値上げ率は、(値上げ後の値段−値上げ前の値段)÷値上げ前の値段×100で計算します。120円の商品が150円になれば、差額30円÷120円×100で25%の値上げです。この記事では、計算式とエクセルの式、間違えやすい点を整理し、総務省の消費者物価指数を使った当サイトの値上がり品目ランキングから、身近な品目の5年の値上げ率を実際に計算してみます。
| 知りたいこと | 計算式 | 例(120円→150円) |
|---|---|---|
| 値上げ率(%) | (値上げ後−値上げ前)÷値上げ前×100 | 30÷120×100=25% |
| 値上げ幅(円) | 値上げ後−値上げ前 | 150−120=30円 |
| 値上げ後の値段 | 値上げ前×(1+値上げ率÷100) | 120×1.25=150円 |
| 値上げ前の値段(逆算) | 値上げ後÷(1+値上げ率÷100) | 150÷1.25=120円 |
| 何倍になったか | 値上げ後÷値上げ前 | 150÷120=1.25倍 |
値上げ率とは、元の値段に対して何%上がったかを表す数字です。ポイントは、割る数(分母)を必ず「値上げ前の値段」にすることです。値上げ後の150円で割ると20%になり、値上げ率を小さく見積もってしまいます。
下の計算フォームに数字を入れると、値上げ率と値上げ後の金額がその場で計算できます。
値上げ幅は「何円上がったか」、値上げ率は「何%上がったか」です。同じ50円の値上げ幅でも、100円の商品なら値上げ率は50%、1,000円の商品なら5%です。安い物の値上げは、値上げ幅が小さくても値上げ率は大きくなります。家計の負担は値上げ幅(円)で、値上がりの勢いは値上げ率(%)で見ると分かりやすくなります。
| 値上げ率 | かける数 | 1,000円なら | 1,280円なら | 元に戻す(逆算) |
|---|---|---|---|---|
| 3% | ×1.03 | 1,030円 | 1,318.4円 | ÷1.03 |
| 5% | ×1.05 | 1,050円 | 1,344円 | ÷1.05 |
| 10% | ×1.1 | 1,100円 | 1,408円 | ÷1.1 |
| 15% | ×1.15 | 1,150円 | 1,472円 | ÷1.15 |
| 20% | ×1.2 | 1,200円 | 1,536円 | ÷1.2 |
| 30% | ×1.3 | 1,300円 | 1,664円 | ÷1.3 |
10パーセントの値上げは、元の値段に1.1をかけると一度で計算できます。1,280円の商品なら1,280×1.1=1,408円です。「1,280円の10%は128円、足して1,408円」と2段階で計算しても同じ答えになります。パーセントを小数に直すと、3%は0.03、15%は0.15なので、かける数は1.03、1.15です。
値上げ後の金額を(1+値上げ率)で割ると、元の値段に戻せます。10%値上げ後に1,320円なら、1,320÷1.1=1,200円です。ここで「1,320円の10%を引く」と1,188円になり、元の値段と合いません。10%は元の1,200円に対する割合なので、値上げ後の1,320円から引くと計算がずれます。
| 求めるもの | 式(2行目の例) | メモ |
|---|---|---|
| 値上げ率 | =(C2-B2)/B2 | セルの表示形式を「パーセント」にする。=C2/B2-1 でも同じ |
| 値上げ率(%の数字で) | =(C2-B2)/B2*100 | 「25」のように数字で出したいとき |
| 値上げ幅 | =C2-B2 | 円の差 |
| 値上げ後の金額 | =B2*(1+D2) | D2に「10%」と入力しておく |
| 円未満を切り捨て | =ROUNDDOWN(B2*(1+D2),0) | 四捨五入はROUND、切り上げはROUNDUP |
| 元の値段(逆算) | =C2/(1+D2) | 値上げ後と値上げ率から |
エクセルで値上げ率を出すときは、=(C2-B2)/B2 と入れて、セルの表示形式を「パーセント」にするのがいちばん簡単です。「ホーム」タブの「%」ボタンを押すと、0.25が25%と表示されます。表示形式をパーセントにしたうえで×100もすると2500%になってしまうので、どちらか一方にしましょう。
値上げ前の値段が空欄や0のときは、割り算ができずエラー(#DIV/0!)になります。行が多い表では、=IF(B2=0,"",(C2-B2)/B2) のように空欄を返す式にしておくと見やすくなります。
| 間違い | 正しくは |
|---|---|
| 値上げ後の値段で割る | 分母は値上げ前。120円→150円は25%(150で割ると20%になってしまう) |
| 10%上げて10%下げれば元どおり | 1,000円→1,100円→990円。下げる10%は1,100円に対する割合 |
| 値上げ率を足し算する | 2年続けて10%値上げすると1,000円→1,210円で、21%の値上げ |
| 「%」と「ポイント」を混ぜる | 値上げ率が3.5%から3.2%に下がったら「0.3ポイント縮小」 |
| 内容量が減った値上げを見落とす | 同じ値段で100g→90gなら、1gあたり11.1%の値上げ |
いちばん多いのは、割合をかける元の金額が変わることによる勘違いです。10%上げた後の10%引きは、1,100円の10%(110円)を引くので990円になり、元の1,000円には戻りません。値上げが続くときも同じで、2年目の10%は1年目に上がった後の値段にかかるため、合計は20%ではなく21%です。
ニュースでよく見る「ポイント」は、%どうしの差を表す言葉です。総務省の消費者物価指数で、食料の値上がり率(前年同月比)は2026年7月の3.5%から8月は3.2%になりました。これは「0.3ポイント縮小」で、「0.3%縮小」とは言いません。
値段は同じでも中身が減れば、量あたりでは値上げです。1gあたりの値段(値段÷内容量)を比べて値上げ率の式に入れると計算できます。同じ値段で100gが90gになれば、1gあたりの値段は1.111倍で、実質11.1%の値上げです。100gが80gなら25%になります。値上げの言葉の意味や、こうした「ステルス値上げ」は値上げと値上がりの違いでまとめています。
消費者物価指数は、同じ品目の値段が基準からどれだけ変わったかを指数で表したものです。値上げ率の式にそのまま入れられます。2021年8月と2026年8月を比べると、コーヒー豆は+155.9%で、5年前の2.56倍でした。5年前に1,000円だったコーヒー豆が、約2,559円になった計算です。
「+155.9%」と「2.56倍」は同じことを表しています。値上げ率に100を足して100で割ると、何倍かになります(155.9+100=255.9 → 2.559倍)。チョコレートは+92.8%(1.93倍)、お米(うるち米)は+80.6%(1.81倍)、卵は+41.1%(1.41倍)でした。
お米(うるち米)は5年では+80.6%ですが、2025年8月から2026年8月の1年では−15.2%と値下がりしています。どの期間で計算するかで、値上げ率はまったく違う数字になります。ニュースや広告の値上げ率を読むときは、いつと比べた数字かを確かめましょう。品目ごとの1年・5年・10年の値上げ率は値上がり品目ランキングで調べられます。
| 項目 | 数字 | 出どころ |
|---|---|---|
| 1か月の食費(外食を含む) | 90,740円 | 家計調査(2026年7月) |
| 食料の値上げ率(1年前と比べて) | 3.2% | 消費者物価指数(2026年8月) |
| 同じ物を買うと増える額 | 月約2,900円 | 90,740×0.032。1年で約3.5万円 |
値上げ率は、家計の負担に直すと実感しやすくなります。1か月の支出×値上げ率で、同じ物を買い続けたときに増える金額の目安が出せます。二人以上の世帯の食費は2026年7月に月90,740円で、食料の値上げ率3.2%をかけると、月約2,900円、1年で約3.5万円の負担増です。
自分の家計で計算するときは、家計簿やレシートから費目ごとの支出を出し、それぞれの値上げ率をかけて足し合わせます。費目ごとの全国の平均は家計簿の平均、物価全体の値上げ率の推移は物価ウォッチで確かめられます。値上げが家計にどう響いているかは値上げばかりで生活できない?でも取り上げています。
A. 計算のしかたは同じです。値段について言うときは値上げ率、物価や家賃・給料などについて言うときは上昇率や伸び率と呼ぶことが多くあります。給料の昇給率も「(昇給後−昇給前)÷昇給前×100」で計算します。
A. 2割は20%です。1割=10%、1分(ぶ)=1%なので、「1割5分」なら15%の値上げです。1,000円の2割値上げは1,200円になります。
A. 値下がりしたということです。1,000円が900円になれば、(900−1,000)÷1,000×100=−10%で、10%の値下げです。
A. 値上げ前・値上げ後のどちらも税込み、またはどちらも税抜きにそろえれば、値上げ率はほぼ同じになります。片方だけ税込みにすると、消費税の分だけ値上げ率が大きく(小さく)出てしまうので注意しましょう。
品目ごとの値上げ率は値上がり品目ランキング、物価全体の動きは物価ウォッチで、毎月の最新の数字を確かめられます。
この記事の情報は2026年10月6日時点のものです。主な出典: 総務省統計局「消費者物価指数」(全国・品目別)・「家計調査」(二人以上の世帯)。計算例は当サイトが作成したもので、実際の販売価格は各店舗・メーカーの端数の扱いによって変わります。特定の商品の購入や価格の予想をすすめるものではありません。