初雪とは、その冬に初めて観測された雪のことで、みぞれも含み、地面に積もらなくても初雪です。気象庁は「冬」を8月から翌年7月までの1年(寒候年)で数え、その中で最初に雪かみぞれが降った日を初雪としています。この記事では、気象台の資料をもとに初雪の決まり方と、初冠雪・初積雪との違いをまとめ、当サイトの初雪・初積雪データベースで「初雪が降っても積もらない冬」がどれくらいあるかを確かめます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 初雪 | 秋から冬にかけて、初めて降る雪またはみぞれを観測した日 |
| みぞれ | 雨と雪がまじって降るもの。初雪に含める |
| 積もったか | 関係ない。空から降ってくるのを観測すれば初雪 |
| 数える期間 | 寒候年=前年8月1日から当年7月31日まで。2025年秋〜2026年春は「2026寒候年」 |
| 観測する場所 | 各地の気象台など。同じ県でも、気象台の場所で降らなければ初雪にならない |
| 平年日 | 1991〜2020年の30年間の平均。10年ごとに見直す |
気象台の説明では、初雪は「秋から冬にかけて、初めて降る雪またはみぞれを観測した日」です。雨と雪がまじったみぞれでも初雪になり、降ってすぐ解けてしまっても関係ありません。たとえば東京の2025〜26年の冬の初雪は、2026年1月2日の18時55分ごろに観測され、地面に積もるほどではありませんでした。
注意したいのは、初雪は気象台など決まった場所での観測だということです。同じ市内でも、山沿いでは雪が舞ったのに、気象台のある市街地では雨だけだった、ということがあります。この場合、初雪の発表はまだです。各地の平年日は初雪はいつ?47都道府県の平年日一覧にまとめています。
| 言葉 | 意味 | 平年日の例 |
|---|---|---|
| 初冠雪 | 山の頂上付近が雪で白くなったのを、その冬に初めて確認した日 | 富士山 10月2日 |
| 初雪 | その冬に初めて雪(みぞれを含む)が降った日 | 札幌 10月28日 |
| 初積雪 | その冬に初めて地面に雪が積もった日(積雪の初日) | 札幌 11月9日 |
| 根雪 | 解けずに長く残る雪の始まり。気象庁の言葉では「長期積雪」(30日以上続く積雪)の初日 | 札幌 12月3日 |
雪の季節の便りは、ふつう初冠雪 → 初雪 → 初積雪 → 根雪の順に届きます。高い山の頂上はふもとより先に雪で白くなり、その後に街でも雪が舞い、地面が白くなる日が来て、さらに寒くなると春まで解けない雪になります。札幌の平年日で見ると、初雪から初積雪まで12日、根雪の始まりまで36日です。
「積雪」は、気象台の観測する場所(露場)の地面の半分以上が雪で覆われた状態をいいます。深さが1cmに届かなくても、半分以上が白ければ「積雪0cm」と記録されます。ただし、職員が見て判断するものなので、目視観測をやめた気象台では、積雪計で1cm以上を測った日を積雪の初日として扱っています。
| 時期 | 自動観測に変わった気象台 |
|---|---|
| 2019年2月 | 関東甲信地方の地方気象台(熊谷など) |
| 2020年2月3日 | 北海道(札幌を除く)・東北・近畿・中国・四国などの多くの地方気象台と測候所 |
| 2024年3月26日 | 札幌・仙台・名古屋・新潟・広島・高松・福岡・鹿児島・沖縄 |
| 2026年10月時点 | 東京と大阪は、職員による目視観測を続けている |
以前の初雪は、気象台の職員が空を見て「雪が降ってきた」と記録していました。いまは東京と大阪を除く気象台で、機械による自動観測に変わっています。福岡管区気象台の解説によると、視程計という機械が赤外線を空中に当て、雨粒や雪で散らばる光の強さと、気温・湿度の関係から「雪」「みぞれ」「雨」を見分けます。
自動観測では、人の目では見逃しやすい短い雪も記録されることがあります。2025年10月23日の札幌の初雪は、気温が6℃前後と高めでしたが、湿度が低く、自動観測で雪かみぞれと判定されたと報じられています。このため気象台は、自動観測の地点の平年値を「目視観測の記録を自動観測相当に補正した値」としていて、熊谷などでは目視時代の最も早い・遅い記録との比較をやめています。
初雪は毎年のように降っても、雪が積もるかは地域で大きく違います。当サイトのデータベースで1976〜77年から2025〜26年までの50冬を調べると、札幌は50冬すべてで10cm以上積もり、仙台も36冬で10cm以上でした。
一方、東京では50冬のうち15冬、福岡では20冬、大阪では33冬で、1cm以上の雪が一度も積もりませんでした。大阪で10cm以上積もったのは50冬で2冬だけです。初雪のニュースを聞いても、太平洋側や西日本の平野部では、その冬に雪が積もらないまま春になることも珍しくありません。どの冬に何cm積もったかは積雪ウォッチでも見られます。
「富士山の初雪」として話題になるのは、ふもとの甲府地方気象台から見て山頂が白くなった初冠雪です。1991〜2020年の平均は10月2日ですが、2024年は11月7日で、1894年からの記録でもっとも遅い初冠雪でした。2025年は10月23日です。年代ごとに平均すると、2010年代は10月8日、2020〜2025年は10月10日で、1900〜1930年代(どの年代も9月下旬)より2週間ほど遅くなっています。
気象庁は2026年7月31日、全国44の山で職員が目で見て決めていた初冠雪の観測をやめ、2026〜27年の冬からは、アメダスや気象衛星などから計算した「解析積雪深」で山頂の雪を判断すると発表しました。雲で山が見えない日や夜でも分かるようになる一方、目視の記録とは単純に比べられないとしています。2026年10月8日時点では、北海道の旭岳で10月2日に初冠雪が記録され、富士山はまだです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 読み方 | はつゆき |
| 意味 | その冬に初めて降る雪 |
| 季語 | 冬の季語(天文) |
| 英語 | the first snow(of the season) |
| 反対の言葉 | 終雪(しゅうせつ)。気象庁の言葉では「雪の終日」=その冬の最後の雪 |
| 似た言葉 | 初冠雪、初積雪、初霜、初氷 |
「初雪」は「はつゆき」と読み、俳句では冬の季語です。手紙では「初雪の候」のように、初雪の便りが届くころの時候のあいさつにも使われます。英語では the first snow と言い、「初雪が降った」は The first snow of the season fell. のように表します。
反対に、その冬の最後の雪は「終雪」で、気象庁は「雪の終日」と呼びます。札幌の雪の終日の平年は4月21日で、初雪の10月28日から半年近く、雪が降る可能性のある季節が続きます。
A. 気象台で観測されれば、時間は関係ありません。自動観測の地点では、夜中の短い雪やみぞれも機械が記録します。
A. 初雪は気象台など決まった観測場所で判断するためです。気象台のある場所で雪やみぞれが観測されなければ、発表されません。
A. 気象庁は目視観測の見直しを進めていて、秋田地方気象台などでは2025〜26年の冬から初霜・初氷の目視観測を終えています。初雪は自動観測で続いています。
A. あります。東京では2016年11月24日の初雪の日に積雪も観測され、11月の積雪は1875年の統計開始以来初めてでした。ただ、多くの都市では初雪から初積雪まで2〜5週間ほどかかります(平年)。
各地の平年日と2025〜26年の冬の記録は初雪はいつ?で、8都市の冬ごとの積雪は初雪・初積雪データベースで確かめられます。
この記事の情報は2026年10月8日時点のものです。主な出典: 気象庁「予報用語」(みぞれ・積雪・根雪)「平年値(霜・雪・結氷の初終日)」「初冠雪の記録等」「初冠雪に関する情報提供の改善について」(2026年7月31日)「配信資料に関するお知らせ」(2019年12月26日・2024年2月9日)、福岡管区気象台「はれるんマガジン」第36号、東京管区気象台「東京の初雪」(2026年1月2日)、秋田・神戸・松山・熊谷・大阪管区・札幌管区の各気象台の資料、ウェザーニュース(2025年10月24日)。積雪の集計は気象庁の日別値をもとにした当サイトの計算です。