白菜が高いのは、2026年9月の長雨と日照不足で、この時期の主な産地である長野県産の白菜の育ちが悪くなり、出荷が減っているためです。東京都中央卸売市場の週間市況では、長野県産の白菜の卸値が8月末から10月上旬の5週間で約3倍、前年の同じ時期の1.7倍になりました。この記事では、農林水産省の見通しと、当サイトの野菜の卸売価格ウォッチ(2002年〜)のデータで、高い理由と、過去に高かった年のその後を整理します。
| 時期 | できごと |
|---|---|
| 8月 | 東京の市場の白菜の卸値は1kg約110円で、平年(過去5年の8月の平均)より22%高い |
| 9月 | 白菜・レタスの主な産地で、雨が平年の約3倍、日照時間が平年の約3分の1 |
| 9月中旬〜 | 長野県産で育ちが悪く、使えない部分も増える。卸値が週ごとに上がる |
| 10月 | 農林水産省は、出荷量は平年を下回り、値段は平年を上回る見込みと発表 |
農林水産省が2026年9月30日に出した10月の見通しによると、東京の市場に入る白菜は10月は長野県産が中心(2025年10月は87%)で、その長野県産が9月の長雨と日照不足で育ちが悪く、使えない部分を取り除くぶん量も減っています。そのため10月の出荷量は平年を下回り、値段は平年を上回って動く見込みとされました。NHKは、白菜・レタス・ピーマンは平年より3割以上高くなる見込みと伝えています。
ウェザーニューズの集計では、レタスと白菜の主な産地の2026年9月の雨の量は平年の約294%、日照時間は約35%でした。同社は、8月からの日照不足と9月の雨の多さで生育が遅れ、水につかった畑もあったと伝えています。
フジテレビ 報道【公式】「“秋の長雨”が暮らしに深刻影響 「出荷できない」熱々「鍋」に異変 “葉物ショック”発生で白菜仕入れ値4倍、ホウレンソウも高騰(2026年10月01日)」(2026年10月公開)。秋の長雨で白菜などの葉物野菜が値上がりしたことを伝えるニュースです。
東京都中央卸売市場の週間市況で、大田市場の長野県産の白菜(15kg箱)の中くらいの値段を1kgあたりに直すと、8月28日〜9月3日の週は約68円でした。9月中旬から週ごとに上がり、10月2〜8日の週は約215円と、5週間で約3.1倍になっています。前年の同じ時期と比べると1.71倍で、1kgあたり約90円高い計算です。2kgの白菜なら、卸値だけで約180円高くなります。
10月2〜8日の週は、東京都中央卸売市場全体に入った白菜の量も1日平均343トンと、前年の同じ時期の68%にとどまりました。量が少なく、値段が高い状態です。消費者物価指数でも、全国の白菜は2026年8月の時点で前年より14.5%高くなっていました。
福岡・佐賀 KBC NEWS「白菜1玉が約1200円… 高騰続く“鍋野菜”いつまで?【ぎゅっと】(2026年10月7日OA)」(2026年10月公開)。白菜1玉が約1,200円になるなど、鍋に使う野菜の値上がりを伝える福岡のニュースです。
店頭では、福岡で白菜1玉が約1,200円になったという報道も出ています。ただし店頭の値段は、お店や地域、白菜の大きさで大きく違います。
| 年 | 10月 | 11月 | 12月 | 12月は平年より |
|---|---|---|---|---|
| 2004年 | 113円 | 76円 | 47円 | 安い |
| 2011年 | 99円 | 35円 | 36円 | 安い |
| 2016年 | 143円 | 116円 | 83円 | 高い |
| 2018年 | 102円 | 51円 | 38円 | 安い |
| 2023年 | 108円 | 50円 | 44円 | 安い |
| 2024年 | 105円 | 80円 | 81円 | 高い |
| 平年 | 87円 | 65円 | 58円 | - |
白菜の値段がいつ下がるかは予想できませんが、過去の動きは参考になります。当サイトの2002年以降のデータで、10月の卸値が平年より1割以上高かった6つの年を見ると、4つの年は12月に平年より安くなっていました。白菜は秋から冬にかけて、主な産地が長野県から茨城県などへ移ります(東京の市場では、10月は長野県産が87%、2月は茨城県産が82%)。
一方で、2016年と2024年は12月も平年より高いままでした。とくに2024年は、年が明けた2025年2〜3月に1kg176〜178円まで上がり、2月は平年の2.1倍になっています。農林水産省は2026年10月について、白菜の値段は平年を上回って動く見込みとしています。11月以降の見通しは、農林水産省が毎月末に発表する「野菜の生育状況及び価格見通し」で確かめられます。
| 順位 | 月 | 卸値 | その月の平年 |
|---|---|---|---|
| 1 | 2020年4月 | 188円 | 98円 |
| 2 | 2025年3月 | 178円 | 108円 |
| 3 | 2025年2月 | 176円 | 83円 |
| 4 | 2020年8月 | 171円 | 99円 |
| 5 | 2018年2月 | 164円 | 83円 |
月の平均で見ると、白菜の卸値が最も高かったのは2020年4月の1kg188円で、2番目と3番目が2025年3月(178円)と2月(176円)でした。2025年2月は平年の2.1倍です。農林水産省はこのとき、主な産地の茨城県などで12〜1月に雨が少なく白菜が小さめになったことや、ほかの葉物野菜も少なく白菜の出荷が前倒しになり、畑に残る量が少なくなったことを理由に挙げていました。
月の平均(全市場)と、上の週ごとの値段(大田市場・長野県産)は集計の仕方が違うので、そのまま比べることはできません。ただ、2026年10月上旬の週ごとの卸値(1kg約215円)は、過去の高い月と比べても高い水準です。
| 月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 円 | 75 | 83 | 108 | 98 | 68 | 68 | 70 | 99 | 108 | 87 | 65 | 58 |
平年の白菜の卸値は、冬の12月が1kg58円で最も安く、9月と3月が108円で最も高くなります。11〜12月は1年で最も安い時期です。
| 野菜 | 1kgあたり | 平年と比べて |
|---|---|---|
| レタス | 1,058円 | 1.50倍 |
| キャベツ | 235円 | 1.43倍 |
| きゅうり | 846円 | 1.13倍 |
| トマト | 1,083円 | 1.11倍 |
| ねぎ | 926円 | 1.00倍 |
| たまねぎ | 328円 | 1.01倍 |
| じゃがいも | 452円 | 1.01倍 |
| にんじん | 469円 | 0.94倍 |
白菜と同じ葉物のキャベツやレタスも高くなっていて、農林水産省の店頭調査(2026年9月28日の週)では平年の1.4〜1.5倍でした。一方で、たまねぎ・じゃがいも・にんじん・ねぎは平年並みです。農林水産省の10月の見通しでも、じゃがいもとたまねぎの値段は平年を下回る見込みとされています。
A. 2026年10月には、福岡で白菜1玉が約1,200円になったと報道されています。ただ店頭の値段は、お店や白菜の大きさでかなり違います。東京の市場の卸値(長野県産)は、10月上旬に1kg約215円でした。
A. 2025年2〜3月は、東京の市場の卸値が1kg176〜178円と、平年の2倍近くになりました。農林水産省は、主な産地の12〜1月の雨が少なく白菜が小さめだったことや、出荷の前倒しで畑に残る量が少なかったことを理由に挙げていました。
A. 2026年秋は9月の長雨と日照不足、2025年冬は12〜1月の少雨と、どちらも天気が原因でした。白菜は季節によって主な産地が変わるため、その時期の産地の天気が値段に大きく影響します。
A. 平年(2016〜2025年)の卸値では12月が1kg58円で最も安く、11月が65円で次に安い月です。ただし2016年や2024年のように、秋の高値が12月まで続いた年もあります。
白菜など16品目の毎月の卸値は野菜の卸売価格ウォッチで、全国の値上がり品目は値上がり品目ランキングで確かめられます。秋の長雨と同じように天気が野菜の値段を動かした例は暖冬のデメリットとメリットの記事でも紹介しています。
この記事の情報は2026年10月11日時点のものです。主な出典: 東京都中央卸売市場「市場統計情報(月報)」(当サイトで収録)「青果物の週間市況」(2026年8月第4週〜10月第1週)、農林水産省「野菜の生育状況及び価格見通し」(2025年1月31日・2026年9月30日)「食品価格動向調査(野菜)」(2026年9月28日の週)、総務省統計局「消費者物価指数」(当サイトで集計)、ウェザーニューズ(2026年10月2日)、NHK・フジテレビ・KBCなどの報道。価格の予想や購入をすすめるものではありません。