「名古屋で、道路が川のようになった」。2026年9月8日の名古屋の雨は、そう言われるほどの降り方でした。当サイトの豪雨カウンターは、気象庁の日別データから、主要8都市の1時間雨量と1日の雨量を1976年分から毎日集計しています。この数字で、9月8日の雨がどれくらい強かったのかを確かめました。
名古屋で2026年9月8日に降った雨は、いちばん強かった1時間で104.5mmでした。気象庁の日別データがそろう1976年から2026年までの51年間で、名古屋の1時間雨量としては最大です。
それまでの1位は、東海豪雨と呼ばれる2000年9月11日の97.0mmでした。2026年9月8日の雨は、この記録を7.5mm上回りました。3位は2008年8月29日の84.0mmで、それより下は75.0mm以下です。
104.5mmの雨を生活の言葉に直すと、1平方メートルの地面に1時間で104.5リットルの水が降った計算です。2リットルのペットボトルなら約52本分。家庭のお風呂1杯(200リットル)の半分が、1平方メートルごとに1時間で降ったことになります。
| 日付 | 1時間の最大 | その日1日の合計 | 1時間雨量の順位 | 1日の雨量の順位 |
|---|---|---|---|---|
| 2026年9月8日 | 104.5mm | 219.5mm | 1位 / 51年 | 2位 / 51年 |
| 2000年9月11日(東海豪雨) | 97.0mm | 428.0mm | 2位 / 51年 | 1位 / 51年 |
| 2008年8月29日 | 84.0mm | 133.5mm | 3位 / 51年 | — |
気象庁は、1時間に80mm以上の雨を「猛烈な雨」と呼びます。名古屋で猛烈な雨が観測された日は、51年で3日しかありません。2000年の東海豪雨、2008年8月29日、そして2026年9月8日です。
9月8日は、1日の雨の量も219.5mmに達しました。名古屋で9月ひと月に降る雨の平年(1991〜2020年の平均)は231.6mmです。9月ひと月分の雨の95%が、1日で降ったことになります。1日の雨量としては、東海豪雨の428.0mmに次ぐ51年で2位でした。
名古屋の「その年でいちばん強かった1時間の雨」を1976年から並べました。1976〜2025年の50年の平均は44.1mmです。2026年の104.5mmは、ふつうの年のいちばん強い雨の2.4倍にあたります。
1時間に50mm以上の「非常に激しい雨」は、名古屋では51年で21日ありました。月別に数えると、9月が12日で半分以上です。8月が6日、7月が2日、10月が1日で、6月以前はありません。名古屋のいちばん強い雨は、9月に集中する傾向です。
10年ごとに見ると、1時間30mm以上の雨の日数は、1976〜1985年が年に1.8日、2016〜2025年が年に2.0日でした。年でいちばん強い雨の平均も43.4mmから43.0mmで、ほぼ変わっていません。名古屋では、強い雨の日数が目立って増えているわけではなく、そのなかで2026年9月8日の1日だけが飛び抜けていた、という形です。
ちなみに、2026年の名古屋で1時間30mm以上の雨が降った日は、9月8日の1日だけです。1日50mm以上の雨は4月10日、6月3日、6月26日、7月2日、9月8日の5日でした。
主要8都市で、1976年以降にいちばん強かった1時間の雨を並べました。1位は那覇の110.5mm(1998年7月17日)です。名古屋の104.5mmは、那覇に次ぐ2番目でした。
3番目は福岡の96.5mm(1997年7月28日)、4番目は東京の82.5mm(2000年7月4日)です。2026年9月8日の名古屋の雨は、福岡や東京が51年で経験したことのない強さでした。大阪・仙台・広島・札幌の4都市は、80mm以上の雨を1976年以降に一度も観測していません。
| 都市 | 歴代最大の1時間雨量 | その日付 | 80mm以上の日数 | 50mm以上の日数 |
|---|---|---|---|---|
| 那覇 | 110.5mm | 1998年7月17日 | 9日 | 78日 |
| 名古屋 | 104.5mm | 2026年9月8日 | 3日 | 21日 |
| 福岡 | 96.5mm | 1997年7月28日 | 1日 | 21日 |
| 東京 | 82.5mm | 2000年7月4日 | 1日 | 19日 |
| 大阪 | 77.5mm | 1979年9月30日※ | 0日 | 7日 |
| 仙台 | 72.0mm | 1990年9月20日 | 0日 | 5日 |
| 広島 | 62.5mm | 2016年9月17日 | 0日 | 6日 |
| 札幌 | 42.0mm | 2010年8月24日 | 0日 | 0日 |
1時間50mm以上の「非常に激しい雨」の日数で見ると、那覇の78日が飛び抜けています。名古屋と福岡は21日で同数、東京は19日でした。名古屋は、東京や福岡と同じくらいの回数の強い雨を経験しながら、いちばん強い1時間では8都市で2番目、という位置にあります。
この記事は気象庁「過去の気象データ」の日別値(名古屋地方気象台など各都市の気象台の観測値)を、当サイトが2026年9月13日に取得して集計したものです。1時間雨量は各日の「1時間降水量の日最大値」で、0時から24時までの1時間ごとの値のうち最も大きいものです。順位は1976年1月1日〜2026年9月12日の日別値を大きい順に並べたもので、1976年より前の記録は含みません。平年は1991〜2020年の平均です。気象庁の観測値は事後に修正されることがあり、その場合は図の数字が本文と異なることがあります。この記事は気象の予想ではなく、避難や防災の行動を指示するものでもありません。