本文へスキップ
くらしデータ数字で見る、毎日のくらし
ホーム›記事›エネルギー
灯油と軽油、
何がちがう?
色・燃えやすさ・税金が違う。値段の差は2026年に18円台へ
エネルギー解説

灯油と軽油の違いは?ガソリンとの違い・見分け方・引火点と値段の差

公開 2026.10.02読了 約14分
こんな疑問を持つ方へ
・灯油と軽油、ガソリン、重油はどう違う? そもそも灯油とは?
・灯油と軽油はどうやって見分ける? 入れ間違えたらどうなる?
・灯油で車は走る? 引火点や発火点はどれくらい?
・灯油と軽油の値段はどれくらい違う? なぜ軽油のほうが高い?

灯油と軽油は、どちらも原油からつくられる燃料ですが、使い道と色、税金が違います。灯油はストーブなどの暖房用で無色透明、軽油はディーゼル車などの燃料で淡い黄色です。火のつきやすさを示す引火点は、灯油が40℃以上、軽油が45℃以上で、ガソリン(−40℃以下)よりずっと高くなっています。この記事では、消防局や石油会社の資料をもとに4つの燃料を比べ、当サイトのガソリン・軽油・灯油の価格データで値段の差の移り変わりも調べました。

灯油と軽油の違いは?使い道・色・燃えやすさを一覧で比べる

灯油・軽油・ガソリン・A重油の違い
項目灯油軽油ガソリンA重油
主な使い道ストーブ・給湯器ディーゼル車・トラックガソリン車・バイクボイラー・船・農業用
色無色透明淡黄色オレンジ色淡褐色など
引火点40℃以上45℃以上−40℃以下60℃以上
消防法の区分第2石油類第2石油類第1石油類第3石油類
指定数量1,000L1,000L200L2,000L
密度(15℃)0.76〜0.830.80〜0.86—0.82〜0.90
1Lの値段約141円159.5円170.2円—
出典: 札幌市消防局「ガソリンや灯油、軽油の取扱いに注意しましょう」、千葉市消防局(指定数量)、ENEOS「安全データシート」(灯油・軽油・A重油の引火点・色・密度。単位はg/cm3)。値段は資源エネルギー庁「石油製品価格調査」(2026年9月28日調査・全国平均。灯油は店頭18L 2,538円を18で割った値・レギュラーガソリン)

いちばん大きな違いは使い道です。灯油は石油ストーブやファンヒーター、給湯器の燃料で、軽油はトラックやバスなどディーゼルエンジンの燃料です。見た目も違い、灯油は無色透明、軽油は淡い黄色、ガソリンはオレンジ色をしています(札幌市消防局)。

燃えやすさは、灯油と軽油でほぼ同じです。消防法ではどちらも「第2石油類」に分けられ、家に置ける量の目安になる指定数量も同じ1,000Lです。これに対してガソリンは「第1石油類」で、指定数量は5分の1の200Lと厳しく決められています。

灯油とは?

灯油は、原油を加熱して成分ごとに分ける「蒸留」でとり出される石油製品のひとつです。ENEOSの安全データシートでは、灯油の沸点の範囲は140〜310℃、軽油は140〜400℃とされています。軽油のほうが、より重い成分まで含んでいます。

灯油と重油の違いは?

重油は、灯油や軽油よりさらに重い成分を含む燃料で、工場のボイラーや船、ビニールハウスの暖房などに使われます。家庭向けに売られることはほとんどありません。A重油の引火点は60℃以上(ENEOSの安全データシート)で、消防法の区分は「第3石油類」、指定数量は2,000Lです。

灯油と白灯油の違いは?

「白灯油」は、家庭の暖房に使う灯油のことです。JIS(日本産業規格)の「1号灯油」が無色透明なので、こう呼ばれています。ストーブなどのメーカーは「JIS1号灯油を必ず使う」よう案内しています(シャープ)。ガソリンスタンドなどで家庭用として売られている灯油は、ふつうこの1号灯油です。

灯油とガソリンの違いは?最大の違いは「火のつきやすさ」

引火点と発火点のちがい
ことば意味灯油の場合
引火点火を近づけたときに、燃え始める最も低い温度40℃以上(ガソリンは−40℃以下)
発火点
(自然発火点)
火を近づけなくても、熱だけで燃え出す温度約240℃(ENEOSの安全データシート)
出典: 札幌市消防局、ENEOS「安全データシート(灯油)」。軽油の自然発火点も同じ資料で約240℃

ガソリンの引火点は−40℃以下で、真冬の屋外でも小さな火花で燃え出します。蒸気は空気より3〜4倍重く、低い場所にたまりやすい性質もあります(札幌市消防局)。灯油の引火点は40℃以上なので、ふだんの気温でマッチを近づけても、すぐには燃えません。

ただし、灯油も安全なわけではありません。札幌市消防局は、加熱などで灯油の温度が引火点以上になると、引火の危険はガソリンとほぼ同じになるとしています。夏に熱のこもる物置に置くのは危険です。布にしみこんだ灯油も燃えやすくなります。

灯油の容器にガソリンを入れてはいけない理由

灯油用のポリ容器にガソリンを入れることは、消防法令で禁止されています(大阪府)。ガソリンは金属製の携行缶に入れる決まりです。ガソリンを灯油と間違えてストーブに入れると、火災の原因になります。

NITE official「【nite-ps】 石油ストーブ「1.ガソリンの誤給油」」(2017年9月公開)。灯油と間違えてガソリンを石油ストーブに入れたときの再現映像です。

灯油と軽油の見分け方:まず色を見る

色で見分ける(白い紙を後ろにあてて見る)
燃料色見分けるときのポイント
灯油無色透明少しでも色がついていたら、ほかの油が混ざったか変質している
軽油淡黄色淡い黄色に着色されている
ガソリンオレンジ色自動車用ガソリンはオレンジ色に着色されている
出典: 札幌市消防局、シャープ「安全な使い方アドバイス(石油暖房機)」

灯油と軽油は、色で見分けられます。灯油は無色透明、軽油は淡い黄色に着色されています。透明なガラスのコップに入れ、後ろに白い紙をあてると分かりやすくなります。灯油に色がついて見えたら、ほかの油が混ざっているか、古くなって変質している可能性があります。

においだけで見分けるのはおすすめしません。暖房器具に灯油以外の油(軽油・ガソリンなど)や水が混ざった「不純灯油」を入れると、異常燃焼や故障の原因になります(千葉市消費生活センター)。迷ったら使わず、買った店に相談してください。

灯油で車は走る?ディーゼル車に入れるのは違法

灯油を車に入れるとどうなるか
車の種類灯油を入れると
ディーゼル車(軽油で走る)エンジンは動くことがあるが、灯油を燃料にするのは軽油引取税の脱税にあたる「不正軽油」で違法。エンジンや排ガス浄化装置の不調の原因にも
ガソリン車エンジンの不調や故障の原因になる
出典: 各都道府県の不正軽油防止の案内(茨城県・岐阜県など)。灯油とA重油には軽油と区別するための識別剤(クマリン)が入っている

灯油はディーゼルエンジンで燃えてしまうことがありますが、車の燃料に使うのは違法です。軽油には都道府県の税金「軽油引取税」がかかり、灯油にはかかりません。灯油やA重油を軽油に混ぜたり、そのまま車に使ったりすることは「不正軽油」として、地方税法で罰則が決められています。

灯油とA重油には「クマリン」という識別剤が入っていて、軽油に混ぜると検査ですぐに分かるようになっています。都道府県は道路わきでの抜き取り検査などで取り締まっています。ガソリン車に灯油を入れると、エンジンの不調や故障の原因になります。

【データ】灯油と軽油の値段の差は、2026年4月から18円台に

灯油(店頭)と比べて、軽油・レギュラーガソリンは1Lあたり何円高いか(年平均)
0円20円40円60円80円19911995200020052010201520202025軽油との差 19.8円(2026年1〜9月)ガソリンとの差 30.9円軽油と灯油の差は1994〜2025年は30円台レギュラーガソリンは灯油より約50〜75円高かった灯油(店頭)と比べて、軽油・レギュラーガソリンは1Lあたり何円高いか(年平均・全国)
出典: 資源エネルギー庁「石油製品価格調査」から当サイトのガソリン・軽油・灯油の価格データで集計。灯油は店頭18Lの価格を18で割った1Lあたり。2026年は1〜9月の平均(図は執筆時点で固定)

当サイトは、資源エネルギー庁の調査から1990年以降の燃料の値段を集めています。軽油と灯油の1Lあたりの差を年平均で見ると、1994〜2025年は32〜39円で、30年以上ほとんど変わりませんでした。ところが2026年4月からは18円台になり、ほぼ半分に縮んでいます。

灯油・軽油・レギュラーガソリンの1Lあたりの値段(月平均・全国)
月灯油軽油レギュラー軽油−灯油
2025年9月123.6円155.0円174.9円31.4円
2025年12月122.2円146.3円161.6円24.1円
2026年3月137.9円160.0円171.8円22.1円
2026年4月139.5円157.8円168.5円18.3円
2026年9月140.9円159.4円170.0円18.5円
出典: 資源エネルギー庁「石油製品価格調査」から当サイト集計(月ごとの調査の平均)

差が縮んだ理由は税金です。軽油引取税は1Lあたり32.1円でしたが、上乗せされていた17.1円(いわゆる暫定税率)が2026年4月1日に廃止され、15円になりました(愛知県・群馬県の案内)。それより前の2025年11月からは、軽油の補助が暫定税率と同じ17.1円まで段階的に増やされていて、差はその時点から縮み始めていました。

2026年9月28日調査では、灯油が1Lあたり約141円、軽油が159.5円で、差は約18.5円です。軽油で50Lを給油する場合、灯油の値段との差は約925円になります。ガソリンと灯油の差も、2025年12月31日のガソリンの暫定税率廃止で、約50〜75円から約30円に縮みました。

灯油・軽油・ガソリンを家で扱うときのチェックリスト

入れ間違い・事故を防ぐ5つのポイント
  • 容器を分ける:灯油は灯油用ポリ容器、ガソリンは金属製の携行缶。灯油用ポリ容器にガソリンは入れない(消防法令で禁止)
  • 給油の前に色を見る:灯油は無色透明。色がついていたら暖房器具に入れない
  • 置き場所は涼しく暗いところ:夏の物置など熱のこもる場所は、灯油でも引火の危険が高まる
  • 置く量に気をつける:灯油・軽油は200L(指定数量の5分の1)以上、ガソリンは40L以上を置くと、市町村の火災予防条例で届け出が必要になる(千葉市の例)
  • 車に灯油を入れない:ディーゼル車でも違法(不正軽油)。ガソリン車は故障の原因になる

家庭でよく扱うのは灯油ですが、草刈り機や発電機用にガソリンを置く家もあります。燃料ごとに容器と置き場所を分け、ラベルで中身が分かるようにしておくと、入れ間違いを防げます。届け出が必要な量や手続きは市町村によって違うので、地元の消防署で確かめてください。

よくある質問

Q1. 灯油と軽油はどちらが燃えやすい?

A. ほぼ同じです。引火点は灯油が40℃以上、軽油が45℃以上で、消防法ではどちらも第2石油類です。どちらもガソリン(引火点−40℃以下)よりはずっと火がつきにくい燃料です。

Q2. 石油ストーブに軽油を入れてしまったら?

A. すぐに使うのをやめてください。灯油以外の油が混ざった灯油は「不純灯油」とされ、異常燃焼や故障の原因になります(千葉市消費生活センター)。抜き取りや点検は、販売店やメーカーに相談してください。

Q3. 灯油18Lの重さは?

A. ENEOSの安全データシートでは、灯油の密度は15℃で1cm3あたり0.76〜0.83gです。18Lに直すと約13.7〜14.9kgになります。軽油は0.80〜0.86gなので、同じ18Lなら灯油よりやや重くなります。

Q4. 軽油はなぜ灯油より高い?

A. 大きな理由は税金です。軽油には1Lあたり15円の軽油引取税(2026年4月1日から)がかかり、灯油にはかかりません。2026年3月までは32.1円だったため、差はもっと大きくなっていました。

Q5. 灯油の値段はどこで確かめられる?

A. 資源エネルギー庁が毎週水曜に全国と都道府県の平均を公表しています。当サイトの灯油価格ウォッチと都道府県別ガソリン・灯油価格で、最新の値段と1年前との差を見られます。

まとめ:灯油と軽油は「使い道・色・税金」が違う

  • 灯油は暖房用で無色透明、軽油はディーゼル車用で淡黄色、ガソリンはオレンジ色
  • 引火点は灯油40℃以上・軽油45℃以上で、ガソリン(−40℃以下)よりずっと火がつきにくい。ただし温めると危険はガソリン並みに
  • 家庭の暖房に使うのはJIS1号灯油(白灯油)。重油はボイラーや船などの燃料
  • 灯油を車の燃料にするのは違法(不正軽油)。灯油には識別剤のクマリンが入っている
  • 軽油と灯油の1Lあたりの差は30年以上30円台だったが、軽油の暫定税率廃止で2026年4月から18円台に

燃料の最新の値段はガソリン・軽油・灯油の価格データ、灯油の値段の移り変わりは灯油の価格推移の記事で確かめられます。

くらたのひとこと:灯油は透明、軽油は黄色、ガソリンはオレンジ。色で覚えておけば入れ間違いを防げるね。灯油と軽油の値段の差が半分になっていたのも、税金が変わったからだったんだ。

この記事の情報は2026年10月2日時点のものです。主な出典: 札幌市消防局「ガソリンや灯油、軽油の取扱いに注意しましょう」、千葉市消防局「備えた危険物は点検を実施しましょう」、大阪府「危険物の安全対策について」、ENEOS「安全データシート」(灯油・軽油・A重油)、シャープ「安全な使い方アドバイス(石油暖房機)」、千葉市「消費者被害注意報 No.68」、愛知県・群馬県の軽油引取税の案内、各都道府県の不正軽油防止の案内、資源エネルギー庁「石油製品価格調査」「燃料油価格に関する支援策の推移」。燃料の取り扱いは、機器の取扱説明書と地元の消防署の案内を優先してください。

タグ: 灯油軽油ガソリン暮らしの安全税金

この記事で使ったデータ

ガソリン・軽油・灯油の価格
毎週水曜更新・1990年〜
軽油(全国平均)—
灯油 1Lあたり—
燃料の価格の推移を見る →

くらしデータについて

官公庁の公開データを自動集計して、「なんとなく高い・暑い」を数字で確かめられるようにしているサイトです。

公開中のデータ一覧 →