日用品の値上げは、2026年の夏に一段と進みました。総務省の消費者物価指数では、2026年8月のトイレットペーパーとティッシュペーパーが前年同月比+10.5%、生理用ナプキンが+6.5%で、物価全体(+1.9%)を大きく上回っています。2021年8月からの5年で見ると、洗濯用洗剤は+78.2%、トイレットペーパーは+40.1%上がりました。この記事では、消費者物価指数の品目別の数字を当サイトで集計し、日用品がいつ・どれだけ値上がりしたのかと、その理由・対策をまとめます。
| 品目 | 前年同月比 | 2026年7月 |
|---|---|---|
| ポリ袋 | +23.7% | — |
| 洗濯用洗剤 | +10.9% | +12.5% |
| トイレットペーパー | +10.5% | +0.9% |
| ティッシュペーパー | +10.5% | +1.7% |
| キッチンペーパー | +10.3% | — |
| ラップ | +10.2% | — |
| 紙おむつ(大人用) | +7.5% | +6.2% |
| 生理用ナプキン | +6.5% | +5.8% |
| 台所用洗剤 | +4.4% | — |
| 紙おむつ(乳幼児用) | +2.4% | +2.4% |
| 物価全体(総合) | +1.9% | +1.9% |
2026年8月の消費者物価指数で、日用品(家事用消耗品)の値段は前の年より10.1%高くなっていました。物価全体の+1.9%の5倍以上です。トイレットペーパー、ティッシュペーパー、キッチンペーパー、ラップ、洗濯用洗剤は、どれも1年でほぼ1割上がっています。
注目したいのは、上がった時期です。トイレットペーパーは7月の+0.9%から8月に+10.5%へ、ティッシュも+1.7%から+10.5%へ、1か月で一気に上がりました。生理用ナプキンと大人用の紙おむつは、6月までは前の年よりわずかに安かったのが、7月にそろって値上がりに転じています。2026年の夏に、メーカーの値上げが店頭の値段に表れたことが数字から読み取れます。
| 年 | トイレットペーパー | ティッシュペーパー |
|---|---|---|
| 2022年8月 | +4.9% | +3.3% |
| 2023年8月 | +15.2% | +19.7% |
| 2024年8月 | +0.6% | +4.0% |
| 2025年8月 | +4.3% | +2.4% |
| 2026年8月 | +10.5% | +10.5% |
トイレットペーパーとティッシュは、2023年に大きく値上がりしたあと、2026年に再び1割を超える値上げになりました。トイレットペーパーとティッシュの物価指数は、2026年8月に2000年以降で最も高い水準です。
「エリエール」の大王製紙は、家庭用・業務用の紙製品の全品を、2026年8月1日納品分から現行価格より15%以上値上げすると発表しました。理由として、中東地域の情勢不安を背景にした原材料や資材の調達価格の上昇と、供給面の不透明感を挙げています。5年前の2021年8月に1,000円で買えたトイレットペーパーは、2026年8月には約1,400円になった計算です。
| 段階 | 中身 |
|---|---|
| 1. 原油 | 2026年2月末からの中東情勢の緊迫で、日本が輸入する原油の値段が急上昇(ドバイ原油は3月19日に1バレル169.8ドル) |
| 2. 石油からつくる材料 | 原油からつくるナフサが値上がりし、不織布や、水分を吸う高吸水性樹脂などの材料が高くなる |
| 3. 商品の値段 | 紙おむつ・生理用品・ラップ・ポリ袋など、石油由来の材料を使う日用品が値上がり |
紙おむつや生理用品には、肌に触れる不織布や、水分を閉じ込める高吸水性樹脂が使われています。どちらも石油からつくる材料で、日本経済新聞は2026年5月、ユニ・チャームや大王製紙が材料の値上がりを理由に、2026年の夏から紙おむつなどを値上げすると報じました。ポリ袋(前年比+23.7%)やラップ(+10.2%)が大きく上がっているのも、同じ石油由来の材料を使うためと考えられます。
物価の数字にも、その動きが表れています。生理用ナプキンの指数は2026年6月の99.7から7月に105.9へ、1か月で約6%上がりました。大人用の紙おむつも7月に+6.2%と値上がりに転じています。乳幼児用の紙おむつは、2026年8月の前年比が+2.4%と、ほかの品目より上がり方が小さくなっています。
生理用品は、使う量を減らしたり、ほかの物で代えたりしにくい日用品です。生理用ナプキンの物価は、2021年8月からの5年で+35.1%、物価全体(+14.7%)の2倍以上のペースで上がりました。毎月必ず買う物の値上げは、1回の金額が小さくても負担感が積み重なります。
消費者物価指数の品目別の指数で、2021年8月と2026年8月を比べました。いちばん大きく上がったのは洗濯用洗剤の+78.2%で、5年で約1.8倍です。ティッシュペーパー(+45.5%)、トイレットペーパー(+40.1%)、生理用ナプキン(+35.1%)、大人用の紙おむつ(+33.9%)が続き、どれも物価全体(+14.7%)の2倍以上でした。
一方で、シャンプー(+11.5%)や歯磨き(+13.1%)は、物価全体と同じくらいの上がり方です。日用品の中でも、紙や石油由来の材料を多く使う品目ほど、値上がりが大きい傾向が見られます。
| 年 | 洗濯用洗剤 | 台所用洗剤 |
|---|---|---|
| 2022年8月 | +9.0% | +0.4% |
| 2023年8月 | +12.1% | +11.5% |
| 2024年8月 | +14.0% | +7.6% |
| 2025年8月 | +15.3% | +0.5% |
| 2026年8月 | +10.9% | +4.4% |
洗濯用洗剤は、2022年から2026年まで毎年8月の前年比が+9%以上で、5年続けて大きく値上がりしています。台所用洗剤が年によって上がったり落ち着いたりしているのと比べると、洗濯用洗剤の値上がりは長く続いています。
値段はそのままで中身の量を減らす、いわゆるステルス値上げも、物価の数字には入っています。総務省統計局は、品質が同じで容量や重さだけが減った場合、その分を実質的な値上がりとして消費者物価指数に反映していると説明しています。たとえば中身が1割減って値段が同じなら、約1割の値上げとして数えられます。「量が減った気がする」という実感は、統計の上でも値上げとして扱われています。
日用品は毎日使う物なので、1回あたりの値段で比べる習慣が効きます。トイレットペーパーは、同じ12ロールでも1ロールの長さが違う商品があり、「長さ2倍」の商品なら交換の手間も減ります。洗剤も、1回に使う量が商品によって違うため、1回あたりの値段で比べると実際の安さが分かります。
値上げの前に買い置きをするなら、トイレットペーパーや洗剤のように傷みにくく、必ず使う物が向いています。ただし、まとめて買いすぎると置き場所に困り、家計の負担が一時期に集中します。買い置きは1〜2か月分くらいを目安に、無理のない範囲にとどめましょう。
A. 帝国データバンクの毎月の値上げ品目数の調査は飲食料品が対象で、日用品は含まれていません。日用品の値上げは、メーカー各社のニュースリリース(価格改定のお知らせ)で発表されます。よく使う商品のメーカーのページを確かめるのが確実です。
A. 生理用品に使う不織布や高吸水性樹脂は、石油からつくるナフサを原料にしています。2026年は中東情勢で原油が値上がりし、こうした材料のコストが上がったことが理由と報じられています。物価の数字では、生理用ナプキンは2026年7月に前年比+5.8%と値上がりに転じました。
A. 消費者物価指数では、2026年8月のトイレットペーパーは前年同月比+10.5%でした。大王製紙は2026年8月1日納品分から、紙製品の全品を15%以上値上げすると発表しています。
A. 2021年8月からの5年では、食料全体の物価は+30.7%でした。トイレットペーパー(+40.1%)やティッシュ(+45.5%)は、食料全体より大きく上がっています。食品の値上げの流れは値上げはいつまで続く?でまとめています。
品目ごとの値上がりは値上がり品目ランキング、物価全体の毎月の動きは物価ウォッチで確かめられます。
この記事の情報は2026年10月5日時点のものです。主な出典: 総務省統計局「消費者物価指数」(2025年基準・全国・品目別、e-Stat)・「消費者物価指数に関するQ&A」、大王製紙「家庭用・業務用製品の価格改定について」、日本経済新聞(2026年5月の報道)、内閣府「今週の指標 No.1415」(2026年6月5日)。物価の先行きを予想したり、特定の商品の購入をすすめたりするものではありません。