くらしデータ
数字で見る、毎日のくらし
余った太陽光、
九州で12.1億kWh。
電力8社の需給実績で確かめた(2026年1月1日〜9月11日)
エネルギーデータ検証

九州の太陽光、2026年は「余って止めた電気」が12.1億kWh。約34万世帯の1年分で、2025年の同じ時期の1.4倍だった

公開 2026.09.12読了 約5分
この記事でわかること
・九州エリアで2026年に余って止めた太陽光の量と、家庭の電気に直した大きさ
・止めた電気の83%が、3〜5月の春に集中していたこと
・ほかの7エリアとの比較。東京エリアでは2026年に初めて出力制御があったこと

「晴れた日の昼は、太陽光の電気が余っている」と聞いたことはないでしょうか。電気はためておくのが難しいので、使う量より多く作れそうな時間は、電力会社が太陽光の発電所に発電を止めてもらいます。この仕組みを「出力制御」といいます。当サイトの太陽光比率ウォッチは、各電力会社の需給実績から、この止めた量も毎日集計しています。太陽光の割合が特に高い九州エリア(九州電力送配電の管内)で、2026年にどれだけ止めたのかを数えました。

この記事を59秒の動画で見る
ナレーション: VOICEVOX:ずんだもん / 動画の数値は記事と同じ集計です

結論:2026年は9月11日までに12.1億kWh。2025年の1年分をすでに超えた

九州エリアで余って止めた太陽光(出力制御量・億kWh)
グラフを読み込み中…
2026年は9月11日までで12.1億kWh。2025年の同じ期間の1.4倍で、2025年の1年分(9.3億kWh)を上回っています。
出典: 太陽光比率ウォッチ(当サイト、一般送配電事業者8社「エリア需給実績」より集計)。青=2026年、灰=2025年・2024年の同じ期間、橙=2025年の1年分。2024年は記録が始まった4月1日からの集計。グラフは毎日自動更新されます

九州エリアで太陽光の発電を余って止めた量は、2026年1月1日〜9月11日の合計で12.1億kWhでした。2025年の同じ期間は8.5億kWhで、1.4倍です。

2025年の1年分は9.3億kWhでした。2026年は9月11日の時点で、それを2.8億kWh上回っています。2024年(記録がある4月1日〜12月31日)の4.4億kWhと比べると、2年で3倍近くになりました。

家庭の電気に直してみます。1世帯が1か月に300kWh使うとすると(1年で3,600kWh)、12.1億kWhは約34万世帯の1年分です。九州エリア全体が使う電気に直すと、約5日分にあたります。

別の見方もあります。止めた分と実際に発電した分を足すと、2026年に九州の太陽光が「作れた電気」になります。そのうち10.4%が止めた分でした。2025年の同じ期間は7.3%です。作れた太陽光の10本に1本を使わずに止めた計算です。

検証:止めたのは春。5月だけで1年の半分だった

九州エリアの月別の出力制御量(億kWh・2026年と2025年)
グラフを読み込み中…
2026年は3〜5月に集中し、5月だけで5.5億kWh。7月と8月はゼロでした。
出典: 太陽光比率ウォッチ(当サイト集計)。青=2026年、灰=2025年。2026年9月は11日までの途中集計。グラフは毎日自動更新されます
九州エリア・2026年の月別(一般送配電事業者8社「エリア需給実績」より当サイト集計・9月は11日まで)
出力制御(2026年)出力制御(2025年)太陽光の割合(2026年)昼のピークの最大シェア
1月0.2億kWh0.5億kWh13.8%76.1%
2月0.8億kWh0.3億kWh15.4%79.0%
3月2.1億kWh2.1億kWh18.7%79.5%
4月2.4億kWh2.8億kWh15.4%72.0%
5月5.5億kWh2.1億kWh20.3%73.9%
6月1.0億kWh0.6億kWh14.6%67.4%
7月00.04億kWh18.7%67.0%
8月0019.9%74.6%
9月(11日まで)0.03億kWh0.01億kWh12.9%52.4%
太陽光の割合=その月に使った電気のうち太陽光の割合(電力量ベース)。昼のピークの最大シェア=30分ごとの値で、その月に太陽光が需要に占めた割合の最大。2025年の値は同じ月の合計

月別に見ると、2026年の出力制御は3〜5月の3か月に10.0億kWhが集中していました。1月1日〜9月11日の合計の83%です。5月だけで5.5億kWhと、全体の45.7%を占めます。

2025年の5月は2.1億kWhでした。2026年の5月はその2.7倍です。2025年と比べて増えた分の大半は、この5月で説明がつきます。

なぜ春に余るのでしょうか。春は晴れて昼が長いのに、冷房も暖房もあまり使わず、昼に使う電気が少ないためです。2026年3月4日には、昼のピークで九州の電気の79.5%が太陽光でした。逆に7月と8月はゼロでした。冷房で昼の電気をたくさん使うので、太陽光を使い切れているためです。

ほかのエリアは?8エリア合計の半分が九州。東京は2026年が初めて

8つの電力エリアで余って止めた太陽光(2026年1月1日〜・億kWh)
グラフを読み込み中…
九州の12.1億kWhは8エリア合計(23.4億kWh)の半分。東京エリアは2024年4月からの記録で2026年が初めての出力制御でした。
出典: 太陽光比率ウォッチ(当サイト集計)。青=2026年(各エリアの集計最終日まで)、灰=2025年の同じ期間。東北は電力会社の公表が1〜2か月遅れるため、2026年7月31日までの集計。グラフは毎日自動更新されます
8エリアの出力制御と太陽光の割合(2026年1月1日〜9月11日・当サイト集計)
エリア出力制御(2026年)出力制御(2025年の同じ期間)太陽光の割合(2026年)集計の最終日
九州12.1億kWh8.5億kWh17.0%9月11日
東北4.8億kWh3.9億kWh15.4%7月31日
東京2.4億kWh09.7%9月11日
関西1.7億kWh1.0億kWh7.2%9月11日
中国1.3億kWh1.2億kWh17.6%9月11日
北海道0.6億kWh0.07億kWh12.2%9月6日
中部0.5億kWh0.4億kWh13.5%9月11日
沖縄0.01億kWh0.01億kWh6.2%9月11日
8エリア合計23.4億kWh14.9億kWh
太陽光の割合=2026年1月1日から集計最終日までに使った電気のうち太陽光の割合。「2025年の同じ期間」は各エリアの集計最終日と同じ月日まで

8つの電力エリアで2026年に止めた太陽光は、合計23.4億kWhでした。九州が12.1億kWhで半分(51.6%)を占めます。2番目は東北の4.8億kWhで、これは2026年7月31日までの集計です。8エリア合計でも、2025年の同じ期間(14.9億kWh)の1.6倍でした。

東京エリアは2.4億kWhでした。8社の記録がそろう2024年4月以降で、東京エリアの出力制御は2026年が初めてです。2026年3月に始まり、5月だけで1.7億kWhでした。

ちなみに、使った電気のうち太陽光の割合(2026年1月1日〜9月11日)は、中国エリアが17.6%、九州が17.0%で高く、関西の7.2%、沖縄の6.2%が低い順でした。割合が高いエリアほど、昼に余りやすい傾向です。

くらたのひとこと:「もったいない」と感じますが、電気は作る量と使う量を常に合わせないと停電のおそれがあるための仕組みです。きのう九州や東京の電気の何%が太陽光だったかは太陽光比率ウォッチで毎日更新中。電気代そのものの動きは光熱費のページでどうぞ。

本記事は情報提供を目的としたもので、電力需給や電気料金の予想、特定の商品・サービスの推奨ではありません。数値は北海道電力ネットワーク・東北電力ネットワーク・東京電力パワーグリッド・中部電力パワーグリッド・関西電力送配電・中国電力ネットワーク・九州電力送配電・沖縄電力の各社が公表する「エリア需給実績」(30分値・速報値で事後修正があります)を当サイトが集計したものです。出力制御量は各社の「太陽光出力制御量」の列を合計しました。1世帯の使用量(月300kWh)は換算のための目安です。集計時点は2026年9月12日(データは2026年9月11日分まで)。

タグ: 太陽光発電出力制御九州電力エリア需給実績

目次

1結論:2026年は9月11日までに12.1億kWh
2検証:止めたのは春。5月だけで1年の半分
3ほかのエリアは?8エリア合計の半分が九州

この記事で使ったデータ

太陽光比率ウォッチ
毎日更新・8エリア・2024年4月〜
九州の2026年の出力制御
九州のきのうの太陽光の割合
最新の集計を見る →

くらしデータについて

官公庁の公開データを自動集計して、「なんとなく高い・暑い」を数字で確かめられるようにしているサイトです。

公開中のデータ一覧 →