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暖冬の年の夏は
冷夏?猛暑?
8都市の50年で、暖冬16回の次の夏を数えた
天気解説

暖冬の年の夏は冷夏?猛暑?エルニーニョ・温暖化など暖冬の原因と、次の夏をデータで確かめる

公開 2026.10.10読了 約17分
こんな疑問を持つ方へ
・暖冬の年の夏は冷夏になる?それとも猛暑?
・「エルニーニョの年は暖冬・冷夏」は本当?
・暖冬になる原因は?地球温暖化や黒潮大蛇行のせい?
・2026〜27年は暖冬の予報。2027年の夏はどうなる?

暖冬の年の夏は、冷夏になるとも猛暑になるとも決まっていません。当サイトの冬の寒さカウンターと猛暑日カウンターが集めている気象庁の毎日のデータで、8都市の50年を数えると、暖冬だった16回の冬の次の夏は、暑夏9回・平年並2回・冷夏5回でした。この記事では、2001年までは暖冬のあとに冷夏が多く、2002年以降は猛暑が多い理由と、エルニーニョ現象・地球温暖化など暖冬の原因を、気象庁の資料とあわせて整理します。

【データ】暖冬の年の夏は冷夏?猛暑?8都市の50年で確かめると

暖冬・平年並・寒冬の冬のあと、次の夏はどうだったか(8都市平均・50年)
暑夏平年並の夏冷夏暖冬の冬(16回)のあとの夏9回2回5回夏の8都市平均の平年差 +0.1℃平年並の冬(12回)のあとの夏4回4回4回夏の8都市平均の平年差 +0.3℃寒冬の冬(22回)のあとの夏5回5回12回夏の8都市平均の平年差 −0.4℃1977〜2026年の50年。冬も夏も8都市平均で判定
出典: 気象庁の日別の最高・最低気温を当サイトで収録し計算(札幌・仙台・東京・名古屋・大阪・広島・福岡・那覇)。冬は12〜2月、夏は同じ年の6〜8月。8都市の平年差(1991〜2020年の平均との差)の平均を、1991〜2020年の30年で3等分して、冬は暖冬・平年並・寒冬、夏は暑夏・平年並・冷夏に分けた(気象庁の3階級と同じ考え方)

8都市の50年(1977〜2026年)で、暖冬だった16回の冬の次の夏は、暑夏が9回、平年並が2回、冷夏が5回でした。寒冬の次の夏は22回のうち冷夏が12回で、平年並の冬の次の夏は暑夏・平年並・冷夏が4回ずつです。暖冬のあとの夏は暑夏がやや多いものの、冷夏も3回に1回ほどあり、「暖冬なら冷夏」とも「暖冬なら猛暑」とも言えません。

気象庁の定義では、冷夏は夏(6〜8月)の平均気温が3階級で「低い」夏、暑夏は「高い」夏です。どちらも平年の上位・下位の3分の1にあたるので、もし冬と夏に関係がなければ、どの冬のあとでも暑夏・平年並・冷夏はほぼ3分の1ずつになります。

【データ】暖冬だった16回の冬と次の夏:2001年までは冷夏、2002年以降は猛暑

暖冬だった冬と、その次の夏(8都市平均で判定)
暖冬だった冬冬の平年差次の夏夏の平年差その年の東京の猛暑日大阪の猛暑日
1978〜79年+0.3℃冷夏−0.5℃0日6日
1988〜89年+0.5℃冷夏−1.1℃0日2日
1989〜90年+0.3℃暑夏+0.5℃2日20日
1991〜92年+0.4℃冷夏−1.1℃2日3日
1992〜93年+0.6℃冷夏−2.0℃0日1日
2003〜04年+0.3℃暑夏+0.5℃6日20日
2006〜07年+1.1℃平年並−0.1℃7日16日
2008〜09年+0.8℃冷夏−0.5℃0日3日
2009〜10年+0.3℃暑夏+1.1℃13日31日
2015〜16年+0.7℃暑夏+0.4℃3日26日
2016〜17年+0.5℃暑夏+0.3℃2日15日
2018〜19年+0.8℃平年並−0.1℃12日19日
2019〜20年+1.5℃暑夏+0.5℃12日22日
2020〜21年+0.3℃暑夏+0.5℃2日15日
2023〜24年+1.4℃暑夏+1.8℃20日41日
2025〜26年+0.8℃暑夏+0.9℃12日34日
当サイトの計算(気象庁の日別値)。平年差は8都市の平均で、1991〜2020年の平均との差。夏は冬の次の6〜8月(例: 2025〜26年の冬→2026年の夏)。猛暑日は最高気温35℃以上の日で、その年1年間の日数(猛暑日カウンターと同じ数え方)

暖冬だった16回を年代で分けると、結果ははっきり変わります。2001年までの暖冬5回は、次の夏のうち4回が冷夏でした。一方、2002年以降の暖冬11回は、次の夏のうち8回が暑夏で、冷夏は2009年の1回だけです。1992〜93年の暖冬の次の1993年の夏は、8都市平均で平年より2.0℃低い記録的な冷夏で、米の不作につながりました。

これは、冬の暖かさが夏を決めているのではなく、冬も夏も同じように暖かくなってきたためです。8都市平均の平年差は、1977〜1986年の10年が冬−1.3℃・夏−0.9℃、2017〜2026年の10年が冬+0.4℃・夏+1.0℃でした。1977〜1986年ごろは冬も夏も涼しく、2017〜2026年は冬も夏も暖かいので、データを並べると「暖冬と猛暑」が重なって見えます。

ポイント:長い年月の気温の上昇の分を取り除いて比べると、冬の暖かさと次の夏の暑さの関係(相関係数)は、8都市の50年で0.01とほぼゼロでした。気象庁が公表している全国の季節の平均気温(1898〜2026年)で同じ計算をしても、ほぼゼロです。冬の暖かさから、次の夏の暑さは占えません。

2017〜2026年の10回の夏は、8都市平均で暑夏が9回、平年並が1回(2019年)で、冷夏は一度もありませんでした。冬が暖冬でも寒冬でも、夏は暑くなりやすくなっています。8都市の毎年の猛暑日の日数は猛暑日カウンターで確かめられます。

暖冬の原因は?エルニーニョ・偏西風・温暖化・黒潮大蛇行

暖冬になる主な原因
原因どう暖かくなるか例
偏西風の蛇行上空の偏西風が日本付近で北に蛇行すると、北からの寒気が流れ込みにくくなる2019〜20年の記録的な暖冬
エルニーニョ現象冬の季節風が弱まりやすい。気象庁の統計では、冬の気温は西日本で「平年並か高い」傾向2023〜24年の暖冬
地球温暖化日本の冬の平均気温は100年あたり1.26℃のペースで上昇。平年より暖かい冬が出やすくなる近年の暖冬の背景
黒潮大蛇行沿岸の海水温が上がり、関東・東海で湿度や気温が上がることがあると指摘されている。冬の暖かさとの関係ははっきりしない2017年8月〜2025年4月
出典: 気象庁 異常気象分析検討会(2020年4月14日)、気象庁「エルニーニョ現象発生時の日本の天候の特徴」「日本の季節平均気温」「黒潮大蛇行の終息について」(2025年8月29日)、ウェザーニュース(2025年5月・海洋研究開発機構の研究者の解説)をもとに当サイトで整理

偏西風の蛇行:寒気が南に下りてこない

1つの冬の暖かさを左右する大きな要因は、上空を流れる偏西風です。気象庁は、記録的な暖冬だった2019〜20年の冬について、偏西風が日本付近で北に蛇行し続けて寒気の流れ込みが弱かったことに加え、地球温暖化にともなう気温の上昇傾向も背景にあったと分析しています。

エルニーニョ現象:冬の季節風が弱まりやすい

エルニーニョ現象は、太平洋の赤道付近の日付変更線あたりから南米の沿岸にかけて、海面水温が平年より高い状態が1年ほど続く現象です。気象庁によると、起きている冬はアリューシャン低気圧が北東に偏って冬の季節風が弱まる傾向があり、冬の平均気温は西日本で「平年並か高い」傾向があります。ただし、暖冬だった2025〜26年の冬はエルニーニョ現象が起きていない冬で、暖冬はエルニーニョ現象だけで決まるわけではありません。

地球温暖化:平年より暖かい冬が出やすくなる

気象庁によると、日本の冬(12〜2月)の平均気温は、変動をくり返しながら100年あたり1.26℃のペースで上がっています。夏(6〜8月)は100年あたり1.41℃です。暖冬かどうかは1991〜2020年の平年と比べて決めるので、気温が全体に上がると、平年より暖かい冬が出やすくなります。2025〜26年の冬の全国の平均気温は平年より0.90℃高く、1898年以降で5番目の高さでした。

黒潮大蛇行:冬の暖かさとの関係ははっきりしない

黒潮大蛇行は、日本の南を流れる黒潮が紀伊半島や東海沖で大きく南に曲がって流れる状態です。気象庁によると、2017年8月に始まった大蛇行は7年9か月続き、2025年4月に終わりました。海洋研究開発機構の研究者は、大蛇行で関東・東海の沿岸に水蒸気が多く送られ、湿度と気温が上がることが分かってきたと説明しています(ウェザーニュース、2025年5月)。

黒潮大蛇行が続いた8回の冬の判定(8都市平均)
判定回数冬
暖冬4回2018〜19年・2019〜20年・2020〜21年・2023〜24年
平年並2回2022〜23年・2024〜25年
寒冬2回2017〜18年・2021〜22年
大蛇行の期間は気象庁「黒潮大蛇行の終息について」(2017年8月〜2025年4月)。判定は当サイトの計算

ただ、大蛇行が続いた8回の冬(2017〜18年〜2024〜25年)を当サイトの8都市平均で判定すると、暖冬が4回、平年並が2回、寒冬が2回でした。大蛇行の期間でも寒冬はあり、黒潮大蛇行だけで暖冬になるとは言えません。

「エルニーニョの年は暖冬・冷夏」は本当?

エルニーニョ現象が起きていた冬(13回)と、その次の夏
エルニーニョの冬冬の判定次の夏
1976〜77年寒冬冷夏
1979〜80年寒冬冷夏
1982〜83年寒冬冷夏
1986〜87年寒冬冷夏
1987〜88年寒冬冷夏
1991〜92年暖冬冷夏
1997〜98年平年並冷夏
2002〜03年寒冬冷夏
2009〜10年暖冬暑夏
2014〜15年寒冬冷夏
2015〜16年暖冬暑夏
2018〜19年暖冬平年並
2023〜24年暖冬暑夏
エルニーニョの冬は気象庁「エルニーニョ現象及びラニーニャ現象の発生期間(季節単位)」で発生期間が冬を含むもの。冬・夏の判定は当サイトの計算(8都市平均・上の図と同じ方法)

「エルニーニョの年は暖冬・冷夏」は、気象庁の統計にもとづく言い方です。気象庁によると、エルニーニョ現象が起きている夏は、平均気温が西日本で低い傾向(北・東日本は平年並か低い傾向)があり、冬は西日本で平年並か高い傾向があります。

当サイトの8都市のデータで、エルニーニョ現象が起きていた13回の冬を見ると、暖冬は5回で、寒冬のほうが7回と多くありました。次の夏は冷夏が9回ですが、そのうち8回は2003年までです。2010年以降の5回では冷夏は2015年の1回だけで、2010年・2016年・2024年は暑夏でした。エルニーニョ現象が起きても、温暖化で底上げされた2010年以降の夏は、冷夏になりにくくなっています。

日テレNEWS「【#みんなのギモン】“エルニーニョ”なのに猛暑?」(2026年6月公開)。エルニーニョ現象が起きているのに猛暑になるのはなぜか、という疑問を取り上げた解説ニュースです。

エルニーニョ現象が終わったあとの夏が暑くなることもあります。気象庁は、インド洋の熱帯の海面水温はエルニーニョ現象の発生から遅れて高くなり、現象が終わったあともしばらく高い状態が続く傾向があると説明しています。冬の時点で次の夏を決めつけないほうがよい理由の1つです。

2026〜27年の冬は暖冬予報。2027年の夏はどうなる?

2026年10月10日時点で分かっていること
項目中身
エルニーニョ現象2026年春から発生。9月の監視海域の海面水温は基準値より+4.0℃で、1949年以降で最も高かった1997年12月(+3.6℃)を超え、過去最大の強さ。冬にかけて続く見込み(100%)
インド洋の熱帯9月の海面水温は基準値より高く、冬にかけても高い状態が続くと予測
冬(12〜2月)の気温東・西日本で「高い」確率60%、沖縄・奄美70%、北日本は「平年並」「高い」ともに40%
2027年の夏の予報まだ出ていない。気象庁の暖候期予報は2027年2月22日(月)14時に発表予定
出典: 気象庁「エルニーニョ監視速報(No.409)」(2026年10月9日)、「寒候期予報」(2026年9月18日)、「季節予報の発表日(令和8年3月〜令和9年3月)」

2026〜27年の冬は、気象庁の寒候期予報で東・西日本の気温が「高い」確率60%と、暖冬の可能性が高い見通しです。背景には過去最大の強さになったエルニーニョ現象があり、気象庁の監視速報は冬にかけても続く見込みとしています。

2027年の夏については、まだ公的な予報はありません。ここまでのデータのとおり、暖冬だったからといって次の夏が冷夏や猛暑に決まるわけではなく、エルニーニョ現象が春までに終わるか、夏まで続くかでも傾向が変わります。夏の見通しは2027年2月22日の暖候期予報と、その後毎月の3か月予報で確かめるのが確実です。

ただ、2017〜2026年の10回の夏で、8都市平均の冷夏は一度もありませんでした。冬の予報が暖冬でも寒冬でも、エアコンの点検や暑さへの備えは、例年どおり早めに進めておくと安心です。どのくらいの暑さが続くかの目安は、暑さ指数ウォッチで8都市の過去の夏を確かめられます。

よくある質問

Q1. 冷夏・暑夏とは?

A. 気象庁の言葉で、冷夏は夏(6〜8月)の平均気温が3階級表現で「低い」夏、暑夏は「高い」夏です。3階級は1991〜2020年の30年の値を低い順に並べ、3分の1ずつに分けて決めます。暖冬・寒冬も同じ方法で、冬(12〜2月)の平均気温で決まります。くわしくは暖冬とは?何度から暖冬かでまとめています。

Q2. 寒冬の年の夏は冷夏になりやすい?

A. 8都市の50年では、寒冬22回の次の夏のうち冷夏は12回でした。ただし寒冬の多くは1980年代など冬も夏も涼しかった時期に集中していて、2002年以降の寒冬9回の次の夏で冷夏は2回だけです。暖冬と同じく、冬の寒さから夏は占えません。

Q3. 暖冬は地球温暖化のせい?

A. 1つの冬の暖かさには、偏西風の流れやエルニーニョ現象など、その年ごとの原因があります。一方で、日本の冬の平均気温は100年あたり1.26℃のペースで上がっていて、平年より暖かい冬が出やすくなっていることは確かです。8都市平均でも、冬の平年差は1977〜1986年の10年の−1.3℃から、2017〜2026年の10年は+0.4℃になりました。

Q4. これまでの暖冬の年はいつ?

A. この記事の表の16回が、当サイトの8都市平均で暖冬だった冬です。都市ごとのランキングや記録的な暖冬は暖冬だった年はいつ?過去50年の8都市ランキングにまとめています。

Q5. 暖冬だと次の冬の雪は少ない?

A. 暖冬の冬は雪が減りやすいものの、強い寒波が来れば大雪になります。札幌は暖冬だった2025〜26年の冬に平年の約1.2倍の雪が降りました。くわしくは暖冬なのに大雪になるのはなぜ?で確かめられます。

まとめ:暖冬かどうかで次の夏は占えない

  • 8都市の50年で、暖冬16回の次の夏は暑夏9回・平年並2回・冷夏5回。冷夏とも猛暑とも決まっていない
  • 2001年までの暖冬5回は次の夏が冷夏4回、2002年以降の暖冬11回は暑夏8回。冬も夏も暖かくなってきたため
  • 長期の気温上昇を除くと、冬の暖かさと次の夏の暑さの関係はほぼゼロ(8都市でも全国でも)
  • 暖冬の主な原因は偏西風の蛇行・エルニーニョ現象・地球温暖化。黒潮大蛇行との関係ははっきりしない
  • エルニーニョの冬13回の次の夏は冷夏9回だが、2010年以降の5回では冷夏1回だけ
  • 2027年の夏の見通しは、2027年2月22日の暖候期予報で出る

8都市の冬日・真冬日は冬の寒さカウンター、夏の猛暑日・熱帯夜は猛暑日カウンターで、毎日自動で更新しています。

くらたのひとこと:「暖冬だから夏は涼しい」は2001年ごろまでの話みたい。2017〜2026年の10年は冷夏ゼロだから、冬の予報がどうでも、夏の暑さ対策はいつもどおりにしておこう。

この記事の情報は2026年10月10日時点のものです。主な出典: 気象庁「季節予報(FAQ)」「日本の季節平均気温」「エルニーニョ現象発生時の日本の天候の特徴」「エルニーニョ現象及びラニーニャ現象の発生期間」「エルニーニョ監視速報(No.409)」(2026年10月9日)「寒候期予報」(2026年9月18日)「季節予報の発表日」「黒潮大蛇行の終息について」(2025年8月29日)、気象庁 異常気象分析検討会(2020年4月14日)、ウェザーニュース(2025年5月)、気象庁の日別の気象データ(当サイトで集計)。当サイトの平均気温は日最高と日最低の平均で計算しています。季節予報は確率で示される見通しで、天候を約束するものではありません。

タグ: 暖冬冷夏猛暑エルニーニョ気温

この記事で使ったデータ

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