オール電化の家の電気代の平均は、環境省の調査(2023年度)で月約15,000円(年180,000円・平均2.72人の世帯)でした。ガスも使う家を含めた全国の平均(月約9,200円)の約1.6倍ですが、オール電化の家はその分ガス代がかかりません。この記事では、環境省「家庭部門のCO2排出実態統計調査」の「電気だけを使っている世帯」の数字を当サイトで集計し直し、世帯人数別の平均、冬の月額の目安、ガス併用の家との比較、地方ごとの違いをまとめます。
| 世帯の形 | 平均の人数 | 電気代(年) | 電気代(月平均) | 電気の使用量(年) |
|---|---|---|---|---|
| 一人暮らし | 1人 | 115,200円 | 約9,600円 | 4,207kWh |
| 夫婦2人 | 2人 | 172,600円 | 約14,400円 | 6,683kWh |
| 夫婦と子ども | 3.75人 | 198,400円 | 約16,500円 | 7,852kWh |
| 三世代 | 5.30人 | 297,700円 | 約24,800円 | 11,250kWh |
| オール電化の家全体 | 2.72人 | 180,000円 | 約15,000円 | 6,950kWh |
環境省の調査では、電気・都市ガス・LPガス・灯油のうち電気だけを使っている世帯を分けて集計しています。ここでは、この「電気のみ」の世帯をオール電化の家として見ています。オール電化の家全体の電気代は年180,000円、月にならすと約15,000円でした。
世帯の形で分けると、一人暮らしが月約9,600円、夫婦2人が月約14,400円、夫婦と子どもの世帯(平均3.75人)が月約16,500円です。人数が増えるほど電気代は増えますが、2人から4人近くに増えても月2,000円ほどの差にとどまります。給湯や暖房は、人数が増えても家全体で使う分が大きいためと考えられます。
一人暮らしのオール電化の電気代は、年115,200円、月平均で約9,600円でした。ガスも使う一人暮らしを含めた全体の電気代の平均(年69,200円)と比べると約1.7倍です。ただし、ガス代と合わせた光熱費で比べると差は小さくなります(4つめの見出しで比べています)。集計した一人暮らしのオール電化の世帯は168世帯と少なめなので、目安として見てください。
夫婦2人のオール電化の家は、年172,600円、月平均で約14,400円でした。ガスも使う家を含めた2人世帯の電気代の平均(年111,800円)より月5,000円ほど高くなっています。
調査には「4人」という区切りがないため、夫婦と子どもの世帯(平均3.75人)を4人家族に近い目安とします。電気代は年198,400円、月平均で約16,500円でした。三世代の世帯(平均5.30人)になると、月約24,800円に増えます。
| 世帯の形 | 6月 | 8月 | 12月 | 1月 | 2月 |
|---|---|---|---|---|---|
| 一人暮らし | 約6,900円 | 約8,600円 | 約10,500円 | 約14,400円 | 約13,200円 |
| 夫婦2人 | 約9,400円 | 約12,200円 | 約16,400円 | 約23,700円 | 約21,200円 |
| 夫婦と子ども | 約11,100円 | 約14,800円 | 約18,800円 | 約26,100円 | 約24,400円 |
| 三世代 | 約16,900円 | 約23,000円 | 約28,300円 | 約39,200円 | 約36,800円 |
オール電化の家の電気代は、冬に大きく増えます。調査の月別の使用量に、その世帯の1kWhあたりの平均の金額をかけると、夫婦と子どもの世帯は6月が約11,100円、1月が約26,100円です。年間の平均(月約16,500円)だけを見ていると、冬の請求の大きさに驚くことになります。
夫婦2人の家でも、1月は約23,700円です。電気代を「平均と比べて高いかどうか」で考えるときは、年の平均ではなく、同じ月どうしで比べるのが確かです。
2023年度の使用量から見ると、夫婦と子どもの家の1月の目安は約26,100円で、3万円は1割強多い金額です。三世代の家なら1月の目安は約39,200円で、3万円は平均より少ないくらいです。北海道や東北のような寒い地域では、年間の平均でも月2万円前後になります(5つめの見出し)。冬の1〜2月に3万円なら、家族が多い家や寒い地域ではめずらしくなく、3〜4人で暖かい地域なら使い方を見直すきっかけになる金額といえます。
2023年度は、国の値引き(1kWhあたり2023年8月使用分まで7円、9月使用分から3.5円)が入っていた年です。オール電化の家の使用量に当てはめると、年に3万円あまりが値引きされていた計算になります。その後も料金の見直しや支援の再開・終了が続いたため、当サイトの光熱費ウォッチ(総務省の小売物価統計・標準的な使用量の電気代)で、2023年度と直近12か月の平均を比べました。
| 都市 | 2023年度の平均 | 2025年9月〜2026年8月の平均 | 差 |
|---|---|---|---|
| 札幌 | 16,335円 | 16,758円 | +2.6% |
| 仙台 | 13,473円 | 13,640円 | +1.2% |
| 東京都区部 | 13,520円 | 13,825円 | +2.2% |
| 名古屋 | 12,725円 | 13,110円 | +3.0% |
| 大阪 | 10,550円 | 12,026円 | +14.0% |
| 広島 | 12,748円 | 12,546円 | −1.6% |
| 福岡 | 11,002円 | 12,273円 | +11.6% |
| 那覇 | 13,842円 | 13,968円 | +0.9% |
東京・札幌・仙台・名古屋・那覇では、直近12か月の電気代は2023年度とほぼ同じ水準(差は3%以内)でした。大阪は14.0%、福岡は11.6%高くなっています。関西や九州に住んでいる人は、この記事の金額を1割ほど上乗せして見ると、2026年の感覚に近くなります。
オール電化の家の電気の使用量は、いちばん少ない6月が389kWh、いちばん多い1月が919kWhで、約2.4倍の差がありました。12月から3月までの4か月で、年間の使用量の約46%を使っています。電気と都市ガスを使う家では、いちばん多い9月でも333kWh、1月は317kWhで、季節による差は小さめです。
差が生まれるのは、オール電化の家ではお湯をわかす給湯と暖房を電気でまかなうためです。冬は水道水が冷たく、外の気温も低いため、同じ量のお湯や暖かさをつくるのにより多くの電気がいります。ガス併用の家では、冬に増える分の多くがガス代として請求されるため、電気の使用量はあまり増えません。
| 世帯の形 | オール電化 | 電気+都市ガス | 電気+LPガス | 電気+灯油 |
|---|---|---|---|---|
| 一人暮らし | 9,600円 | 8,117円 | 9,767円 | 10,975円 |
| 夫婦2人 | 14,383円 | 13,775円 | 15,825円 | 15,333円 |
| 夫婦と子ども | 16,533円 | 18,067円 | 20,433円 | 19,233円 |
| 三世代 | 24,808円 | 24,150円 | 23,817円 | 23,958円 |
光熱費(電気・ガス・灯油)の合計で比べると、オール電化がいつも高いわけではありません。夫婦と子どもの世帯では、オール電化が月16,533円で、電気と都市ガスの家(18,067円)より約1,500円、電気とLPガスの家(20,433円)より約3,900円少なくなっていました。
反対に、一人暮らしと夫婦2人では、電気と都市ガスの家の方が少し安くなっています。お湯をたくさん使う家族の多い世帯ほど、夜の安い電気でまとめてお湯をつくるエコキュートなどの効果が出やすいと考えられます。ただし、この比較は住んでいる地域や家の広さ、建てた時期の違いを含んだ平均です。同じ家でガスとオール電化を比べた数字ではない点に注意してください。
同じ調査で、オール電化の家のうち太陽光発電の電気を売っている世帯の売電の収入は、平均で年9.00万円でした。請求書の電気代とは別に入ってくるお金なので、太陽光発電のある家は、電気代から売電の収入を差し引いて考えると実際の負担に近くなります。
| 地方 | オール電化の家全体 | 平均の人数 | 2人以上の世帯 | 集計世帯数 |
|---|---|---|---|---|
| 北海道 | 23,292円 | 2.38人 | 26,158円 | 81 |
| 東北 | 19,267円 | 2.72人 | 21,000円 | 127 |
| 北陸 | 16,733円 | 2.81人 | 18,433円 | 155 |
| 関東甲信 | 16,142円 | 2.95人 | 17,767円 | 119 |
| 中国 | 16,100円 | 2.73人 | 17,300円 | 175 |
| 四国 | 13,258円 | 2.62人 | 14,475円 | 197 |
| 東海 | 13,017円 | 2.72人 | 14,967円 | 133 |
| 沖縄 | 12,958円 | 2.84人 | 14,000円 | 72 |
| 近畿 | 12,833円 | 2.45人 | 14,783円 | 109 |
| 九州 | 12,208円 | 2.72人 | 12,800円 | 150 |
オール電化の家の電気代は、北海道が月平均23,292円でいちばん高く、九州(12,208円)の約1.9倍でした。北海道は平均の人数が2.38人と少ないのに電気代が高く、冬の暖房に使う電気の多さがうかがえます。東北も月19,267円と高めです。
2人以上の世帯に限ると、北海道は月26,158円です。これは1年をならした平均なので、冬の請求はさらに大きくなります。寒い地域のオール電化の家では、冬に月3万円を超えることもめずらしくないと考えられます。
STVニュース北海道「【深夜に料理や洗濯】電気代11万円のオール電化住宅 背景に北海道の電力事情」(2023年2月公開)。北海道で1か月の電気代が11万円になったオール電化の家と、その背景にある北海道の電力事情を伝えるニュースです(2023年2月の放送時点の情報)。
地域の差には、気温のほかに電力会社ごとの料金の違いも含まれます。自分の地域の電気代の毎月の動きは、光熱費ウォッチで8都市の数字を確かめられます。
| 理由 | 中身 |
|---|---|
| 給湯も暖房も電気 | ガス併用の家ではガス代になる分も、すべて電気代として請求される。年間の使用量はガス併用の家の約2倍 |
| 冬に使用量が増える | 外の気温と水道水の温度が下がり、お湯や暖房をつくる電気が増える。1月は6月の約2.4倍 |
| 昼間の単価が高い | オール電化向けのプランは、夜が安い代わりに昼が高い。東京電力のスマートライフSは昼35.76円・夜27.86円(1kWhあたり) |
| 昼のお湯の沸き増し | お湯が足りず昼間に沸き増しすると、高い単価の時間帯に電気を使う |
| 料金の見直し・支援の終了 | 燃料費調整・再エネ賦課金(2026年5月分から4.18円/kWh)は使用量に比例するため、使用量の多い家ほど影響が大きい |
オール電化の電気代が高く見える一番の理由は、ガス代にあたる分も電気代に含まれていることです。調査では、オール電化の家は年6,950kWh、電気と都市ガスを使う家は年3,229kWhで、使用量は約2.2倍でした。電気代だけをガス併用の家と比べると、高く見えるのは自然なことです。
オール電化向けのプランは、夜の単価が安く、昼の単価が高い仕組みのものが多くあります。東京電力のスマートライフSでは、午前1時〜6時が1kWhあたり27.86円、それ以外の時間が35.76円です。在宅の時間が長く、昼に暖房や洗濯乾燥機を多く使う家では、安い時間帯の恩恵を受けにくくなります。また、使用量が多い分、1kWhあたりの燃料費調整や再エネ賦課金が上がったときの影響も大きくなります。
最初に見るのは、金額ではなく使用量(kWh)です。前の年の同じ月と使用量が変わらないのに金額が上がっているなら、単価(燃料費調整・再エネ賦課金・支援の有無)の影響で、家の使い方の問題ではありません。使用量が増えているなら、暖房・給湯・使う時間帯の順に原因を探すと絞り込みやすくなります。
プランの見直しを考えるときは、電力会社のWebサービスで、時間帯ごとの使用量を確かめてからにしましょう。昼に使う電気が多い家と、夜に多い家とでは、有利なプランが変わります。
A. 総務省の家計調査の電気代は、ガスを使う家も含めた平均です。オール電化の家だけの平均を国の統計で見るなら、この記事で使った環境省「家庭部門のCO2排出実態統計調査」の「電気のみを使用」の世帯の数字が目安になります。電力会社が自社の契約者の実績を公表していることもあります。
A. ガスの基本料金はかかりませんが、光熱費の合計で見ると、一人暮らしや夫婦2人では電気と都市ガスの家の方が少し安く、夫婦と子どもの世帯ではオール電化の方が安い、という結果でした(4つめの見出し)。家族の人数とお湯の使い方で、どちらが有利かは変わります。
A. 2023年度の平均では、三世代の家の1月の目安でも約39,200円でした。寒い地域で家族が多い家なら冬に5万円近くになることもありえますが、そうでなければ、設備の故障や使い方に大きな変化がないか、電力会社に使用量の内訳を問い合わせてみるとよいでしょう。電気代が急に上がったときの原因は電気代2万円は高い?でも整理しています。
A. 夏も冷房で使用量は増えますが、冬ほどではありません。オール電化の家の使用量は、8月が514kWh、1月が919kWhでした。夏は水道水の温度が高く、お湯をつくる電気が少なくて済むことも理由です。
A. 暖房器具ごとの1時間あたりの費用は、灯油ストーブとエアコンはどっちが安い?と電気代が安い暖房器具で計算しています。
世帯人数別の電気代の平均(ガス併用の家も含む)は電気代の平均はいくら?、8都市の電気代の毎月の動きは光熱費ウォッチで確かめられます。
この記事の情報は2026年10月5日時点のものです。主な出典: 環境省「令和5年度 家庭部門のCO2排出実態統計調査」(e-Stat・全国/地方の年間エネルギー種別支払金額・月別エネルギー種別エネルギー消費量)、総務省統計局「小売物価統計調査」(当サイト「光熱費ウォッチ」)、東京電力エナジーパートナー「スマートライフS」料金単価、資源エネルギー庁「電気・ガス価格激変緩和対策事業」、関西電力「再生可能エネルギー発電促進賦課金単価について」。金額は調査の平均と、そこから計算した目安です。電気料金の先行きを予想したり、特定の電力会社・プラン・設備をすすめたりするものではありません。