そろそろストーブの置き場所を考える季節です。ただ今年は、灯油の値段が少し気がかりかもしれません。当サイトの灯油価格とガソリン価格は、資源エネルギー庁が毎週公表している石油製品の価格調査を、1990年8月までさかのぼって収録しています。36年分・433か月の記録を集計すると、いま灯油にだけ起きている変化が見えてきました。
2026年8月24日調査の全国平均で見ると、レギュラーガソリンは1リットル169.9円。1年前より4.3円安く、率にすると−2.5%です。ハイオクも−2.3%と下がり、軽油は+3.2%とわずかに上がった程度でした。ところが同じ調査の灯油は、配達価格が18リットルで2,719円。1年前より328円(+13.7%)高くなっていました。お店で買う店頭価格も2,534円で、こちらは+14.3%です。
どちらも同じ原油からつくられる燃料なのに、この1年は向きが逆になっています。生活の場面に置き換えると、ガソリンは50リットルの満タンで約215円の値下がり。いっぽう灯油は、ポリタンク1缶(18リットル)ごとに328円の値上がりです。仮にひと月4缶使う家庭なら、ひと月で約1,300円、11月から3月までの5か月では約6,600円の差になります。
2026年8月の月平均2,719円は、記録のある433か月のうち2位でした。では1位はいつかというと、2026年7月の2,720円です。さらに上位5か月を並べると、4月・5月・6月・7月・8月とすべて2026年が占めていました。1年を通した平均(1〜8月)でも2,622円で、これも36年で最も高い水準です。前の年の同じ時期より197円高くなっています。
| 年 | 配達 | 店頭 | 配達の1年前差 |
|---|---|---|---|
| 2020年8月 | 1,609円 | 1,456円 | −174円 |
| 2021年8月 | 1,916円 | 1,758円 | +307円 |
| 2022年8月 | 2,184円 | 2,025円 | +268円 |
| 2023年8月 | 2,355円 | 2,188円 | +171円 |
| 2024年8月 | 2,283円 | 2,109円 | −72円 |
| 2025年8月 | 2,392円 | 2,218円 | +109円 |
| 2026年8月 | 2,719円 | 2,533円 | +327円 |
記録の中でいちばん安かったのは1999年5月の835円ですから、いまはその約3.3倍にあたります。ただし、直近5年の週ごとの記録で最も高かったのは2026年3月16日調査の2,951円。そこからは232円下がった位置にいます。「高いまま高止まりしている」という表現が、いちばん近そうです。
「灯油は冬になると上がる」とよく言われます。そこで、8月の月平均と翌年1月の月平均を比べる作業を、2006年から20回ぶんくり返しました。結果は上がったのが11回、下がったのが9回。ほぼ半々です。上がった年の平均は+136円、下がった年の平均は−235円で、下がるときのほうが大きく動いていました。直近10回(2016〜2025年)に絞ると平均は+66円です。
いちばん大きく下がったのは2008年8月から2009年1月にかけての−1,112円。原油価格そのものが急落した年でした。逆にいちばん上がったのは2016年の+239円です。つまり冬に向かうかどうかより、その年の原油とレートの動きのほうが大きい、というのが20回ぶんの記録から言えることです。今年どうなるかは、このデータからは分かりません。
| 高い方から5県 | 円/18L | 安い方から5県 | 円/18L |
|---|---|---|---|
| 東京 | 3,012円 | 徳島 | 2,594円 |
| 新潟 | 2,873円 | 青森 | 2,616円 |
| 静岡 | 2,823円 | 岩手 | 2,631円 |
| 鹿児島 | 2,817円 | 秋田 | 2,639円 |
| 福井 | 2,808円 | 熊本 | 2,642円 |
最後に地域差です。配達価格でいちばん高い東京は3,012円、いちばん安い徳島は2,594円で、その差は418円。同じ18リットルで1割以上ちがいます。月4缶・5か月で計算すると約8,400円の開きです。寒い地域が高いとはかぎらず、青森・岩手・秋田は安いほうに並んでいました。使う量が多い地域ほど競争が働きやすい、ということかもしれません。
この記事は資源エネルギー庁「石油製品価格調査」の公表値を当サイトが集計したものです。価格の見通しを示すものではなく、購入や取引をすすめるものでもありません。価格はすべて全国平均(税込・現金価格)で、店頭・地域によって異なります。集計時点は2026年9月3日、価格調査日は2026年8月24日です。