目を上回っていて、気象庁も「冬の平均気温は全国的に高かった」とまとめています。
| 都市 | 冬日 (暖冬の冬) | 冬日 (寒冬の冬) | 最低気温の平均 (暖冬→寒冬) |
|---|---|---|---|
| 札幌 | 83.4日 | 88.0日 | −4.5℃→−6.6℃ |
| 仙台 | 44.3日 | 64.7日 | 0.3℃→−1.3℃ |
| 東京 | 1.7日 | 7.8日 | 4.3℃→2.8℃ |
| 名古屋 | 12.7日 | 30.5日 | 2.9℃→1.2℃ |
| 大阪 | 1.7日 | 6.3日 | 4.6℃→3.1℃ |
| 広島 | 5.9日 | 16.6日 | 3.6℃→2.1℃ |
| 福岡 | 1.0日 | 4.4日 | 5.5℃→3.9℃ |
暖冬と寒冬の平均気温の差は1.5℃前後ですが、生活で感じる寒さは大きく変わります。東京では、朝の最低気温が0℃を下回る冬日が、暖冬の冬は平均1.7日、寒冬の冬は7.8日と4倍以上の差がありました。名古屋は12.7日と30.5日で、寒冬の冬は朝に車の窓が凍る日が2週間以上多い計算です。札幌では最高気温も0℃未満の真冬日が、暖冬の冬で平均28.0日、寒冬の冬で50.5日でした。
8都市の冬日・真冬日の毎日の数は冬の寒さカウンターで、2025〜26年の冬とそれ以前の冬を比べられます。
| 言葉 | 読み方 | 意味・使われ方 |
|---|---|---|
| 暖冬 | だんとう | 平均気温が平年より「高い」冬(気象庁の用語) |
| 寒冬 | かんとう | 暖冬の反対。平均気温が平年より「低い」冬(気象庁の用語) |
| 厳冬 | げんとう | 寒さの厳しい冬。気象庁の予報用語の定義はない |
| 暖冬傾向 | だんとうけいこう | 暖冬になりそうな見通し、暖冬が多い流れ |
| 暖冬異変 | だんとういへん | ふつうではないほど暖かい冬を強調する言い方 |
| warm winter / mild winter | − | 暖冬の英語。寒冬は cold winter |
暖冬の反対(対義語)は寒冬です。気象庁の用語では、暖冬と寒冬が対になっています。「厳冬」も寒い冬を表しますが、寒さの厳しさを強調する言葉で、気象庁の予報用語としての決まった基準はありません。「暖冬異変」は新聞などで、ふつうではない暖かさを強調するときに使われてきた言い方です。
| 地域 | 低い | 平年並 | 高い |
|---|---|---|---|
| 北日本 | 20% | 40% | 40% |
| 東日本 | 10% | 30% | 60% |
| 西日本 | 10% | 30% | 60% |
| 沖縄・奄美 | 10% | 20% | 70% |
気象庁は毎年9月に、その冬の見通しをまとめた寒候期予報を出しています。2026年9月18日の発表では、東日本と西日本で冬の平均気温が「高い」確率が60%、沖縄・奄美で70%でした。気象庁のエルニーニョ監視速報では、2026年春から続くエルニーニョ現象が冬にかけても続く見通しで、エルニーニョ現象が続く冬は日本付近が暖冬になりやすいとされています。
FNNプライムオンライン「気象庁がエルニーニョ現象発生と発表 日本に影響も(2026年06月11日)」(2026年6月公開)。気象庁がエルニーニョ現象の発生を発表したことを伝えるニュースです。
季節予報は「高い」が60%でも、残りの40%は平年並か低くなる可能性があるという意味です。冬の見通しは毎月の3か月予報で更新され、11月以降は最新の3か月予報が冬の予報になります。実際に暖冬だったかどうかは、冬が終わった3月初めに気象庁が出す「冬の天候」のまとめで確定します。これまでに暖冬だった年は暖冬だった年はいつ?過去50年の8都市ランキングでまとめています。
A. 暖冬は3か月の平均で決まるので、暖冬の冬にも強い寒波や大雪はあります。2025〜26年の冬も、気象庁のまとめでは平均気温は全国的に高かった一方、1月を中心に強い冬型の気圧配置の影響を受けやすく、日本海側を中心に大雪となった所がありました。暖冬なのに大雪になる理由は暖冬なのに大雪になるのはなぜ?でまとめています。
A. 1つの冬の暖かさには、偏西風の流れやエルニーニョ現象など、その年ごとの原因があります。気象庁は、記録的な暖冬だった2019〜20年の冬について、偏西風が北に蛇行し寒気の流れ込みが弱かったことに加え、地球温暖化にともなう気温の上昇傾向も背景にあったと分析しています。
A. 2026年時点の平年値は1991〜2020年の30年の平均です。平年値は10年ごとに新しくなり、暖かい年が増えると平年そのものが上がるため、同じ気温でも以前の基準なら暖冬だった冬が平年並になることがあります。
A. 決まった定義はなく、「暖冬になりそうな見通し」や「暖冬になりやすい流れ」を表すときに使われます。季節予報で冬の平均気温が「高い」確率が大きいとき、ニュースでは「暖冬傾向」と伝えられることが多いです。
8都市の冬日・真冬日・最低気温は冬の寒さカウンターで、初雪の平年日は初雪はいつ?47都道府県の平年日一覧で確かめられます。
この記事の情報は2026年10月9日時点のものです。主な出典: 気象庁「予報用語」「寒候期予報」(2026年9月18日)「2025年〜2026年の冬(12月〜2月)の天候」、気象庁 異常気象分析検討会(2020年4月14日)、気象庁の日別の気象データ(当サイトで集計)。当サイトの平均気温は日最高と日最低の平均で計算しており、気象庁の公表値とは少し違います。季節予報は確率で示される見通しで、天候を約束するものではありません。