コーヒーの値上げがいつ終わるかは、誰にも言い切れません。ただ、総務省の消費者物価指数を当サイトで集計すると、店頭のコーヒー豆の値段は2026年3月を山に少し下がり、1年前と比べた上がり方も+53.7%(2026年3月)から+24.4%(2026年8月)に縮みました。それでも5年前(2021年8月)の約2.6倍で、物価を調べている564品目の中で最も大きな値上がりです。この記事では、コーヒーとチョコレート・お菓子の値段の動きと、その原因、値上げしていないものをまとめます。
| 月 | 前年同月比 |
|---|---|
| 2024年8月 | +2.2% |
| 2025年1月 | +23.7% |
| 2025年8月 | +47.6% |
| 2026年3月 | +53.7%(指数が最も高い月) |
| 2026年5月 | +37.7% |
| 2026年8月 | +24.4% |
店頭のコーヒー豆の値段(物価指数)は、2025年から急に上がり、2026年3月に最も高くなりました。その後は少しずつ下がり、2026年8月は山から2.2%低い水準です。1年前と比べた上がり方も、2026年3月の+53.7%から、8月は+24.4%まで縮んでいます。
ただし、値段そのものはまだ高いところにあります。2026年8月の値段は1年前より約4分の1高く、2024年8月と比べると約1.8倍です。コーヒー豆の国際相場は天候に大きく左右され、TBSは2026年7月、スーパーエルニーニョへの警戒から先物価格が急に上がったと伝えています。店頭の値段がどう動くかは、相場や為替しだいです。
TBS NEWS DIG Powered by JNN「気候変動で仕入れ高騰…コーヒー豆にさらなる懸念 “スーパーエルニーニョ”で先物価格が急激に上昇 メーカーは“豆不使用”商品開発も|TBS NEWS DIG」(2026年7月公開)。スーパーエルニーニョへの警戒からコーヒー豆の先物価格が急に上がったことと、メーカーが豆を使わない商品の開発を進めていることを伝えるニュースです。
| 理由 | 中身 |
|---|---|
| 生豆の国際相場 | 世界的な需要の増加と、生産国の異常気象による供給の減少で、2024年12月に1970年代以来およそ半世紀ぶりの過去最高値 |
| 円安 | 急激な円安で、生豆を買う値段がさらに高くなった |
| そのほかのコスト | 原材料、包装資材、物流費、エネルギーの値上がり |
UCC上島珈琲は2025年12月、業務用と家庭用のレギュラーコーヒーの一部を2026年3月1日出荷分から値上げし、店頭では10〜18%程度上がる見込みだと発表しました。理由として、コーヒー生豆の国際相場が2024年12月に約半世紀ぶりの過去最高値を記録したこと、急激な円安、包装資材や物流費の値上がりを挙げています。
コーヒーの生豆は、ほぼすべてを輸入に頼っています。そのため、生産国の天候による相場の上下と、円とドルの為替の両方が、店頭の値段に響きます。物価の数字で2026年3月に山ができたのは、こうしたメーカーの値上げが店頭に出そろった時期と重なります。
| 品目 | 前年同月比 | 5年(2021年8月から) |
|---|---|---|
| コーヒー豆 | +24.4% | +155.9% |
| インスタントコーヒー | +1.8% | +34.9% |
| コーヒー飲料(缶・ペットボトル)A | +13.5% | +37.8% |
| コーヒー飲料(缶・ペットボトル)B | +2.1% | +48.0% |
| 外食のコーヒー A | +2.9% | +18.5% |
| 外食のコーヒー B | +4.0% | +27.3% |
インスタントコーヒーは、2025年秋から2026年4月まで前年比+20%を超えていましたが、2026年8月は+1.8%まで落ち着きました。5年では+34.9%です。豆そのものを買うレギュラーコーヒーに比べると、外食のコーヒー(喫茶店など)やインスタントの上がり方は小さく、値段に占める豆の割合が小さいものほど、値上げの影響が小さく出ていると考えられます。
消費者物価指数で2021年8月と2026年8月を比べると、コーヒー豆は+155.9%、約2.6倍になりました。5年前に1,000円だったコーヒー豆が、約2,560円になった計算です。比べられる564品目の中で最も大きな上がり方で、2位のメモリーカード(+122.6%)、3位のチョコレート(+92.7%)を上回っています。
図のとおり、コーヒー豆は2021年から少しずつ上がり、2024年秋からは一気に上がりました。チョコレートはそれより早く、2024年から2025年にかけて上がり、2025年8月に山をつけています。ポテトチップスは2021年までほとんど値段が変わらず、2022年から段階的に上がりました。
| 品目 | 前年同月比 | 5年(2021年8月から) |
|---|---|---|
| チョコレート | −1.7% | +92.7% |
| チューインガム | +1.9% | +55.0% |
| せんべい | +7.8% | +51.3% |
| ポテトチップス | +10.6% | +46.5% |
| キャンデー | +7.9% | +21.8% |
| ビスケット | +7.2% | +21.7% |
| アイスクリーム | +5.8% | +18.4% |
| 菓子類全体 | +5.0% | +41.6% |
チョコレートは、5年で+92.7%と約1.9倍になりました。原料のカカオ豆の国際相場が2024年に大きく上がったためです。ところが2026年8月の物価では、チョコレートは前年同月比−1.7%と、1年前より安くなりました。前年比がマイナスになったのは、2022年4月以来です。日本経済新聞は2026年1月、需要が落ちてカカオ豆の相場が2年5か月ぶりの安値になったと報じていて、相場の下落が少しずつ店頭に届き始めたとみられます。
チョコレート以外のお菓子は、まだ1年前より高いものがほとんどです。菓子類全体では前年比+5.0%、5年で+41.6%でした。小麦・砂糖・油などの原材料に加え、包装材や物流費、人件費の値上がりが続いているためです。
ポテトチップスの物価指数は、2015年から2021年まで、毎年8月の値が72〜77の間でほぼ横ばいでした。それが2022年8月に84.7、2023年8月に96.7、2026年8月には112.5まで上がっています。5年で+46.5%、2026年8月も前年比+10.6%と、まだ上がり続けています。油やじゃがいも、包装材の値上がりが重なっているためと考えられます。
| 分類 | 品目と5年の変化 |
|---|---|
| 食べ物・飲み物 | 乳酸菌飲料 0.0%、レタス +0.7%、れんこん +1.9%、茶飲料 +2.3%、さつまいも +3.6%、ビール +4.9% |
| 家電・機器 | 掃除機 −14.7%、パソコン(デスクトップ型)−6.0%、プリンタ −4.4% |
| 料金 | NHK受信料 −10.2%、固定電話の通信料 −8.9%、水道料 −4.7%、高速道路料金 −4.6% |
| 制度の変更 | 学校給食(小学校)−98.7%、高校授業料(公立)−93.8%(国の支援の拡充などによる) |
消費者物価指数の564品目のうち、2021年8月から2026年8月までに値段が下がったのは26品目だけでした。食べ物では、乳酸菌飲料(0.0%)やレタス(+0.7%)、茶飲料(+2.3%)のように、5年でほとんど値段が変わっていない品目もあります。
大きく下がった品目には、制度の変更によるものが目立ちます。学校給食(小学校)は、2026年4月から国が公立小学校の給食費を支援する仕組みが始まったことなどで大きく下がりました。こうした品目を除くと、値下がりしているのは掃除機やパソコンのような家電と、通信や公共料金の一部です。
コーヒーは、飲み方によって1杯あたりの値段が大きく変わります。2026年8月の物価では、豆の値段が1年前より+24.4%上がった一方、インスタントコーヒーは+1.8%、外食のコーヒーは+2.9〜4.0%にとどまっていました。毎日飲むなら、1杯あたりの値段で比べて、上がり方の小さい飲み方を組み合わせるのも一つの方法です。
お菓子は、値段は変わらず中身が減る「ステルス値上げ」も起きやすい品目です。消費者物価指数では容量の減少も値上がりとして数えられています。品目ごとの値上がりは値上がり品目ランキングで確かめられます。
A. 時期は言い切れません。店頭のコーヒー豆の物価は2026年3月を山に少し下がりましたが、1年前より約4分の1高い水準です。生豆の相場は天候や為替で大きく動き、2026年7月にはスーパーエルニーニョへの警戒で先物価格が上がったと報じられています。
A. インスタントコーヒーは2025年秋から2026年4月まで前年比+20%を超えていましたが、2026年8月は+1.8%まで落ち着きました。5年では+34.9%で、コーヒー豆(+155.9%)よりずっと小さい上がり方です。
A. 原料のカカオ豆の国際相場が2024年に急に上がったためです。チョコレートの物価は5年で約1.9倍になりましたが、2026年8月は前年比−1.7%と、1年前より安くなっています。
A. 2021年からの5年では、お米(うるち米)が約1.8倍、果実ジュースが約1.9倍になっています。品目ごとの5年の値上がりは物価576品目の5年の値上がりで、値上げ全体の流れは値上げはいつまで続く?で整理しています。
物価全体の毎月の動きは物価ウォッチ、品目ごとの値上がりは値上がり品目ランキングで確かめられます。
この記事の情報は2026年10月5日時点のものです。主な出典: 総務省統計局「消費者物価指数」(2025年基準・全国・品目別、e-Stat)、UCC上島珈琲「業務用、家庭用レギュラーコーヒー製品の一部価格改定について」(2025年12月22日)、日本経済新聞(2026年1月の報道)、TBS NEWS DIG(2026年7月の報道)、文部科学省(学校給食費の支援)。値段や相場の先行きを予想したり、特定の商品の購入をすすめたりするものではありません。