「値上げのニュースは減った気がするのに、買い物の合計は安くならない」。2026年の夏、そう感じた人もいると思います。当サイトの物価ウォッチは、総務省「消費者物価指数」を毎月自動で集計しています。この数字で、2026年8月の全国の物価がどう動いたかを確かめました。
この記事の「物価」は、全国の家庭が買うモノやサービスの値段をまとめた国の統計です。「前年比」は、1年前の同じ月より何%高いかを表します。
全国の物価は、2026年8月に1年前の同じ月より1.9%高くなりました。2026年7月も同じ1.9%でした。
2024年以降でいちばん上がり方が大きかったのは、2025年1月の4.0%です。2026年8月の上がり方は、その半分より少し小さくなりました。
1年前の2025年8月は2.7%でした。2026年に入ると1月から6月までは1%台で、いちばん小さかったのは2月の1.3%です。
ただし、前年比がプラスということは、値段が上がり続けているということです。全国の物価は2021年9月から2026年8月まで、60か月(5年)続けて1年前を上回りました。
生活の言葉に直してみます。生活費が月30万円の家庭にあてはめると、1.9%は月に約5,700円、1年で約6万8,400円の負担増にあたります。
全国の食料の値段は、2026年8月に1年前より3.1%高くなりました。1年前の2025年8月は7.2%だったので、上がり方は半分以下です。
食料の上がり方がいちばん大きかったのは、2023年9月の9.0%でした。2025年1月にも7.8%まで上がりましたが、2026年1月からは3%台で落ち着いています。
食費が月8万円の家庭にあてはめると、3.1%は月に約2,480円です。1年前の7.2%なら月に約5,760円だったので、増え方は小さくなりました。
電気・ガス・ガソリンなどをまとめたエネルギーは、2026年8月にマイナス0.7%でした。1年前より少しだけ安い、という意味です。
エネルギーの前年比は、2026年の8か月のうち7か月がマイナスでした。プラスだったのは7月の0.6%だけです。
| 項目 | 2026年8月 | 2026年7月 | 2025年8月 | ひとこと |
|---|---|---|---|---|
| 物価全体(総合) | +1.9% | +1.9% | +2.7% | 60か月続けてプラス |
| 食料 | +3.1% | +3.5% | +7.2% | 1年前の半分以下 |
| エネルギー | −0.7% | +0.6% | −3.3% | 1年前より少し安い |
| 光熱・水道 | −0.3% | +0.7% | −4.0% | ほぼ横ばい |
| 生鮮食品を除く全体 | +1.7% | +1.8% | +2.7% | 天候で動く野菜などを除く |
| 生鮮食品とエネルギーを除く全体 | +1.9% | +1.9% | +3.3% | 値動きの大きい2つを除く |
表で見ると、物価全体を押し上げているのは食料です。エネルギーが1年前より安いぶん、物価全体の上がり方は1.9%におさまりました。
なお、エネルギーの前年比は、電気代やガス代への国の補助がある月とない月でも動きます。品目ごとの値段は光熱費ウォッチとガソリン価格ウォッチで見られます。
ここまでの「前年比」は、値段が上がる速さの話でした。値段そのものの高さは、指数(基準の年の平均を100とした数字)で確かめられます。総務省の指数は2025年の平均を100にしています。
全国の物価全体は、2026年8月に102.2でした。2020年の平均は89.3なので、2020年に1万円だった買い物が11,445円になった計算です。
食料は2020年の平均の79.5から103.8に上がり、同じ1万円の買い物が13,057円になりました。エネルギーは81.3から97.1に上がり、1万1,943円です。
前年比が4.0%から1.9%に縮んでも、値段が下がったわけではありません。すでに高くなった値段の上に、さらに1.9%が乗った形です。
この記事は総務省統計局「消費者物価指数」(全国・2025年基準)の数値を、当サイトが集計したものです。2026年8月分が執筆時点の最新です。2026年9月21日の公開時は2020年基準の数値(物価全体+2.0%・食料+3.2%・エネルギー−0.3%など)で書いていましたが、総務省が公表する2025年基準の数値に合わせて2026年10月5日に直しました。2025年より前の指数は、総務省が2025年基準に接続した値です。前年比は総務省が公表する小数第1位までの値で、「半分」などの比べ方はこの公表値どうしの計算です。「物価全体」は総合指数、「エネルギー」は電気代・都市ガス代・プロパンガス・灯油・ガソリンをまとめた系列です。月30万円・月8万円へのあてはめは、物価の変化率をそのままかけた目安で、実際の家計の支出の変化とは一致しません。この記事は物価の予想ではなく、買い物や契約について何かをすすめるものでもありません。