紅葉が例年より遅いのは、秋の気温が高く、葉の色づきに必要な冷え込みが足りないためです。気象庁の観測を当サイトで集計すると、かえでの紅葉日は1961〜1990年の平均より直近30年(1996〜2025年)のほうが、全国30地点の真ん中の値で11日遅くなっていました。この記事では、紅葉・黄葉データベースの記録から、紅葉が遅れる理由と京都の傾向、2025年の結果と2026年の予想を整理します。
| 秋の天気 | 紅葉への影響 |
|---|---|
| 残暑が長い・朝晩が冷えない | 色づきが始まらず、時期が遅れる |
| 朝晩がぐっと冷え込む | 色づきが進み、時期が早まる |
| 晴れて日差しが多い | 赤い色素ができやすく、色が鮮やかになりやすい |
| 日照不足・強風・乾燥 | 色がくすんだり、色づく前に葉が傷んだりすることがある |
紅葉は、気温が下がって葉の働きが弱まると進みます。国土交通省 北陸地方整備局の大町ダム管理所の資料では、紅葉には十分な日射と気温の低下が必要で、最低気温が8℃以下になると紅葉が始まり、5〜6℃になると進んで見頃になると言われている、と説明しています。
反対に、秋になっても暑さが残り、朝晩の気温が下がらない年は、色づきが足踏みします。気象庁も、かえでの紅葉日が遅くなっている傾向について、紅葉の前の平均気温との関係が強いことから、長期的な気温の上昇が影響していると考えられる、としています。葉が色づく仕組みは紅葉はなぜ赤くなる?の記事で詳しく説明しています。
1961〜1990年と1996〜2025年の両方に20年以上の記録がある30地点で、かえでの紅葉日の平均を比べました。30地点のうち29地点で遅くなり、遅れの真ん中の値は11日でした。最も遅れたのは福岡で、11月10日から12月3日へ23日、次いで長崎20日、盛岡18日、鹿児島17日、金沢16日です。同じ日のままだったのは神戸だけでした。
気象庁の「気候変動監視レポート2023」でも、全国のかえでの紅葉日は1953年以降、10年あたり3.0日のペースで遅くなっていると報告されています。11日の遅れは、親の世代が紅葉狩りをしていた頃より、色づきの時期がおよそ1週間半うしろにずれたことになります。
| 都市 | 寒かった10年 の平均の紅葉日 | 暖かかった10年 の平均の紅葉日 | 差 | 気温1℃あたり |
|---|---|---|---|---|
| 福岡 | 11月15日 | 12月6日 | 21日 | 約5.2日遅い |
| 仙台 | 11月11日 | 11月24日 | 13日 | 約3.6日遅い |
| 名古屋 | 11月19日 | 11月30日 | 11日 | 約3.8日遅い |
| 広島 | 11月17日 | 11月27日 | 10日 | 約2.9日遅い |
| 大阪 | 11月28日 | 12月4日 | 6日 | 約2.6日遅い |
| 東京 | 11月26日 | 12月1日 | 5日 | 約1.4日遅い |
では、紅葉の前の気温が高い年は、実際にどれくらい遅くなるのでしょうか。気象庁の日別の気温が当サイトにそろっている6都市で、平年の紅葉日の前30日間の平均気温と、その年のかえでの紅葉日を1976〜2025年分くらべました。
6都市すべてで、紅葉の前の1か月が暖かい年ほど紅葉日は遅くなっていました。福岡では、その1か月が最も寒かった10年の平均が11月15日、最も暖かかった10年の平均が12月6日で、3週間の差があります。気温が1℃高いと約5日遅くなる計算です。東京は差が小さめ(約1.4日)で、都市によって気温の効き方には差があります。
福岡の紅葉前の1か月の平均気温は、1976〜1985年の13.2℃から2016〜2025年は15.1℃へ、約2℃上がっていました。紅葉が「例年より遅い」と感じる年が増えたのは、こうした秋の気温の上昇と重なっています。
京都地方気象台のかえでの紅葉日は、1970年代の平均が11月24日でしたが、2010年代は12月9日、2020年代(観測があった5年)は12月12日と、半世紀で18日遅くなりました。平年値(1991〜2020年の平均)は12月5日です。記録が残る中で最も遅かったのは2024年の12月20日で、2025年も12月10日と平年より5日遅れました。
ただし、これは気象台の構内の1本の木の記録で、名所の見頃とは場所も基準も違います。2026年の嵐山の見頃予想は、日本気象協会が11月13日〜、ウェザーニューズが11月24日ごろです。気象台の木で見た「遅くなる傾向」は、名所の色づきの時期を考えるときの目安になります。地域ごとの例年の時期は紅葉の時期はいつ?の記事にまとめています。
| 種類 | 観測した地点 | 平年より遅い | 平年並み | 平年より早い | 真ん中の値 |
|---|---|---|---|---|---|
| かえでの紅葉 | 50地点 | 30地点 | 5地点 | 15地点 | 2日遅い |
| いちょうの黄葉 | 47地点 | 34地点 | 3地点 | 10地点 | 4日遅い |
2025年は9月になっても残暑が続き、紅葉の遅れが心配されました。気象庁の観測では、かえでの紅葉日を観測した50地点のうち30地点が平年より遅く、遅れが大きかったのは熊本(13日)、高松(10日)、松江・札幌・帯広(9日)でした。一方で15地点は平年より早く、全体の真ん中の値は「2日遅い」と、大きく遅れたわけではありません。
TBS NEWS DIG Powered by JNN「残暑続く9月…今年の紅葉は「広範囲で遅れ」色づく間もなく葉が落ちる可能性も?【Nスタ解説】|TBS NEWS DIG」(2025年9月公開)。2025年9月の残暑で、紅葉が広い範囲で遅れる見通しを解説したニュースです
いちょうの黄葉は遅れが目立ち、47地点のうち34地点が平年より遅く、熊谷は18日、福岡は16日遅れました。
2026年の予想は、日本気象協会(10月14日発表)が「全国的に平年並みか平年より遅い」、ウェザーニューズ(10月8日発表)が「例年10月下旬以降に見頃となる所は平年よりやや遅め」としています。10月中旬以降も気温が高めに続く見込みのため、とくに東日本・西日本の平地で遅れる所が多い見通しです。
一方、山ではすでに見頃を迎えた所があります。日本気象協会の予想では、北海道の層雲峡や青森県の奥入瀬渓流などが2025年より早い見頃とされ、ウェザーニューズも大雪山旭岳や磐梯吾妻スカイラインは平年並みの見頃だったとしています。「紅葉が早い」と感じる人がいるのは、こうした山の早い色づきのニュースのためでしょう。
山形NEWSチャンネル「月山に紅葉シーズン到来 赤や黄色の絨毯広がる」(2026年10月公開)。2026年10月、山形県の月山で紅葉のシーズンが始まったことを伝えるニュースです
2026年に気象台で観測された紅葉日は、紅葉・黄葉データベースに毎日反映し、平年や2025年との差を表示しています。
| 出しているところ | 内容 |
|---|---|
| 気象庁 | 気象台の標本木の観測結果(紅葉日・落葉日)。見頃予想は2008年に終了 |
| 日本気象協会(tenki.jp) | 全国の名所の見頃予想(2026年は10月1日・14日に発表) |
| ウェザーニューズ | 全国の名所の見頃予想(2026年は9月3日・10月8日に発表) |
| 名所・観光協会 | その場所の色づきの最新の状況 |
気象庁は1965年(昭和40年)から毎年9月に関東地方の紅葉の見ごろ予想を出していましたが、民間の事業者が全国規模で同じような情報を出すようになったことなどから、2008年の秋から発表をやめました。2026年10月時点で気象庁が出しているのは観測の結果で、見頃の予想は日本気象協会やウェザーニューズなどの民間の気象会社が出しています。
予想は秋の気温の見通しをもとに計算されるため、予想より暑い日が続くと後ろへずれます。日程を早めに決めるときは予想日のあとにも余裕をもたせ、出かける直前に名所の色づき情報を確かめると安心です。
A. そうなることがあります。2025年9月には、残暑のため色づく間もなく葉が落ちる可能性があるとニュースで解説されました。紅葉には十分な日射と冷え込みが必要とされ、晴れて冷え込む日が続くと鮮やかになりやすいと言われています。
A. 京都地方気象台のかえでの紅葉日の平年値は12月5日、落葉日は12月18日です。嵐山などの名所は11月中旬〜下旬が見頃の目安で、2026年の嵐山は日本気象協会が11月13日〜、ウェザーニューズが11月24日ごろと予想しています。
A. 将来の紅葉日を予想することはできませんが、気象庁は1953年以降の記録で、かえでの紅葉日が10年あたり3.0日遅くなっていると報告しています。秋の気温が高い年ほど遅くなる関係は、当サイトの集計でも6都市すべてで見られました。
A. はい。気象庁の「気候変動監視レポート2023」では、さくらの開花日は10年あたり1.2日早く、かえでの紅葉日は10年あたり3.0日遅くなっているとされています。どちらも気温の上昇の影響が考えられるとしています。
お住まいの近くの気象台の記録は紅葉・黄葉データベースで、秋の暑さの記録は猛暑日・夏日の記録で確かめられます。地域ごとの例年の時期は紅葉の時期の記事をどうぞ。
この記事の情報は2026年10月15日時点のものです。主な出典: 気象庁「生物季節観測」(かえでの紅葉日・いちょうの黄葉日の累年値と2025年の観測)、気象庁「気候変動監視レポート2023」、気象庁の日別の気温、気象庁 報道発表(2008年7月31日)、国土交通省 北陸地方整備局 大町ダム管理所の記者発表資料(2014年10月17日)、日本気象協会「2026年紅葉見頃予想<第2回>」、ウェザーニューズ「紅葉見頃予想」(2026年10月8日)。気温と紅葉日の関係は当サイトの集計で、将来の紅葉の時期を予想するものではありません。お出かけの前に最新の見頃情報をご確認ください。