今年は台風のニュースを見る回数が多かった気がする、という方は少なくないと思います。当サイトの台風データは、気象庁が公表している台風の統計を1951年までさかのぼって収録しています。75年分の記録と今年を並べてみると、「多い」という実感には裏づけがありました。ただし、多かったのは発生の数のほうでした。
2026年8月末までに発生した台風は23個でした。同じ1〜8月の平年値は13.5個ですから、1.7倍、数にして9.5個多い計算になります。9月3日の時点では24個です。
日数に置き換えると分かりやすくなります。1月1日から8月31日までは243日。23個ならおよそ10.6日に1個のペースで台風が生まれたことになります。平年のペースは18.0日に1個ですから、今年は1週間ほど間隔が短かったわけです。1年間の平年値は25.1個ですが、今年はその手前まで8か月で届いてしまいました。
月ごとに数えると、増えたのは夏に集中していました。8月は10個で、平年の5.7個の1.75倍です。7月も5個(平年3.7個)で、7月と8月の2か月だけで15個。平年の同じ2か月は9.4個ですから、ここで差の6割ほどがついた形です。
| 月 | 2026年 | 平年 | 差 |
|---|---|---|---|
| 1〜4月(合計) | 4個 | 1.5個 | +2.5個 |
| 5月 | 2個 | 1.0個 | +1.0個 |
| 6月 | 2個 | 1.7個 | +0.3個 |
| 7月 | 5個 | 3.7個 | +1.3個 |
| 8月 | 10個 | 5.7個 | +4.3個 |
| 1〜8月(合計) | 23個 | 13.5個 | +9.5個 |
| 9月(3日まで) | 1個 | 5.0個 | — |
冬から春にかけても多めでした。1〜4月の合計は4個で、平年は1.5個です。もっとも、これから先はまだ分かりません。平年でいちばん台風が多い月は9月の5.0個で、10月も3.4個あります。1年の台風シーズンは、まだ半分ほど残っています。
ここが今年の特徴です。発生は平年の1.7倍でしたが、日本に上陸した台風は9月3日時点で2個。1年間の平年値は3.0個ですから、いまのところ上陸の数は平年を上回っていません。発生した24個のうち上陸は2個、割合にすると12個に1個でした。
台風がどこで生まれ、どちらへ進むかは、その年の高気圧や風の流れで変わります。「発生が多い年は上陸も多い」とはかぎらない、ということが今年の数字にあらわれています。ただし平年では、9月から12月にかけて11.6個、1年の46%が発生します。シーズンはまだ続きます。
では長い目で見ると、台風は増えているのでしょうか。75年分を並べると、答えは「増えてはいない」でした。年代ごとの平均は1960年代が29.6個で最も多く、2020年代は23.3個です。いちばん多かったのは1967年の39個、少なかったのは2010年の14個でした。
つまり今年は「発生の多い年」ではありますが、記録的というほどではありません。9月3日時点の24個は、過去75年の年間発生数と比べると27年分(36%)を上回る数字です。数の多さより、8月に集中したことのほうが今年らしさかもしれません。
この記事は気象庁「台風の統計資料」の公表値を当サイトが集計したものです。今後の台風の発生や進路を予想するものではありません。発生数は協定世界時(世界共通の時刻)を基準に数えられています。平年値は1991〜2020年の30年平均です。集計時点は2026年9月3日です。防災の判断は気象庁や自治体の最新の発表をご確認ください。